ちょっと待って!はじめてビジネスローンを借りる前に覚えておくべき5つの注意事項。今後の資金調達・銀行融資への悪影響は?

man
「ビジネスローンを借りると、銀行からの融資が受けにくくなるって聞いたんだけど、本当?」
「ビジネスローンを借りるときに知っておくべき注意事項って何があるの?」

ビジネスローンをはじめて借りる方は色々な疑問をお持つかと思います。今回は、はじめてビジネスローンを借りる前に覚えておくべき注意事項について解説します。

注意点その1.ビジネスローンは利息制限法ギリギリの高金利ローン商品

注意点その1.ビジネスローンは利息制限法ギリギリの高金利ローン商品

ビジネスローンの金利

ビジネスローンというのは

金利:3.0%~15.0%

という形で「下限金利」と「上限金利」が提示されていて、審査によって、実際に適用される「適用金利」が決まる仕組みとなっています。

こう記載されていると・・・

man
「うちの会社は、はじめてノンバンクのビジネスローンを利用するんだし、7%とか、8%ぐらいになるのかな。」

と思ってしまいがちですが、

ビジネスローンは、ほとんどのケースで15.0%に近い金利が適用されるもの

なのです。

15.0%というのは利息制限法の100万円以上の融資における「上限金利」です。

ノンバンクは、これ以上高くは貸せないのです。

man
「なぜ、ビジネスローンは利息制限法ギリギリの金利になってしまうの?」

答えは

「無担保」「第三者保証人なし」という貸し倒れリスクが高いローンサービスだから

です。

すでにビジネスローンを借りようとするお客さんは

  • 日本政策金融公庫で借りている
  • メガバンクでも借りている
  • 地方銀行・信用金庫でも借りている

それでも、借り先が亡くなって

  • ビジネスローンを検討している

という方がほとんどです。

低金利の銀行から融資を受けられるのであれば、ビジネスローンを利用する理由というのは

  1. 銀行からもう借りられない
  2. 銀行の融資審査の結果を待ってられない

の2つしかないのです。

この状況でビジネスローン会社が融資をした場合、返済できずに倒産してしまい「貸し倒れ」になってしまう確率がかなり高いのです。

元々、銀行が開発したのが「高金利だけど審査を甘く設定できるビジネスローン」という商品ですが、焦げ付きが銀行の予想以上に多く発生してしまって、この「貸し倒れリスク」に耐えられず、銀行はビジネスローンの提供から手を引いてしまったのです。

※形式上、銀行のビジネスローンが残っていたり、保証協会の保証付融資を「ビジネスローン」という名称にすることはあります。

ビジネスローンは利息制限法ギリギリの高金利で借りる商品

ということをビジネスローンを借りる前に理解しておく必要があるのです。

注意点その2.ビジネスローンは短期的な資金繰りで使うもの

注意点その2.ビジネスローンは短期的な資金繰りで使うもの

前述した通りで

ビジネスローンは利息制限法ギリギリの高金利ローン商品

なのですから、

借りる期間が長くなれば長くなるほど、利益を圧迫し、返済負担が増加し、倒産リスクを増やしてしまいます。

概算で計算すれば

金利15.0%で1000万円の融資を受けた場合に元金均等返済であれば

5年間で返済する場合

毎月返済額:237,899円
年間返済額:2,854,788円
総返済額:14,273,940円
利息分:4,273,940円

3年間で返済する場合

毎月返済額:346,653円
年間返済額:4,159,836円
総返済額:12,479,508円
利息分:2,479,508円

1年間で返済する場合

毎月返済額:902,583円
年間返済額:10,830,996円
総返済額:10,830,996円
利息分:830,996円

半年で返済する場合

毎月返済額:1,740,338円
年間返済額:10,442,028円
総返済額:10,442,028円
利息分:442,028円

半年で返済しきれば「442,028円」の利息負担で済みますが、5年で返済するならば「4,273,940円」と、約10倍の利息を返済しなければならなくなってしまいます。

前述した「利息負担」を見ればわかる通りで

ビジネスローンは金利負担が大きいため

  • 借りる期間が長引けば長引くほど、利息負担が増える
  • 借りる期間が短ければ短いほどほど、利息負担が減る

仕組みになっています。

ビジネスローンを利用するときは「短期的な利用」を前提として利用すべきなのです。
man
「そんな短期的に返済できないんだけど、どうすれば良いの?」

ビジネスローンで借りたとしても、同時並行

  • 銀行からの低金利の融資
  • 信用金庫からの低金利の融資
  • 日本政策金融公庫や制度融資

の検討を継続すべきです。

銀行、信用金庫、日本政策金融公庫などから低金利で融資を受けられれば、ビジネスローンの借入を完済し、「借り換え」ることができるのです。
man
ビジネスローンで借りている間は、他の資金調達方法を継続して検討する猶予期間ができた。

