【注意】2社間ファクタリングの手数料は10%以下でないと資金繰りが悪化する危険性あり!

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「ファクタリング手数料が20%のファクタリングを利用したいのですが・・・」
「ファクタリング手数料はいくらが相場なの?」
・・・

ファクタリングを利用する経営者にとっては「売掛債権を買い取ってくれれば資金繰りに一息つく」と、あまりファクタリング手数料を気にしない方も少なくありません。しかし、ファクタリング手数料が高すぎると、今後の資金繰りに悪影響を及ぼしてしまうので、注意が必要です。その理由を解説します。

ファクタリング手数料は、なぜ資金繰りに重要なのか?

ファクタリング手数料は、なぜ資金繰りに重要なのか?

ファクタリングの利用は繰り返されることが多い!

ファクタリングを利用するのが一回限りであれば

  • ファクタリング手数料が10%でも、
  • ファクタリング手数料が20%でも、
  • ファクタリング手数料が30%でも、
    ・・・

それほど大きな問題はありません。

一回の資金繰りの難局さえ乗り越えられれば、次の月からは正常運転で資金繰りが回るからです。

しかし、多くの会社の場合

ファクタリング手数料20%で売掛債権を売却すると

通常時の損益

決算数値 1カ月目 2カ月目 3カ月目 4カ月目
売上 10,000,000 10,000,000 10,000,000 10,000,000
原価 7,000,000 7,000,000 7,000,000 7,000,000
販管費 2,000,000 2,000,000 2,000,000 2,000,000
利益 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000
経常利益率 10.0% 10.0% 10.0% 10.0%
ファクタリング利用 なし なし なし なし

ファクタリング手数料20%で売掛債権を売却すると

決算数値 1カ月目 2カ月目 3カ月目 4カ月目
売上 10,000,000 8,000,000 8,000,000 8,000,000
原価 7,000,000 7,000,000 7,000,000 7,000,000
販管費 2,000,000 2,000,000 2,000,000 2,000,000
利益 1,000,000 -1,000,000 -1,000,000 -1,000,000
経常利益率 10.0% -12.5% -12.5% -12.5%
ファクタリング利用 ※2カ月目の売掛債権売却 ※赤字になったので翌月の売掛債権も売却 ※赤字になったので翌月の売掛債権も売却 ※赤字になったので翌月の売掛債権も売却
ファクタリングによって売掛債権を20%で売却したことにより、次月の売上が減少してしまうため、ファクタリングの負のサイクルから抜け出せなくなってしまってしますのです。

これがファクタリング手数料10%の売掛債権の売却であれば

決算数値 1カ月目 2カ月目 3カ月目 4カ月目
売上 10,000,000 9,000,000 10,000,000 10,000,000
原価 7,000,000 7,000,000 7,000,000 7,000,000
販管費 2,000,000 2,000,000 2,000,000 2,000,000
利益 1,000,000 0 1,000,000 1,000,000
経常利益率 10.0% 0.0% 10.0% 10.0%
ファクタリング利用 ※2カ月目の売掛債権売却 なし なし なし
ファクタリングを利用しても、翌月の経常利益が赤字にならないので、ファクタリングに依存せずに資金繰りが回ることになります。すぐに正常化できるのです。

「原価」や「販管費」「売上高の何%の売上債権を売却するのか?」にもよりますが・・・

通常月の経常利益率 < ファクタリング手数料

→ 次月の資金繰りにも悪影響(赤字) → 継続してファクタリングを利用せざるを得ない

通常月の経常利益率 > ファクタリング手数料

→ 次月の資金繰りに大きな悪影響はない → ファクタリングを利用する資金調達は一回で終わり、すぐに正常化できる

ということになるのです。

では、中小企業の経常利益率はというと・・・

中小企業の売上高経常利益率

中小企業の売上高経常利益率
中小企業の売上高経常利益率の平均値
  • 全産業:3.48%
  • 製造業:3.78%
  • 非製造業:3.14%
中小企業の売上高経常利益率10%以上の企業の割合
  • 全産業:8.4%
  • 製造業:10.5%
  • 非製造業:5.5%
中小企業の売上高経常利益率5%以上の企業の割合
  • 全産業:29.6%
  • 製造業:33.9%
  • 非製造業:24.0%

となっているのです。

  • 中小企業の経常利益率が平均で3.48%
  • 経常利益率10%を上回る中小企業は8.8%
  • 経常利益率5%を上回る中小企業は29.6%

この状態でファクタリング手数料20%のファクタリングを利用するということは、高い確率で次月の資金繰りも悪化し、またファクタリングに頼らなければならない状態に追い込まれる

ということを意味しています。

中小企業の場合は、節税対策で無理やり赤字にする企業もあるので、これがすべてとは言えませんが

少なくとも、ファクタリング手数料10%以下のファクタリングを利用しないと、翌月の資金繰りにも悪影響が出る可能性が高い。資金繰りが正常化せずに倒産してしまうリスクが出てくる

のです。

2社間ファクタリングを利用する場合には、ファクタリング手数料10%以下のファクタリングを利用するべき

というのがこのデータからも、正しいと言えます。

では、ファクタリング手数料10%以下のファクタリングを利用する方法には、どのようなものがあるのでしょうか?

