資金調達方法には何がある?資金調達方法31種類のメリットデメリット

資金調達を考えたときに実際にはどのくらいの選択肢があるのでしょうか?経営者が抱える一番の課題が資金調達ですが「選択肢がどのくらいあるのか?」すら知らない経営者が多いのが実態です。今回は資金調達のすべてを解説します。

目次

資金調達方法は大きく3つにわかれます。

  1. 会社の「資産」を何らかの形で資金に変える = アセット・ファイナンス
  2. 誰かから借りる「負債」によって資金調達をする = デッド・ファイナンス
  3. 会社に投資をしてもらう「資本」によって資金調達をする = エクイティ・ファイナンス

の3つです。

「資金調達」といって、真っ先に思いつくのは「銀行融資」だと思いますが、負債による資金調達以外にも色々な方法があるのです。

1.「資産」を何らかの形で資金に変える = デッド・ファイナンス

資金調達方法その1.使っていない資産を売る

シンプルな資金調達方法は、すでに会社が保有している資産を売るという方法です。資産を売れば売却代金が支払われるので、その資金を調達するのです。

売却できる会社の資産はある程度の金額があるものになりますが

  • 不動産
  • 有価証券
  • ゴルフの会員証

などが該当します。

資金調達方法その2.無駄な在庫を売る

在庫は多くのコストが発生する負債です。売れる見込みのある適正な在庫であれば保有していても、もんだいありませんが、過剰に在庫を持っている状態は毎月の在庫の管理コスト、保管コストが発生するだけなのです。

利益がでない状態でたたき売りしなければならないケースもありますが、利益が出る出ないにかかわらず、適正な在庫量に合わせることと資金調達の両方を実現できる方法として、無駄な在庫の処分は検討すべきなのです。

資金調達方法その3.売掛債権を売る(ファクタリング)

売掛債権というのは、クライアントへ商品やサービスを提供して、その代金が支払われる権利のことです。売掛金が支払われるまでは30日~60日の期間が発生してしまいます。売掛金が支払われるより早く、売掛債権を売却することをファクタリングと呼ぶのです。

ファクタリングを利用すれば、手数料は発生しますが即日現金化することが可能です。

ファクタリング比較

資金調達方法その4.セール&リースバック

資産を売却するとしても、利用している設備などの資産を売却すると会社が運営できなくなります。

  • 車両
  • 不動産
  • 機械設備
  • 内装設備
    など

売却すると事業が成り立たない資産の場合は、売却した後にそのままリース契約を結んで使い続けるという方法がとれます。リース契約は毎月の利用料金として発生しますが、売却資金は一括で入ってくるので資金調達になるのです。

資金調達方法その5.営業権を売る

開拓していた顧客網や代理店網、特許やライセンス(営業権)、商標、開発権などものがないけれども、価値のある資産というものがあります。無形資産とも呼ばれるものです。これらも売却することで資金化することが可能です。

資金調達方法その6.債権回収

100社と取引があった場合に100社すべてが期日通りに入金してくれるわけではありません。一定の割合で支払いがない取引先などもあるはずなのです。本来はもらえる資金がもらえていない状況なのですから、債権回収を積極的に行うことで、未回収分の資金調達が可能になります。

債権回収に取引先が応じない場合は、内容証明や民事調停、少額訴訟、通常訴訟など簡単に言えば訴える措置が取れます。何もしないと一定期間後に債権が消滅してしまうので注意が必要です。

資金調達方法その7.保険積立金を取り崩す

個人と同じように法人でも、色々な保険に加入している会社も少なくありません。経営者の生命保険活用は節税対策の一環として、多くの企業に採用されているのです。当然、満期になる前に解約してしまえば、解約返戻金が少なくなる可能性もありますが、資金調達が必要な状況では、別のところから借りるよりも、契約している保険の保険積立金を取り崩した方がコストがかからない可能性があるのです。

資金調達方法その8.オフィスの敷金(保証金)を回収する

オフィスなどの不動産を契約する場合、個人でも敷金0円の物件が増えてきましたが、法人の場合は6か月~12カ月分の敷金(保証金)が発生するのが相場となっています。下手すれば1年分ですから、かなりのコストを拠出していることになります。

