バトンズの利用料金でわかること
- 売り手の着手金・月額料金・中間金・成約手数料はすべて無料。費用がかかるのは有料オプションのサポートを使った場合だけです。
- 有料オプションは2種類。サポートサービスは成約価格500万円未満で50万円(税込55万円)から、プレミアムサポートサービスは1,000万円未満で200万円(税込220万円)からです。
- 会社譲渡(株式譲渡)の場合はプレミアムサポートサービスの利用が必須とされています。株式を譲る形なら、実質的にこちらの表が適用されます。
- 買い手は成約時システム利用料金として成約価格の2%(税込2.2%)。最低利用料金は成約価格1,000万円未満で35万円(税込38.5万円)です。
- 料金体系は版で管理されており、現在のVer.010は2026年7月1日以降に実名開示依頼をした交渉が対象です。いつ実名開示を依頼したかで適用される表が変わります。
譲りたい事業の規模が数百万円から数千万円のとき、仲介会社の成功報酬は譲渡価格そのものを超えてしまうことがあります。この規模帯で現実的な選択肢になるのが、マッチングプラットフォームです。バトンズはその代表格で、売り手の基本料金を無料に置いています。ここでは、無料の範囲がどこまでで、どの条件で費用が発生するのかを確認します。会社を譲る方法そのものの整理はM&Aによる会社売却・事業譲渡という選択肢をご覧ください。
売り手の基本料金は、4つとも無料
売り手の利用料金として、着手金・月額料金・中間金・成約手数料の4つがすべて無料と掲示されています。仲介会社の料金体系で費用が発生する地点が、ここではいずれも0円です。

ただし、無料なのはプラットフォームを使って自分で相手を探し、自分で交渉を進める場合です。進め方の助言や契約書の草案作成を頼むと、成約報酬制の有料オプションになります。仲介会社との違いは、サポートを受けるかどうかを自分で選べる点にあります。
有料オプションは2段階に分かれている
サポートサービスとプレミアムサポートサービスという2つが用意され、含まれる役務と金額が違います。
| 成約価格 | サポートサービス | プレミアムサポートサービス |
|---|---|---|
| 500万円未満 | 50万円(税込55万円) | 200万円(税込220万円)※1,000万円未満 |
| 500万円以上 | 100万円(税込110万円) | |
| 1,000万円以上 | 200万円(税込220万円) | 350万円(税込385万円) |
| 5,000万円以上 | (4,000万円以上は成約価格の5%/税込5.5%) | 500万円(税込550万円) |
| 7,500万円以上 | 750万円(税込825万円) | |
| 1億円以上 | 同上 | 1,000万円(税込1,100万円) |
| 1.5億円以上 | 1,250万円(税込1,375万円) | |
| 2億円以上 | 1,500万円(税込1,650万円) | |
| 3億円以上 | 同上 | 成約価格の5%(税込5.5%) |
出典:バトンズ「バトンズの利用料金」(2026年10月13日に掲示を確認)。表は同社の2つの料金表を当サイトが1つに並べ直したものです。
含まれる役務は、サポートサービスがM&Aの進め方や条件交渉についてのアドバイスと譲渡契約の草案作成の2つ。プレミアムサポートサービスはこれに加えて、条件に合う買い手候補者の検索・選定と、買い手候補者との面談設定・同席が付きます。相手探しまで任せるかどうかが、2つを分ける線です。
株式譲渡ならプレミアムサポートが必須という条件
料金表の下に、重要な注記が置かれています。
サービスの選択についての注記(引用)
※会社譲渡(株式譲渡)の場合はプレミアムサポートサービスのご利用を必須としています。
出典:バトンズ「バトンズの利用料金」の売り手の利用料金(2026年10月13日に表示を確認)。
これは費用の見積りを大きく変える条件です。会社そのものを譲る形を選ぶなら、無料では進められず、成約価格1,000万円未満でも200万円(税込220万円)がかかります。無料で進められるのは、事業譲渡など株式譲渡以外のスキームということになります。
スキームの違いで、売り手の負担がどう変わるか
事業譲渡で自分で進める
0円
着手金・月額・中間金・成約手数料のいずれも無料です。
事業譲渡+サポート
50万円から
成約価格500万円未満の場合(税込55万円)。
株式譲渡(プレミアム必須)
200万円から
成約価格1,000万円未満の場合(税込220万円)。
同社の料金表と注記から当サイトが整理しました(2026年10月13日時点の掲示に基づく)。実際の適用は交渉ごとの条件によります。
株式譲渡と事業譲渡では、債務や契約の引き継ぎ方、税務の扱いが変わります。費用だけでスキームを選ぶのは本末転倒ですが、プラットフォームを使う場合は、スキームの選択がそのまま費用の有無に直結するという点は押さえておく必要があります。事業譲渡で資金をつくる場合の実務は営業権譲渡で資金調達する方法で扱っています。