と考えるべきであり、ビジネスローンを「借りっぱなし」にするべきものではないのです。

注意点その3.ビジネスローンは、決算書に載せない努力が必要

注意点その3.ビジネスローンは、決算書に載せない努力が必要

銀行の融資を検討しているときに銀行の融資担当者に審査を依頼することになりますが・・・

知っておくべきことは

「ノンバンクからの借入があると、銀行は融資審査を通さない可能性がかなり高い。」

ということです。

なぜなら、銀行は10%を超える高金利を、利益体質の弱い中小企業が払い続けられ得るとは考えていないからです。

融資担当者は決算書を見たときに

staff
「ビジネスローンを借りているな。それほど資金繰りに困窮しているんだな。」
「金利15.0%で借りて、営業利益率が3.0では、どうやって利息を支払うんだ。このままなら倒産してしまうな。」

と判断して、追加融資をしてくれないのです。

このままでは、銀行融資を受けられなくなってしまいます。

考えなければならないのは

ビジネスローンの借入を決算書に載せないこと

です。

銀行に提出する決算書に「ノンバンクからの借入」があると、融資審査に大きなマイナスの影響を及ぼしてしまうのですから、決算書に載せなければ良いのです。

決算書にビジネスローンの借入を載せない方法は

  1. 決算が確定する前に完済する
  2. 決算が確定する前に一時的に友人・知人・家族から借り入れをして、ノンバンクの借り入れを0円にする

の2つの方法があります。

完済できれば、ベストですが「どうしても、今期中には完済できそうもない。」というのであれば、一時的であっても、友人・知人・家族から借り入れをして、ノンバンクの借り入れを0円にしてから、決算を迎えるべきなのです。

決算が終わったら、再び、ビジネスローンの借入を再開して、に友人・知人・家族には返済してしまえば良いのです。

大手消費者金融の提供しているビジネスローンの中には

カードローン型ビジネスローン/極度方式(枠の範囲内で何度も借入・返済が可能)

があります。

これであれば、枠の範囲内で何度も出し入れが可能ですので

  1. 決算の前は完済して、借入残高を0円にする
  2. 決算が終わったら、友人・知人・家族に返済して、再び必要な額の借り入れをする

という活用が可能になるのです。

この活用ができるビジネスローンには下記のようなものがあります。

オリックスVIPローンカード BUSINESS

オリックスVIPローンカード BUSINESS

ビジネスローン名オリックスVIPローンカード BUSINESS
金融機関名オリックス・クレジット株式会社
本社所在地(都道府県)東京都
タイプ【ノンバンク】ローンカード型ビジネスローン
下限金利6.00%
上限金利17.80%
最大限度額500万円
事務手数料0円
個人事業主の利用○ ※1年以上の事業歴
法人経営者の利用
融資スピード最短即日
担保不要
保証人第三者の保証人不要

AGビジネスサポート「ビジネスローン」

AGビジネスサポート「ビジネスローン」

ビジネスローン名AGビジネスサポート「ビジネスローン」
金融機関名AGビジネスサポート株式会社
本社所在地(都道府県)東京都
タイプ【ノンバンク】ローンカード型ビジネスローン
下限金利3.10%
上限金利18.00%
最大限度額1,000万円
事務手数料0円
個人事業主の利用
法人経営者の利用
融資スピード最短即日
担保不要
保証人保証人原則不要※法人の場合は代表者連帯保証が必要

CREST for Biz(クレスト フォービズ)

CREST for Biz(クレスト フォービズ)

ビジネスローン名CREST for Biz(クレスト フォービズ)
金融機関名株式会社オリエントコーポレーション
本社所在地(都道府県)東京都
タイプ【ノンバンク】ローンカード型ビジネスローン
下限金利6.00%
上限金利18.00%
最大限度額300万円
事務手数料0円
個人事業主の利用
法人経営者の利用-
融資スピード数日
担保不要
保証人第三者の保証人不要

プロミス自営者カードローン

プロミス自営者カードローン

ビジネスローン名プロミス自営者カードローン
金融機関名SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
本社所在地(都道府県)東京都
タイプ【ノンバンク】ローンカード型ビジネスローン
下限金利6.30%
上限金利17.80%
最大限度額300万円
事務手数料0円
個人事業主の利用
法人経営者の利用-
融資スピード最短即日
担保不要
保証人不要