敷金(保証金)は契約終了後に返還されるお金ですが、原状回復に費用がかかればその金額は差し引かれます。この敷金(保証金)は交渉によって取り戻すことができるのです。方法はいくつかありますが、例えば「毎月の家賃を数%割り増しする代わりに敷金(保証金)は返金してください。」という交渉もできるのです。毎月の賃料が増えても、一時的に敷金(保証金)が戻れば資金調達になるのです。

資金調達方法その9.経営者への貸付・仮払金を回収する

中小企業の場合は、経営者個人が会社からお金を借りているという状態になるケースが少なくありません。経営者個人への債権も回収の対象になるということです。役員報酬から強制的に回収する、退職金から回収するという方法があります。

2.「負債」によって資金調達をする = デッド・ファイナンス

資金調達方法その10.国や地方公共団体から借りる公的融資

一番金利が低金利で融資がおりやすいのが公的融資です。政府系金融機関、地方公共団体、信用保証協会など公的機関からお金を借りることができます。

政府系金融機関

  • 日本政策金融公庫
  • 商工組合中央金庫

地方公共団体の制度融資

  • 都道府県や市区町村が設けている制度融資のこと。取扱金融機関の融資を保証する形で行う

信用保証協会の保証付融資

  • 金融機関の融資に対して信用保証協会が保証する形を取る。金融機関は貸し倒れリスクが回避できるので信用力が低い中小企業に対しても融資ができるようになる

公的融資は銀行融資よりも金利が低金利というメリットがありますが、一つの支店で受け持つ企業数が多い為、1社1社個別の対応、親身な対応は期待できません。

資金調達方法その11.銀行融資

最もメジャーな資金調達方法は銀行から融資を受ける「銀行融資」です。

  • 銀行融資には前述した信用保証協会の保証付融資
  • 銀行独自に融資するプロパー融資

があります。

  • 信用力の低い企業 → 信用保証協会の保証付融資
  • 返済実績のある信用力の高い企業 → プロパー融資

プロパー融資の場合は、貸し倒れリスクを銀行が負うため、一定の信用力が必要になります。保証付融資で返済実績を積むことや十分な収益性のある企業でないとプロパー融資は利用できません。

資金調達方法その12.ビジネスローン

  • 信用保証協会の保証付融資も利用できない
  • プロパー融資ももちろん利用できない

という中小企業、零細企業のために開発されたローン商品がビジネスローンです。

無担保、保証人なしで利用でき、審査も甘い事業資金専用のローンですが、その分高い金利が設定されています。

ビジネスローンを提供しているのは、銀行やノンバンク(消費者金融)になります。

消費者金融のビジネスローンは即日融資も可能ですので、資金の必要性が切迫している場合にも活躍します。

ビジネスローン比較

資金調達方法その13.手形割引

企業は商品やサービスを提供したときに売掛債権ではなく、手形で支払いを受けることもあります。大企業との取引では手形が利用されることが少なくありません。手形は売掛債権よりも、支払いまでの期間が長く、なかなか資金化できないデメリットがあるのですが、手形を銀行に売却することで早期の資金調達が可能になるのです。

売掛債権の売却のファクタリングとの違いは、手形割引を行った手形が不渡り(振り出した企業が倒産)した場合に、買い戻す義務があることです。買い戻しの義務があるため、手形割引は融資の一種として分類されます。

資金調達方法その14.取引先から借りる「前払い」

日本の商取引では、一般的に商品やサービスを提供し、検収してもらってから請求書を送り、請求書の期日までに入金されるという支払いフローが一般的です。

しかし、サービスや商品力に自信があれば「この商品は前払いです。」「このサービスは前払いです。」ということもできるのです。商品を仕入れる前に、サービスを提供する前に料金をもらえるのですから、ある意味お客様からの借入ということができます。

前払いでビジネスが成り立つのであれば、キャッシュフローを改善する大きな手法となります。

資金調達方法その15.従業員から借りる「社内預金制度」

社内預金制度というのは、社員が会社に預金をする制度です。会社にとっては、社員からお金を調達する形となります。

銀行融資で利息を5.0%支払うとしたら、社員に利息3.0%で借りた方がお得という考え方もできるのです。社員にとっても、現在の銀行金利は0.001%という時代ですから、十分に魅力的な利息が付くとも言えます。

