中小企業の資金調達で銀行融資の審査を通すためには「支店長にアピールする」という方法も有効になります。その理由と方法について解説します。
銀行融資の審査可否は「支店長決裁」「本部決裁」の2種類
基本的に銀行で融資を受けるときの流れは
【銀行の支店】
融資担当者が融資の稟議書を作成
↓
融資係長
↓
副支店長
↓
支店長 → 最終決裁
【本部】
↓
融資部(審査部)部長・課長 → 最終決裁
という形になります。
融資担当者が作った融資の稟議書を支店長、もしくは本部が最終決裁をして、融資の実行が決まるのです。
中小企業の融資ならほとんどが支店長決裁
本部に決裁が行くということは
- 数億円単位の融資
- 大企業の融資
- イレギュラー案件の融資
・・・
規模の大きな案件であることがほとんどですので、中小企業のレベルでの融資であれば支店長決裁がほとんどなのです。
融資担当者が作成する融資に関する資料や融資判断も、当然重要になるのですが、最終的な判断は、支店長の判断で融資の可否が決まるということになります。
支店長の意見が大きく、融資の可否に影響を与えることになります。
中小企業の経営者が銀行融資の審査を通すためにすべきことは、支店長に対して会社の信頼性をアピールするということが重要になるのです。
支店長に会社の信頼性をアピールする方法
支店長に会うためには魅力的な会社や融資案件である必要がある
銀行の支店長には簡単にお会いすることができません。
融資担当者に「支店長に会わせて」とお願いしても「なんで?」となるでしょうし、融資担当者が支店長に「○○という会社の社長さんがお会いしたいと言っているのですが」と言ってくれても、支店長が「なんで?会う必要があるの?」となってしまうのです。
結局、支店長に会ってもらうには
- 十分な融資額
- 銀行との取引歴の長さ
- 業績の良い企業
- 事務内容の良い企業
- 業歴の長い企業
である必要があります。
じゃあ、そうでない企業の場合はどうやって支店長にアピールすれば良いのでしょうか?
「決算説明」という方法
1年に1回決算が締まったら、決算書の内容について銀行に訪問して説明をすることを「決算説明」と言います。
「決算説明」をしていない会社もありますが「決算の内容について説明したい。」と言われて断る銀行はありませんし、何より「決算説明」は支店長も同席してくれる可能性が高いのです。
「決算説明」を積極的に利用して、支店長とのコネクションを作り、融資審査の評価を上げることができるのです。
「決算説明」で決算書の内容だけを説明しても意味がない
「決算説明」で決算書に書いてあることの説明をしても、支店長へのアピールにはつながりません。
銀行が求めているのは
- 将来的に業績が伸びて融資額が拡大できる可能性がある企業
- 貸し倒れリスクが少ない業績が安定している企業
ですから
- いかに自社の商品やサービスが顧客に受け入れられているか?
- いかに自社の商品やサービスが競合他社に対して優れているか?
- 経営の安定性
- 中長期の事業計画や資金需要
を明解にプレゼンテーションする必要があるのです。
SWTO分析を実績やデータを踏まえて説明するイメージが分かりやすいかと思います。
まとめ
- 中小企業の銀行融資は支店長決裁がほとんど
- 支店長に会うためには「決算説明」を活用すべき
- 「決算説明」では会社の業績の安定性や成長性を実績を踏まえてアピールすべき
です。
銀行融資はビジネスローンのようなシステムによる機械的な審査ではありませんので、上手に銀行の融資担当者や支店長とコネクションを作るべきなのです。
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