資金調達で銀行融資の審査を通すには「日頃の銀行活用」が重要になります。その理由を解説します。
「日頃の銀行活用」とは?
「日頃の銀行活用」というのは
- 法人口座を作る
- メインの取引先口座にする
- 社員の給料振込み口座にする
- 顧客からの入金口座にする
- 取引先への出金口座にする
- 経営者個人の口座を作る
・・・
というものがあります。
銀行の口座を日頃から動かすという表現をしますが、これが銀行融資の審査の際に大きくプラスになるのです。
では、なぜ、口座を日頃から動かすことが銀行融資の審査に有利になるのでしょうか?
1.お金の動きを銀行が把握できるから
融資の際に決算書を見るだけではわからないことも多いのです。
しかし、融資をもらいたい銀行の口座を事業活動のメイン口座として設定しておけば
- どの取引先から入金があるのか?
- どの取引先への出金があるのか?
- いくらぐらいの資金の出し入れがあるのか?
- 給料はいくらぐらい支払われているのか?
・・・
などお金の動きが正確にわかることになります。
これは決算書の情報では得られない情報も含まれているのです。
情報が多ければ、銀行融資の審査の精度も上がるため、取引情報がない会社と比較すれば銀行融資が成功する可能性は高くなるのです。
当然、毎月の大体のCF(キャッシュフロー)がわかれば、銀行の営業マンが融資のオファーをする可能性も高くなります。
銀行の融資担当の営業マンも、融資先の開拓を行っていて「お金を貸せる企業がないかな?」と常にアンテナを張っている状況なのです。当然、自分の銀行を使っている企業が一番情報がキャッチしやすい見込み客となるのです。銀行は自社の法人顧客の取引情報をまとめたレポートを営業マンにアタックリストとして持たせるので、そこに載るためにも、口座を動かすことは重要になるのです。
銀行融資を成功させるためには、銀行側からアプローチしてもらうのが手っ取り早い方法ですから、口座を動かしておくという行為は、銀行融資を有利にする非常に有効な方法なのです。
2.利益に直結する企業は優遇されるのが当たり前
日頃から口座を動かしておけば
- 振込手数料
- 送金手数料
- ATM手数料
- 預金口座のお金を運用することで得られる利息収入
・・・
など、銀行にとっての様々な手数料収入が発生します。
また、従業員の給与振込み口座に設定しておけば、従業員の口座開設やメインバンクとしての利用が見込めるので、上記の手数料収入や預金額の増加が見込めます。
銀行に利益をもたらしてくれている会社の方が、何の関係もない会社よりも融資の審査で有利になることは、ビジネスですから当たり前と言っていいでしょう。
銀行との取引回数、取引額の多い企業ほど、それだけ利益をもたらしてくれている企業であり、銀行融資でも考慮されるのは間違えないのです。
3.万が一のときも素早く状況をキャッチできる
銀行にとってみれば、経営が悪化したら、素早く対応しないと貸し倒れになってしまいます。
「貸しはがし」という手段にでることもありますが、通常は売上が減っている原因のヒアリングや顧客の紹介、資金繰り改善の方法の提案など、前向きなサポートをしてくれます。
銀行は、経営状況の悪化などのアラート情報を素早くキャッチできる企業の方が融資をしていて安心できるのです。
これが全く自分の銀行と取引のない企業への融資だと、手遅れになってしまい貸し倒れ損失が膨らむ可能性が高くなってしまうのです。
まとめ
銀行融資の審査を通るための一番のコツと言うのは
日頃からその銀行をメインバンクとして、法人取引で口座を動かしておくこと
なのです。
銀行にとっては
- お金の流れが正確に把握できること
- 自社の収入・売上にも貢献していること
- 経営悪化などの情報もすぐにキャッチできること
というメリットがあるため、自社との取引が少ない企業と比較して、メインバンクとして使ってくれる企業の方を銀行融資の審査では優遇するのです。
銀行融資を受ける前に、自社の銀行取引を対象の銀行に集めて、日ごろからお金を動かしておくことも銀行融資を成功させるためには非常に重要なことなのです。
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