注意点その4.ビジネスローンは、完済したら解約する

注意点その4.ビジネスローンは、完済したら解約する

ビジネスローンは

  • いつでも借りられる
  • 24時間365日コンビニATMで借りられる

利便性の高いローン商品です。

利便性が高いからこそ、経営者は、資金繰りが難局になると、すぐに頼ってしまいがちになるのです。

本来であれば

資金繰りが苦しくなったら

  1. 経営者の役員報酬を減らす
  2. 外注先へ支払を遅らせてもらう
  3. 広告主からの売掛金の入金を早めてもらう
  4. 不要な資産(在庫、設備、車、不動産)は売却する
  5. コスト削減を徹底する
    ・・・

やるべきことをやったうえで、不足分をビジネスローンで賄うものです。

しかし、一度、ビジネスローンで借り入れをして、完済できた実績ができてしまうと、はじめの時はこの資金繰りを改善する努力をしていたのにも関わらず、2回目は

man
「いつでも借りられるからビジネスローンを利用すればいいか。」
「まだ、枠が余っているから、資金繰りは大丈夫だ。」

と安心してしまう材料になってしまうのです。

前述した通りで

ビジネスローンは高金利のローン商品ですから、経営的には「できれば借りない方が良いもの」です。

だからこそ、甘えを断ち切るためには

ビジネスローンを一旦完済したら、そのまま解約してしまう

ことを心がけましょう。

「いつでも借りられる」枠が余っているということは、経営者の心理的な安心材料にはなりますが、経営的に必死になる力が弱まってしまうため、諸刃の剣になってしまいます。

注意点その5.ビジネスローンは、悪徳業者に注意せよ!

注意点その5.ビジネスローンは、悪徳業者に注意せよ!

最後に、気を付けなければならないのは

闇金(悪徳業者)

です。

以前と比較すれば、かなり闇金が事業者金融に手を出す事例は減少しているのですが・・・それでも、ゼロではありません。

どう注意すれば良いかというと・・・

その1.貸金業の登録番号(免許)が正しいか金融庁のウェブサイトで調べる

闇金業者の中には、他の業者の登録番号や架空の登録番号をウェブサイトに記載しているところも多いので、それだけで安心してはいけません。

その1.貸金業の登録番号(免許)が正しいか金融庁のウェブサイトで調べる

その2.貸金業の登録番号(免許)が更新されているか確認する

貸金業登録番号は

関東財務局長(9)第01234号

というような形で記載されていて、カッコ内の数字は、登録時に(1)からスタートし、3年毎の更新の際にカッコ内の数字が増えていく仕組みとなっています。

(2)以上であれば、1回は貸金業を起業してから、問題なく「更新」されたということですから、「信頼性がある」と判断できます。

その3.違法業者として登録がないか確認する

金融庁のウェブサイトでは違法業者の情報が公開されています。借入を検討している事業者が問題ない事業者か確認しましょう。

無登録でありながら架空の登録番号や別の登録業者の登録番号を詐称するなどして貸金業務を行っている会社名をPDF公表していますのでご確認ください。

その3.違法業者として登録がないか確認する

その4.大手消費者金融のビジネスローンを選択する

間違えないのは名前の知っている大手消費者金融のビジネスローンを利用することです。

オリックスグループの金融会社オリックス・クレジット

オリックスVIPローンカード BUSINESS

オリックスVIPローンカード BUSINESS

ビジネスローン名オリックスVIPローンカード BUSINESS
金融機関名オリックス・クレジット株式会社
本社所在地(都道府県)東京都
タイプ【ノンバンク】ローンカード型ビジネスローン
下限金利6.00%
上限金利17.80%
最大限度額500万円
事務手数料0円
個人事業主の利用○ ※1年以上の事業歴
法人経営者の利用
融資スピード最短即日
担保不要
保証人第三者の保証人不要

アイフルの100%子会社AGビジネスサポート

AGビジネスサポート「ビジネスローン」

AGビジネスサポート「ビジネスローン」

ビジネスローン名AGビジネスサポート「ビジネスローン」
金融機関名AGビジネスサポート株式会社
本社所在地(都道府県)東京都
タイプ【ノンバンク】ローンカード型ビジネスローン
下限金利3.10%
上限金利18.00%
最大限度額1,000万円
事務手数料0円
個人事業主の利用
法人経営者の利用
融資スピード最短即日
担保不要
保証人保証人原則不要※法人の場合は代表者連帯保証が必要

オリコカードを発行しているオリエンタルコーポレーション

CREST for Biz(クレスト フォービズ)

CREST for Biz(クレスト フォービズ)

ビジネスローン名CREST for Biz(クレスト フォービズ)
金融機関名株式会社オリエントコーポレーション
本社所在地(都道府県)東京都
タイプ【ノンバンク】ローンカード型ビジネスローン
下限金利6.00%
上限金利18.00%
最大限度額300万円
事務手数料0円
個人事業主の利用
法人経営者の利用-
融資スピード数日
担保不要
保証人第三者の保証人不要