買い手は成約価格の2%。最低利用料金が3段階
買い手には成約時システム利用料金がかかります。
| 成約価格 | 料率 | 最低利用料金 |
|---|---|---|
| 1,000万円未満 | 成約価格の2%(税込2.2%) | 35万円(税込38.5万円) |
| 1,000万円以上 | 70万円(税込77万円) | |
| 5,000万円以上 | 150万円(税込165万円) |
出典:バトンズ「バトンズの利用料金」の買い手の利用料金(2026年10月13日に掲示を確認)。成約時システム利用料金の算出には税抜成約価格を使用すると注記されています。
料率2%が最低利用料金を上回るのは、成約価格1,750万円以上のときです。それ未満の規模では、実際の負担は最低利用料金のほうで決まります。たとえば成約価格500万円なら2%は10万円ですが、最低35万円が適用される計算になります。
買い手には月額のプレミアムプランもあります。プレミアム会員が月9,800円(税込10,780円)、法人のみのプレミアムプラス会員が月29,800円(税込32,780円)で、こちらは別途入会金10万円(税込11万円)がかかります。いずれも成約時システム利用料金の20%割引が付きますが、割引の適用には加入日・解約日と実名開示依頼日・成約日の関係や、最終契約の当事者と登録名義の一致が条件になると注記されています。
料金体系に版番号が付いている
見落とされやすいのが、ページ冒頭の注記です。
適用される料金表は、交渉を始めた時期で決まる
「本料金体系Ver.010の適用:2026年7月1日以降に実名開示依頼をした交渉が対象です」と明記されており、過去の料金体系へのリンクも用意されています。つまり、いま表示されている金額が自分の交渉に適用されるとは限りません。基準になるのは実名開示依頼をした日です。
仲介会社の料金ページには、このような適用時期の区切りが書かれていないことがほとんどです。プラットフォームは利用規約に近い形で料金を管理しているため、版の違いという概念が出てきます。すでに交渉を始めている場合は、自分の交渉に適用される版を確認してください。
成約報告の手続きに期限があり、不備には違約金がある
料金に関する手続きとして、成約報告の方法と期限が定められています。
成約報告の流れと期限
1. 最終契約の締結
売り手と買い手の間で書面により締結
2. バトンズへの成約報告
最終契約成立日から3営業日以内システムの交渉一覧から報告または電話・メール
3. 最終契約書の写し等の提出
成立日から3営業日以内アドバイザリー契約書の写しも提出
4. 事業引継ぎの履行状況の報告
引継ぎが実行される日から3営業日以内
出典:バトンズ「バトンズの利用料金」の料金に関する手続き(2026年10月13日に掲示を確認)。段階的に実行される場合は最初の実行日が起算点になると注記されています。
同ページには「成約報告の手続きに不備がありますと、違約金が発生するためご注意ください」と書かれています。無料で使える場面が多いサービスですが、報告義務の不履行には別の金銭的な負担が設定されているということです。違約金の金額は、このページでは示されていません。
期限が3営業日と短い点も押さえておきたいところです。最終契約を締結した直後は、引き継ぎの段取りや従業員への説明で手が回らなくなりがちな時期です。提出するものが成約報告、最終契約書の写し、アドバイザリー契約書の写しと複数あるため、締結の前に準備しておくほうが安全です。仲介会社に依頼する場合は、こうした報告義務そのものが発生しません。
決済と調査のサービスが別に用意されている
プラットフォーム型で気になるのは、お金のやり取りと相手の確認をどうするかです。バトンズはこの2点に対応するサービスを用意しています。
取引の実行を支えるサービス
バトンズ安心決済(無料)
売り手への譲渡対価とバトンズ利用料の支払いを一括で実行できる無料サポート。バトンズが買い手から一時的に譲渡対価を預かり、売り手と買い手の双方から譲渡実行完了の報告を受けてから売り手に支払う仕組みです。
バトンズDD(企業調査)39.8万円(税込43.78万円)
一定額が補償される中小M&A保険「M&A BATONZ」が自動付帯するデューディリジェンスサービスとして案内されています。
バイヤープロフィールパッケージ 50万円(税込55万円)
インタビューと写真撮影を行い、買い手の事業内容や強み、買いニーズをまとめた資料とWebページを作成するサービスです。
M&A買収成功講座 10万円(税込11万円)
ファイナンスやPMIを含む実践的な知識を動画で提供し、業種別のチェックポイントやシナジーマップをまとめた資料も付くとされています。
出典:バトンズ「バトンズの利用料金」の買い手の利用料金およびバトンズの請求フロー(2026年10月13日に掲示を確認)。