当然、これを導入するためには社員と会社の信頼関係が必要になりますが、導入で切ればより会社へのエンゲージメントが強まり、社内のモチベーションも高まるのです。

資金調達方法その16.流動資産担保融資「ABL」

ABLというのは、流動資産を担保にした融資のことです。流動資産というのは、在庫や原材料などが該当します。売却するまでは活用できない在庫を担保として資金調達ができるので、近年注目されている資金調達方法のひとつです。

ABLでは動産譲渡登記というものを利用し、担保が債権者のものであることを証明することで、融資をすることが可能になるのです。

資金調達方法その17.売掛債権担保融資

売掛債権担保融資というのは、文字通り売掛債権を担保にした融資のことです。売掛債権も、債権譲渡登記という形で登記所で公的に所有権を証明できるので、担保として効力が発揮され、金融機関は売掛債権を担保として融資をすることができるのです。

資金調達方法その18.不動産担保ローン

不動産担保ローンは、不動産を担保としたローンです。銀行やノンバンクが提供しています。一般的に担保の掛目は70%とされていて、不動産評価額の7割を限度額として借りることが可能になります。不動産は流動資産や売掛債権と比較すると価格の変動が大きい為、掛目が小さくなってしまいます。

担保にできる不動産は、2番抵当、3番手抵当、借地権、家族所有物件・・・など悪条件の物件でも利用できます。

不動産担保ローン比較

資金調達方法その19.借り換え

金利の高い借入(融資・ローン)から、金利の低い借入(融資・ローン)借り換えることを「借り換え」と言います。

  • 金利の高い融資 銀行A  1000万円:15%
  • 金利の低い融資 銀行B 12%

という状態の場合に、銀行Bから1000万円を借りて、銀行Aに1000万円を完済することで債務が銀行Aから銀行Bへ移ることになります。利息が下がることになるので、毎月の返済額に余裕ができ、新たな借入ができる可能性が出てくるのです。

資金調達方法その20.リスケジュール「リスケ」

リスケというのは、返済が苦しい場合に債権者に相談して、返済計画を見直すことを意味します。

  • 返済額の減額
  • 据え置き期間の導入

と交渉がまとまれば一時的に返済負担を軽減することができるのです。

返済計画の見直しによって、その後は確実に返済できるという感触が得られなければ、債権者は交渉にオプじてくれませんので、見直し後の返済計画の確実性が重要になります。

資金調達方法その21.コミュニティクレジット

コミュニティ・クレジットというのは、地域社会で互いに信頼性のある企業同士が共同で信託会社を設立し、参加企業同士が部分保証することで、銀行などの金融機関が信託会社へ融資をしやすくする仕組みです。

信頼関係の強い企業が金銭を共同で信託して、信託会社を設立し、その信託会社が銀行から資金調達した上で、必要な参加企業に対し、信託会社が融資を行うスキームになっています。

画期的な資金調達方法ともてはやされていますが、実際に運用するのは非常に難しい資金調達方法となっています。

資金調達方法その22.社債「少人数私募債」

資金調達方法には「社債」を利用する方法もあります。社債というのは、国債が国が発行する債権なのに対して、会社が発行する債権のことを社債と言います。ソフトバンクなどが社債での資金調達に積極的ですが、金利を手厚くすることで多くの投資家から社債の購入者を募ることができます。

しかし、大企業は社債発行に○千万円というコストをかけても、問題ありませんが中小企業がそれだけのコストをかけて社債を公募するわけにはいきません。そもそも、公募してもなかなか社債の購入者は集まらないでしょう。

そこで登場したのが「少人数私募債」です。少人数私募債は49人(社)以下の投資家に対して、発行することができる社債のことです。引受人も、発行会社の関係者のみとなっています。通常は、発行会社の役員や社員、取引先、家族、利害関係者、親族、知人など身内が基本になります。

少人数私募債も、社債の一種ですから、投資家には利息というメリットがあります。投資家を募るためには高めの利率設定が必要になります。しかし、銀行融資やビジネスローンと違って、直接の資金調達ですので、資金調達コストは比較的安くなるのです。

3.「資本」によって資金調達をする = エクイティ・ファイナンス

資金調達方法その23.第三者割当増資

第三者割当増資というのは、新株を発行して増資をするものです。第三者に株を売るのですから、売却額が会社の資金となり、資金調達が可能になるのです。

第三者割当増資をしてもらうためには、会社の成長性や株価が上昇することを投資家に説明する必要がありますが、実現できれば出資ですので、返済の義務がない資金調達となります。