ファクタリング手数料10%以下のファクタリング会社を利用する方法

ファクタリング手数料10%以下のファクタリング会社を利用する方法

その1.ファクタリング手数料の上限が10%程度のファクタリング会社を利用する

ファクタリング会社の多くは

  • ファクタリング手数料:2%~

というように「下限値」のしかウェブサイト上では公開していません。

このような表記をする場合は、2%のファクタリング手数料が約束されているわけではなく、10%にも、20%にも、30%にも、なる上限なしの表記と同じ意味になります。

一部の良心的なファクタリング会社では

  • ファクタリング手数料:2%~10%

というように「上限値」を設定しているファクタリング会社があります。

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ファクタリング手数料の上限が10%程度であれば、ファクタリング手数料がそれ以上高くなることはありません。

よって、ファクタリング手数料10%以下のファクタリング会社を利用することができるのです。

ファクタリング手数料の上限が10%程度のファクタリング会社

MEDS JAPAN/ファクタリング

MEDS JAPAN/ファクタリング

金融機関名株式会社MEDS JAPAN
本社所在地東京都
2社間ファクタリング
2社間ファクタリング手数料下限1.0%
2社間ファクタリング手数料上限10.0%
3社間ファクタリング
3社間ファクタリング手数料下限1.0%
3社間ファクタリング手数料上限10.0%
ファクタリング事務手数料無料
資金化までのスピード最短翌日
最低取扱額100万円
最高取扱額5,000万円
面談審査あり
審査可能な状況税金滞納あり
赤字決算
担保なし
保証人なし
設立間もない
銀行に融資を断られている
買取ファクタリング(2社間)
買取ファクタリング(3社間)
医療報酬債権ファクタリング
保証ファクタリング-
国際ファクタリング-
財務会計支援機構/ファクタリング

財務会計支援機構/ファクタリング

金融機関名一般社団法人:財務会計支援機構
本社所在地東京都
2社間ファクタリング
2社間ファクタリング手数料下限7.0%
2社間ファクタリング手数料上限11.0%
3社間ファクタリング-
3社間ファクタリング手数料下限-
3社間ファクタリング手数料上限-
ファクタリング事務手数料-
資金化までのスピード3~4日
最低取扱額100万円
最高取扱額10,000万円
面談審査あり
審査可能な状況税金滞納あり
赤字決算
担保なし
保証人なし
設立間もない
銀行に融資を断られている
買取ファクタリング(2社間)
買取ファクタリング(3社間)-
医療報酬債権ファクタリング-
保証ファクタリング-
国際ファクタリング-
AGビジネスサポート/ファクタリング

AGビジネスサポート/ファクタリング

金融機関名アイフルビジネスファイナンス株式会社
本社所在地東京都
2社間ファクタリング
2社間ファクタリング手数料下限-
2社間ファクタリング手数料上限2.0%
3社間ファクタリング-
3社間ファクタリング手数料下限-
3社間ファクタリング手数料上限-
ファクタリング事務手数料事務手数料月率0.8%は上記ファクタリング手数料に含む
別途収納代行会社への手数料が発生
資金化までのスピード-
最低取扱額-
最高取扱額10,000万円
面談審査あり
審査可能な状況税金滞納あり
赤字決算
担保なし
保証人なし
設立間もない
銀行に融資を断られている
買取ファクタリング(2社間)
買取ファクタリング(3社間)-
医療報酬債権ファクタリング-
保証ファクタリング-
国際ファクタリング-

その2.複数のファクタリング会社から相見積もりを取る

あなたの会社で売却したい売掛債権のファクタリング手数料というのは、ファクタリング会社に「見積もり依頼」「査定依頼」をすることでわかります。

逆に言えば、調査・審査をしてみないことには、ファクタリング会社も、貸し倒れリスクが読めずに、ファクタリング手数料を設定できないのです。

売掛債権の売掛先の信用力が高い → ファクタリング手数料を安く設定できる
売掛債権の売掛先の信用力が低い → ファクタリング手数料を高く設定しなければならない

という関係性があるのです。

ファクタリング会社に「見積もり依頼」「査定依頼」してみなければ、ファクタリング手数料がわからないのですから・・・

ファクタリング手数料10%以下のファクタリング会社を探すためには

複数のファクタリング会社に相見積もりを取る

というのが一番の近道になります。

複数のファクタリング会社に相見積もりを取れば

  • 自分が売却したい売掛債権のファクタリング手数料がどのくらいのが妥当なのか?

