銀行融資の審査ではどのような点をチェックして審査が行われるのでしょうか?今回は銀行融資審査のチェックポイント「事業実態」とその攻略法について解説します。
事業の実態って何?
融資を申込んできた企業が「どのような営業活動、事業活動をしているのか?」を実際に訪問して確認することが銀行融資の審査の第一歩となります。
なぜ、そんなことをチェックするのか?というと・・・
- 登記だけして実際には店舗を持たない企業
- 闇金や違法な営業をしている企業
- 倒産寸前で営業活動をほぼ停止している企業
に融資をするわけにはいかないからです。
表向きはコールセンターとして融資を依頼してきた企業が、実際はオレオレ詐欺の電話をしている詐欺グループの企業だったら、どうなるでしょうか?
「実際にオフィス、店舗、工場、倉庫などの現場に訪問して、事業の実態を確認すること」が銀行融資の審査のチェックポイントの第一関門と言っていいでしょう。
現場は雄弁にものを語る
決算書を見れば銀行は融資の審査の可否をしてくれるのか?というとそうではないのです。
現場に行けば
- 在庫が山積みなっている → 不良在庫があるのでは?
- 整理整頓ができていない → 管理体制に問題があるのでは?
- 社員がずっとしゃべっている → 社員教育や人事体制に問題があるのでは?
などの決算書に載らない問題点が見えてくるのです。
- 顧客からの受注電話が鳴りやまない → 売上が伸びそう
- 社員の活気がある → 成長が見込める
- 店頭の店員の対応が素晴らしい → 顧客のリピートが見込める
というプラスの情報も現場のチェックで見えてくるものなのです。
- オフィスであればサービスのメリットや実績をアピールするボードが飾ってある
- 店舗であれば商品の品揃えや商品のメリットをアピールする看板やポップが飾ってる
・・・
など、企業の強みや弱みを知ることもできるのです。
決算書などの書類ではわからないデータを現場でチェックすることが、銀行の融資担当者が融資審査の際にまずしなければならないこととして教育を受けているのです。
現場のチェックをしないケースもある
- 金利が高いビジネスローン
- インターネット中心で事業を行っている企業
など現場のチェックをしないケースも、徐々に増えてきているようです。
ビジネスローンなどはある程度の貸し倒れの発生をそもそも見込んでいる商品になるため、現場を訪問するコストを使うよりも、決算書のスコアリングシステムによる自動審査で高い金利で融資した方が良いという銀行側の経営判断もあるからです。
また、インターネットで事業のすべてを完結している企業も増えてきているため、この場合は訪問しても意味がないのです。
銀行融資「事業実態」の審査の攻略法
整理整頓をしておく
第一印象は非常に重要なものになります。同じ経営状況であれば、整理整頓ができている企業とそうでない企業の場合、整理整頓ができている企業の方が経営の管理もきちんとしていると判断されやすいのです。
エース社員に対応させる
中小企業であれば社長自らが対応することが多いと思いますが、営業マンの話を聞きたいと言われたときに、ダメな営業マンを出してしまっては、それがこの会社の営業マンの基準だと思われてしまいます。銀行員が来るタイミングではできるだけ優秀な社員を同席させるか?社長単独で対応することが必要です。
丁寧に全体を説明する
現場の状態を丁寧に説明しておくべきです。現場のチェックはマイナスに働く可能性もありますが、プラスに働く可能性も高いのです。事業の内容を銀行の融資担当者に理解してもらうためには、現場の丁寧な説明が不可欠なのです。どこで何をしているのか?どのような役割を持っているのか?意図も含めて細かく解説しましょう。
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