SMBCグループの金融会社SMBCコンシューマーファイナンス

プロミス自営者カードローン

プロミス自営者カードローン

ビジネスローン名プロミス自営者カードローン
金融機関名SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
本社所在地(都道府県)東京都
タイプ【ノンバンク】ローンカード型ビジネスローン
下限金利6.30%
上限金利17.80%
最大限度額300万円
事務手数料0円
個人事業主の利用
法人経営者の利用-
融資スピード最短即日
担保不要
保証人不要

まとめ

はじめてビジネスローンを借りる前に覚えておくべき5つの注意事項には

  1. 注意点その1.ビジネスローンは利息制限法ギリギリの高金利ローン商品
  2. 注意点その2.ビジネスローンは短期的な資金繰りで使うもの
  3. 注意点その3.ビジネスローンは、決算書に載せない努力が必要
  4. 注意点その4.ビジネスローンは、完済したら解約する
  5. 注意点その5.ビジネスローンは、悪徳業者に注意せよ!

というものがあります。

ビジネスローンは

  • 無利息
  • 第三者保証人不要
  • 最短即日融資が可能

というメリットがある一方で

  • 高金利
  • 今後の資金調達にマイナスの影響がある

というデメリットもあります。

teacher
メリットデメリットを理解した上で活用すれば、ビジネスローンも有効な資金調達方法となりますが、メリットデメリットを理解せずに活用すると、会社経営を悪化させてしまいます。上記の注意点を理解した上で、ビジネスローンを検討することをおすすめします。

注目の資金調達方法

資金調達

資金調達方法には何がある?資金調達方法31種類のメリットデメリット

資金調達方法の種類を徹底網羅して解説しています。資金調達方法は、思っている以上に多くの種類があり、資金調達方法ごとにメリットデメリットが存在します。中小企業であっても、使える資金調達方法は多くあるので、まずは「どのような資金調達方法があるのか?」把握することをおすすめします。資金調達の選択肢を知ったうえで、メリットデメリットを確認し、自社の状況に合わせた資金調達方法を選びましょう。

銀行融資

銀行融資のすべて。銀行融資を成功に導く申込方法・融資の引き出し方・交渉方法と銀行融資審査

銀行融資は、資金調達の基本中の基本です。そのわりに「銀行からどうやって融資を引き出すのか?」「銀行融資の審査は何を審査しているのか?」「銀行の融資担当者と交渉するときはどうすれば良いのか?」正確に理解している中小企業の経営者はほとんどいないのが現状です。銀行を味方につけることで、企業の資金繰りは何倍も楽になり、会社規模を成長させることができるのです。

ビジネスローン

ビジネスローンを活用した資金調達方法のすべて/130社比較・即日融資・無担保・審査

ビジネスローンは、以前は銀行ビジネスローンが主流でしたが、銀行は貸し倒れの増加に伴いビジネスローンの提供に対してかなり消極的になっています。現時点ではビジネスローンは、大手消費者金融が提供するローンサービスであり、銀行融資よりも、「審査が甘い」「即日融資が可能」という点で中小企業の経営者に重宝される資金調達方法となっています。金利が高いなどのデメリットもあるため、短期の資金繰りを乗り切るための選択肢として考えましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは?融資審査に通らない方のための資金調達方法

ファクタリングは、売掛債権を譲渡することで早期に資金化する資金調達方法のことを言います。ファクタリングの場合は、審査対象が資金が必要な会社ではなく、売掛先になります。そのため、銀行融資やビジネスローンよりも、売掛先の信用力が高ければ審査に通りやすいメリットがあります。その上、ファクタリングは「債権の譲渡」でしかないため「借入」として決算書に掲載されないので、今後の銀行取引にもマイナスの影響がありません。

不動産担保ローン

不動産担保ローンを活用した資金調達方法のすべて。審査や金利、借り換え方法を比較

不動産担保ローンは、文字通り、土地、マンション、ビル、店舗、工場、戸建てなどの不動産を担保に資金を調達する資金調達方法のことを言います。無担保のビジネスローンと比較すると担保がある分、「高額な借り入れが可能」「数十年単位の長期間の借り入れが可能」「審査が通りやすい」というメリットがあります。ただし、返済できなければ担保である不動産を失ってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。

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資金調達のコンサルティング、資金調達のサポート事業を行っています。銀行融資から、担保融資、ビジネスローン、不動産担保ローン、ファクタリングまで、様々な資金調達方法を紹介し、資金繰りの改善をお手伝いしています。実際に私が経営している会社でも、様々な方法で資金調達を実現させました。