もわかるので、ファクタリングを依頼すべきかどうかのジャッジもしやすくなります。

前述したようなファクタリング手数料の上限値を明記しているファクタリング会社は、数社しかなく、残りの数十社はファクタリング手数料の上限値を設定していない状況にあります。

ファクタリング手数料の上限値を設定していない = ファクタリング手数料が高い

ということではありません。

複数社に相見積もりを取ることによって、上限値が設定されているファクタリング会社よりも、安いファクタリング手数料で売却できる可能性もあるのです。

その3.3社間ファクタリングを利用する

ファクタリングには

  • 売掛先(クライアント)の承諾が必要な3社間ファクタリング
  • 売掛先(クライアント)の承諾が必要ない2社間ファクタリング

がありますが、売掛先(クライアント)の承諾があると、ファクタリング会社の貸し倒れリスクは一気に下がるので、ファクタリング手数料を安く設定することができるのです。

ファクタリング手数料の相場では

2社間ファクタリング:5%~40%(相場:20%)
3社間ファクタリング:1%~5%(相場:2~3%)

ですから、売掛先(クライアント)の承諾が必要な3社間ファクタリングを選ぶことで、ファクタリング手数料は安く抑えられるのです。

多くの中小企業の経営者が「今後の取引が停止されてしまうのではないか?」という疑念から、売掛先(クライアント)の承諾に難色を示し、3社間ファクタリングではなく、2社間ファクタリングを選択するのですが・・・

背に腹は代えられないので、あえて3社間ファクタリングを選ぶ

というのも、賢い方法だと思われます。3社間ファクタリングのファクタリング会社の中には、売掛先(クライアント)へ同行してくれて、資金繰りの問題があるわけではなく、欧米では一般的なアウトソーシングであることを説明してくれるのです。

きちんと話すことができれば、取引の継続に大きな悪影響はないと言えます。

3社間ファクタリングの専門ファクタリング会社

ワダツミ/ファクタリング

ワダツミ/ファクタリング

金融機関名ワダツミ株式会社
本社所在地東京都
2社間ファクタリング-
2社間ファクタリング手数料下限0.01
2社間ファクタリング手数料上限0.08
3社間ファクタリング
3社間ファクタリング手数料下限0.01
3社間ファクタリング手数料上限0.08
ファクタリング事務手数料1社につき、5,500円(税込)の審査料
資金化までのスピード最短3日
最低取扱額5万円
最高取扱額100,000万円
面談審査あり
審査可能な状況税金滞納あり
赤字決算
担保なし
保証人なし
設立間もない
銀行に融資を断られている
買取ファクタリング(2社間)-
買取ファクタリング(3社間)
医療報酬債権ファクタリング-
保証ファクタリング-
国際ファクタリング-

その4.売掛債権担保ローンを利用する

同じ売掛債権を利用した資金調達方法にも

  • 売掛債権譲渡(ファクタリング)
  • 売掛債権担保ローン(売掛債権担保融資)

という大きく分けて2種類があります。

売掛債権担保ローン(売掛債権担保融資)のファクタリングとの違いは

あくまでも融資なので、利息制限法の年率15.0%以上にはならない。※融資額が100万円以上の場合

ことが挙げられます。

借りて、1カ月で返済できるのであれば、利息は月率1.25%以下なのです。

  • 決算書に借り入れと載ってしまう
  • 返済しなければならない

というデメリットもありますが

資金繰りを正常化することを前提とすれば、手数料20%のファクタリングよりも、月率1.25%以下の売掛債権担保ローン(売掛債権担保融資)を選ぶ方が賢い選択ということもありうるのです。

売掛債権担保ローン(売掛債権担保融資)会社

エスワイシー「ビジネスローン」

エスワイシー「ビジネスローン」

ビジネスローン名エスワイシー「ビジネスローン」
金融機関名株式会社エスワイシー
本社所在地(都道府県)東京都
タイプ【ノンバンク】事業融資型ビジネスローン
下限金利7.50%
上限金利15.00%
最大限度額10,000万円
事務手数料0円
個人事業主の利用-
法人経営者の利用○年商5,000万円以上の法人
融資スピード最短2営業日
担保売掛債権担保
保証人第三者の保証人不要

まとめ

ファクタリング手数料は高すぎると資金繰りに影響します。

ファクタリングの利用が1回であれば問題ないのですが

  • 通常月の経常利益率 > ファクタリング手数料

というファクタリング会社を選ぶべきなのです。

少なくとも、2社間ファクタリングのファクタリング手数料は10%以下を目標にすると良いでしょう。

ファクタリング手数料10%以下のファクタリング会社を利用する方法

  1. その1.ファクタリング手数料の上限が10%程度のファクタリング会社を利用する
  2. その2.複数のファクタリング会社から相見積もりを取る
  3. その3.3社間ファクタリングを利用する
  4. その4.売掛債権担保ローンを利用する

というものがあります。

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ファクタリング手数料が高すぎて、翌月もファクタリングの利用が必要になると、資金繰りの悪化からなかなか抜け出せない状況になってしまいます。それを避けるためには、はじめの段階でファクタリング手数料が10%以下のファクタリング会社を選ぶべきなのです。

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資金調達のコンサルティング、資金調達のサポート事業を行っています。銀行融資から、担保融資、ビジネスローン、不動産担保ローン、ファクタリングまで、様々な資金調達方法を紹介し、資金繰りの改善をお手伝いしています。実際に私が経営している会社でも、様々な方法で資金調達を実現させました。