ただし、第三者割当増資によって、経営者の出資比率が下がってしまいますので、経営権を失わない割合に抑える必要があります。

資金調達方法その24.ベンチャーキャピタル(VXC)

ベンチャーキャピタルというのは、ベンチャー企業に出資をして、そのベンチャー企業が上場することで出資資金を改修し、利益を上げる投資専門会社のことです。

ベンチャーキャピタルは将来性の高い市場や将来性の高い企業に出資し、大企業になって株価が何百倍、何千倍になることを狙っています。

そのため、ベンチャーキャピタルから出資を受けるためには明確なビジョン、将来有望な市場、差別化できる要素、経営者のスキル、IPOの可能性など様々な条件が合致する必要があります。

資金調達方法その25.エンジェル

エンジェルというのは投資家のことです。欧米では盛んに富裕層がエンジェルとして有望なベンチャー企業に投資をしています。日本でも、徐々にですがエンジェルによる出資というのも伸びてきています。

ベンチャー企業投資促進税制というものも創設され、条件を満たせば出資した金額に税金がかあらなくなるのです。

資金調達方法その26.新株予約権(ストックオプション)

ネット系のベンチャー企業を中心に、優秀な人材を採用するために「新株予約権(ストックオプション)」を発行する会社が増えています。新株予約権(ストックオプション)というのは、あらかじめ設定した価格で新株を購入できる権利のことを言います。株価が安いときに予約権を持っていれば、その会社が成長して上場したときに以前の価格で購入して、すぐに売却すれば、一般社員であっても高額な資金が手に入るのです。これをモチベーションとして人材採用に利用する会社が増えているのです。

しかし、新株予約権(ストックオプション)は社債と一緒に発行したり、金融機関からの借入に利用することも可能です。新株予約権(ストックオプション)付の社債の方が投資家が集まりやすく、資金調達がしやすくなるのです。金融機関も、新株予約権(ストックオプション)がある分、融資条件を緩くしてくれることもあるのです。

資金調達方法その27.従業員持ち株会

従業員持ち株会というのは、従業員が毎月一定額を給与から天引きして、その金額で会社の株を購入する仕組みのことです。社員が自社の株を持つことで、モチベーションの向上につながるとともに、毎月安定した資金が調達できることにもなるのです。

業績が悪い会社や配当が出せない会社の場合、従業員持ち株会が給与から天引きすることに反発する従業員も出てくるので注意が必要です。

資金調達方法その28.中小企業ファンド

中小企業ファンドというのは、ベンチャーキャピタルが設立する投資事業有限責任組合のことを言います。投資会社は目的に合わせたファンドを組成し、投資家から投資を募るのです。投資ファンドは集めた資金を参加するベンチャー企業などに出資するのです。

資金調達方法その29.クラウドファンディング

クラウドファンディングは、企業自らがファンドを組成し、直接個人投資家から出資を募る仕組みとなっています。新しい取り組みですが、不動産投資ファンドなどが多く、年率も5%を超えるものがあり、不動産投資ができるほど資金やノウハウがないけれども、銀行の預金金利には不満がある個人投資家に人気があります。一口数万円から出資ができるのが特徴で、インターネット上で簡単に不特定多数から出資を受けられるので中小企業のエクイティ・ファイナンスの革命的な方法になるポテンシャルがあります。

資金調達方法その30.事業譲渡・M&A

会社の事業部門を売却する、子会社を売却するという形で資金調達することも可能です。事業の一部を売却することも、事業部を売却することも、会社を丸ごと売却することも、株式の一部を売却することも可能です。

資金調達方法その31.IPO(株式公開・上場)

最終的な資金調達のゴールとされることが多いのがIPO(株式公開・上場)です。上場するということは、取引所で自社の株式が売買されるということになります。個人投資家が株を購入するので、大きな金額の資金調達が直接金融で可能になるのです。

長期的、安定的な資金調達ができる、信用が増す反面、企業の経営情報の開示コストや第三者の買収リスクが発生してしまいます。

まとめ

資金調達方法には、様々な方法があります。

とくに中小企業の経営者は、銀行融資とビジネスローンぐらいしか思いつかないのですが、実際は食わず嫌いなだけで、労を惜しまなければ色々な資金調達方法が存在するのです。あなたの会社にあった資金調達方法が必ず存在するはずです。固定概念を外してチャレンジしてみることをおすすめします。

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