なぜ、売上が上がると資金繰りが悪化するのか?

中小企業の経営者や個人事業主の中には

「売上を増やすためにがんばります!」

と売上を上げることに力を入れ、資金繰りに関しては「見てみないふり」や「経理任せ」になってしまっている方が少なくありません。

「起業しよう」と思う方はチャレンジ精神が旺盛な方が多く、営業出身者などが多い為、資金繰りなどは不得意な分野であることが多くなってしまうのです。

しかし、この状態を放置していると、「売上が伸びているのに倒産した。」ということになりかねないのです。なぜ、売上が上がると資金繰りは悪化するのでしょうか?

売上が上がると仕入や経費も増える

仮に売上が増えて、現金収入や前払いであり、仕入や経費が一切かからないのであれば、キャッシュフローが増えるだけなので資金繰りは改善します。

しかし、売上が増えるのに仕入れが経費が伴わないということはほとんどありません、。

売上が増加すると

  1. 仕入が増える
  2. 経費が増える
  3. 人件費が増える
  4. 大手との取引が多くなり支払いまでの期間が長くなる(手形支払いなど)

という状態が発生してしまうのです。大口取引であればあるほど、支払い条件が厳しいケースも多く、売掛金の入金までの期間が長期化してしまうのです。

売上増加に伴って先立つ支払いが急増し、売掛金の入金はまだという状態が発生してしまうので、資金がショートしてしまう危機に陥ってしまうのです。

売上の上昇が緩やかであれば、それほど余裕資金が減少するダメージはありませんが、急激な売上上昇時には、必ずと言っていいほど「全体の資金は変わらずに、売掛金の比重だけ増え、現金が減る」という状態になってしまいます。

まとめると

売上増加 → 支払増加 + 売掛金増加 → 余裕資金の減少(売掛金の入金はまだ)

という状態が発生し、資金が減るということになります。

売上増加による資金繰りの悪化に対する対策

1.資金調達

銀行融資など売掛金を担保にして売掛金が入金されるまでの間のつなぎ資金の融資が可能になります。金融機関も売掛金が担保になるので、ある程度低金利での融資が可能になるのです。資金繰りの悪化が想定される場合は、契約前に融資交渉をする必要もあります。

2.取引先への商品代金や経費の支払い条件の見直し

大口取引の売上増加の場合に、支払いが先になってしまうのが資金繰り悪化の原因となってしまいます。取引先への支払い条件を一時的に緩和してもらうなど、支払いを遅くするなどの交渉をする必要があります。支払いを大口取引の入金後に設定することができれば、資金繰りは改善するのです。

3.手形割引などの早期現金化

大口取引の取引先の支払方法が約束手形であった場合、入金までに半年位所の期間が必要なケースもあります。これでは資金繰りの悪化は避けられないため、手形割引などを利用して早期の現金化をする方法もあります。

まとめ

売上増加は経営の中では喜ぶべきことであるのは間違えありませんが、経営者はそれと同時に資金繰りのリスクと対処を考える必要があるのです。

注目の資金調達方法

資金調達

資金調達方法には何がある?資金調達方法31種類のメリットデメリット

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銀行融資のすべて。銀行融資を成功に導く申込方法・融資の引き出し方・交渉方法と銀行融資審査

銀行融資は、資金調達の基本中の基本です。そのわりに「銀行からどうやって融資を引き出すのか?」「銀行融資の審査は何を審査しているのか?」「銀行の融資担当者と交渉するときはどうすれば良いのか?」正確に理解している中小企業の経営者はほとんどいないのが現状です。銀行を味方につけることで、企業の資金繰りは何倍も楽になり、会社規模を成長させることができるのです。

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ビジネスローンを活用した資金調達方法のすべて/130社比較・即日融資・無担保・審査

ビジネスローンは、以前は銀行ビジネスローンが主流でしたが、銀行は貸し倒れの増加に伴いビジネスローンの提供に対してかなり消極的になっています。現時点ではビジネスローンは、大手消費者金融が提供するローンサービスであり、銀行融資よりも、「審査が甘い」「即日融資が可能」という点で中小企業の経営者に重宝される資金調達方法となっています。金利が高いなどのデメリットもあるため、短期の資金繰りを乗り切るための選択肢として考えましょう。

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ファクタリングとは?融資審査に通らない方のための資金調達方法

ファクタリングは、売掛債権を譲渡することで早期に資金化する資金調達方法のことを言います。ファクタリングの場合は、審査対象が資金が必要な会社ではなく、売掛先になります。そのため、銀行融資やビジネスローンよりも、売掛先の信用力が高ければ審査に通りやすいメリットがあります。その上、ファクタリングは「債権の譲渡」でしかないため「借入」として決算書に掲載されないので、今後の銀行取引にもマイナスの影響がありません。

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不動産担保ローンを活用した資金調達方法のすべて。審査や金利、借り換え方法を比較

不動産担保ローンは、文字通り、土地、マンション、ビル、店舗、工場、戸建てなどの不動産を担保に資金を調達する資金調達方法のことを言います。無担保のビジネスローンと比較すると担保がある分、「高額な借り入れが可能」「数十年単位の長期間の借り入れが可能」「審査が通りやすい」というメリットがあります。ただし、返済できなければ担保である不動産を失ってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。

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資金調達のコンサルティング、資金調達のサポート事業を行っています。銀行融資から、担保融資、ビジネスローン、不動産担保ローン、ファクタリングまで、様々な資金調達方法を紹介し、資金繰りの改善をお手伝いしています。実際に私が経営している会社でも、様々な方法で資金調達を実現させました。