デューディリジェンスを39.8万円で提供している点は、仲介会社の料金体系には出てこない項目です。仲介の場合、買収監査は依頼者が別途専門家に依頼するのが通常で、その費用は仲介手数料に含まれません。日本M&Aセンターも、公認会計士・税理士・弁護士費用等の実費は仲介手数料に含まれないと明記しています。
当事者は売り手と買い手だけではない
成約報告の手順を読むと、報告の主語が「売り手アドバイザー(売り手アドバイザーが存在しない場合には売り手)」という形で書かれています。つまり、売り手と買い手のあいだにアドバイザーが入る取引が標準として想定されているということです。
同社はM&A専門家の登録を募集しており、登録社数は1,800社以上と掲示しています。専門家ができることとして、専門家自身が交渉・条件調整・最終契約をサポートする形、顧問先の案件をバトンズに紹介して成約までを任せる形、企業評価・不動産鑑定・デューディリジェンス・契約概要書作成・資金調達・登記・PMIといったスポット支援を受託する形の3つが挙げられています。
出典:バトンズ「M&A専門家の方へ」(2026年10月13日に掲示を確認)。登録社数は同ページの表示によります。
この構造は、プラットフォームの料金表だけを見ていると見えません。会計事務所や金融機関のM&A担当者が自分の顧問先を連れてくる経路があり、その場合の報酬は顧問先とアドバイザーのあいだの契約で決まります。バトンズに払う利用料金とは別の負担が生じうるということです。
誰に、いくら払うことになるのかを分けて数える
プラットフォームの利用料金、有料オプションのサポート料金、アドバイザーに払う報酬、デューディリジェンスなどの実費。この4つは発生先が異なります。無料という表示は、プラットフォームに払う基本料金についてのものです。
成約時に表明保証保険が自動付帯する
同社は、BATONZを介して成約に至ったM&A案件について、成約前に所定の手続きを行った場合に表明保証保険「M&A BATONZ」がもれなく付帯すると案内しています。デューディリジェンスサービスであるバトンズDDにも、一定額が補償される中小M&A保険として自動付帯すると書かれています。
表明保証保険は、譲渡後に売り手の表明保証違反が見つかったときの損害をてん補する保険です。小規模なM&Aでは、売り手に資力が残っていないことも多く、契約書に補償条項を書いても実効性が乏しい場合があります。保険が自動で付く仕組みは、この規模帯での取引を成立させるための設計だと読めます。
ただし、補償される金額や免責の範囲はこのページには書かれておらず、詳細は別のPDFで案内されています。所定の手続きを成約前に行う必要があるとされているため、手続きの時期を逃すと付帯しない可能性がある点には注意が必要です。仲介会社6社の料金ページには、保険に関する記載は見当たりませんでした。
規模帯ごとに、仲介とプラットフォームのどちらが現実的か
成約価格ごとに、売り手の負担を並べます。
| 成約価格・譲渡価格 | バトンズ(株式譲渡・プレミアム) | 仲介会社の最低水準 | 差 |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 200万円(税込220万円) | 2,000万円〜 | 仲介は譲渡価格を上回ります |
| 3,000万円 | 350万円(税込385万円) | 2,000万円〜 | 約5.7倍 |
| 1億円 | 1,000万円(税込1,100万円) | 2,000万円〜 | 約2倍 |
| 3億円 | 成約価格の5%=1,500万円(税込1,650万円) | 2,000万円〜 | 差が縮まります |
| 5億円 | 成約価格の5%=2,500万円(税込2,750万円) | 2,000万〜2,500万円 | 逆転しうる水準です |
バトンズの料金表と、ストライク(4億円以下の部分2,000万円)・日本M&Aセンター(最低2,000万円)・M&A総合研究所(最低2,500万円)・fundbook(5億円以下の部分2,500万円)の公表テーブルから当サイトが算出した参考値です(2026年10月13日時点の掲示に基づく)。基準となる金額の定義が会社ごとに違うため、同じ案件での厳密な比較ではありません。
差がもっとも大きいのは数千万円の規模帯で、3億円を超えるあたりから縮まります。これは、バトンズのプレミアムサポートが3億円以上で成約価格の5%という定率に切り替わり、仲介会社のレーマン方式の最下段と同じ水準に並ぶためです。規模が大きくなるほど、料金以外の要素で選ぶことになります。
もうひとつ、表に出にくい差があります。仲介会社の最低水準は、たいてい「その金額を下回る案件は扱わない」という線でもあります。成約価格500万円の事業譲渡を仲介会社に持ち込んでも、受けてもらえるとは限りません。プラットフォームの利点は金額の安さだけでなく、その規模の案件が成立する場が用意されていること自体にあります。
逆に、プラットフォームでは相手探しを自分で進める部分が残ります。買い手候補の検索・選定と面談の同席を頼むならプレミアムサポートサービスが必要で、株式譲渡なら必須です。「無料だから安い」ではなく、「どこまで自分でやるかで費用が決まる」という設計だと理解しておくと、見積りの読み違いが起きません。
運営会社と、グループの位置づけ
| 項目 | 掲示内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社バトンズ(英文名:Batonz. Co.,Ltd.) |
| 設立 | 2018年4月 |
| 上場市場 | 東京証券取引所グロース市場 証券コード554A |
| 代表者 | 神瀬悠一(代表取締役社長CEO) |
| 東京本社 | 東京都港区港南1-8-23 Shinagawa HEART 10階 |
| 事業内容 | M&A総合プラットフォーム「BATONZ」の企画・開発・運用/人材紹介サービス「LANNERZ」の企画・開発・運営 |
| 資格等 | 職業紹介許可番号 13-ユ-318789 |
出典:バトンズ「会社情報」(2026年10月13日に掲示を確認)。
設立時の社名はアンドビズ株式会社で、現在の株式会社バトンズに変わっています。日本M&Aセンターのグループ企業一覧にも「株式会社バトンズ(BATONZ)」として掲載されており、自社が東証グロースに上場しながらグループにも属している形です。仲介会社とプラットフォームが同じグループ内に併存している構図は、どちらを選んでも最終的な提供元が近いことを意味します。
サービスの規模については、同社は「ユーザー数・案件数・成約件数No.1の国内最大級M&A・事業承継支援サービス」としています。出典はデロイト トーマツ ミック経済研究所が2025年11月に発刊した市場調査で、対象は2021〜2025年度(見込値を含む)のM&Aプラットフォーム市場だと注記されています。
公開ページからは確認できなかったこと
掲示が見当たらなかった項目
違約金の金額
成約報告の不備で違約金が発生すると書かれていますが、金額や算定方法は料金ページには示されていません。
成約価格の定義
税抜成約価格を使用するという注記はありますが、負債の引き受けや役員退職金を含むのかどうかの定義が見当たりませんでした。
サポートの担当者
プレミアムサポートサービスで買い手候補の検索・選定や面談同席を行うのが、同社の社員なのか登録アドバイザーなのかの記載が見当たりませんでした。
不成立の場合の扱い
成約報酬制であるため成約しなければ費用は発生しない読み方になりますが、途中で有料オプションを解約した場合の扱いは書かれていません。
向いている場合と、仲介を検討したほうがよい場合
公表されている条件から読める向き・不向き
向いている
成約価格が数百万円から数千万円の譲渡。仲介会社の最低水準とは桁が違います。
向いている
相手の当てがすでにある場合。事業譲渡なら売り手は無料のまま進められます。
向いている
買い手として小規模な案件を数多く見たい場合。成約時まで費用がかからず、月額プランは任意です。
仲介を検討
株式譲渡で、相手探しから条件交渉まで任せたい場合。プレミアムサポートが必須となり、規模が大きいほど仲介との差は縮まります。
仲介を検討
許認可の引き継ぎや複雑な債務の整理が必要な案件。アドバイスと契約書の草案作成だけでは足りない領域があります。
よくある質問
本当に売り手は無料で使えますか
着手金・月額料金・中間金・成約手数料は無料と掲示されています。ただし会社譲渡(株式譲渡)の場合はプレミアムサポートサービスの利用が必須とされており、この場合は成約報酬制の費用が発生します。
買い手の費用は成約するまでかかりませんか
成約時システム利用料金は成約時に発生します。月額のプレミアムプランは任意で、加入すれば毎月の費用がかかります。プレミアムプラス会員には別途入会金10万円(税込11万円)が設定されています。
いま表示されている料金が自分にも適用されますか
現在の料金体系Ver.010は、2026年7月1日以降に実名開示依頼をした交渉が対象だと明記されています。それ以前から進めている交渉には過去の料金体系が適用されるため、該当する版を確認してください。
仲介会社とどちらを選ぶべきですか
規模で分かれます。成約価格が数千万円までならプラットフォームのほうが費用の桁が小さく、3億円を超えるあたりから差は縮まります。料金以外では、相手探しの範囲、交渉の代行の有無、デューディリジェンスの扱いが判断材料になります。
掲載にあたって
この記事の金額・条件は、バトンズおよび比較に用いた各社の公式ページで2026年10月13日に表示を確認したものです。バトンズの料金体系は版で管理されており、適用の基準は実名開示依頼の日付です。利用の前には最新の料金ページと利用規約を確かめてください。スキームの選択、税務・法務の判断は、税理士・公認会計士・弁護士など適切な専門家へご相談ください。当サイトは特定のサービスの利用を勧めるものではありません。

