種類株式の発行による柔軟な資金調達が可能

株式会社では株式を発行して資本金として資金調達をする方法がありますが、その株式が自由に設計できる種類株式というものがあります。今回はこの種類株式について解説します。

種類株式とは

2006年5月に施工された会社法によって株式譲渡制限会社は種類株式の発行ができるようになりました。

株式譲渡制限会社とは

株式譲渡のをするために会社の承認(取締役会での承認、株主総会での承認)が必要な会社のこと

種類株式とは

剰余金の配当やその他の権利が通常の普通株式とは違う条件で発行できる株式のこと

種類株式の種類

1.配当優先株式(劣後株式)

利益もしくは利息の配当を他の種類の株式よりも優先的に受け取ることができる株式のこと

利用ケース

大企業や都市銀行が発行し、公的資金の注入など事業再生に伴い利用されることが多い株式です。事業再生が成功した場合には普通株式に転換されます。

2.残余財産分配優先株式

残余財産の分配を他の種類の株式よりも優先的に受け取ることができる株式のこと

3.議決権制限種類株式

全部または一部の事項に議決権がない株式のこと

利用ケース

ベンチャー企業などが発行する株式が多く、経営権が欲しいわけではなくて、上場したときのリターンを目的とする投資家に対して発行される株式です。ベンチャー企業の経営者にとっても、投資家が経営権を持たないので発行しやすいメリットがあります。

経営権がない分、配当を優先させる「配当優先株式+議決権制限株式」というセットになるケースが多いです。

4.譲渡制限種類株式

譲渡をするのに会社の承認が必要な株式のこと

利用ケース

中小企業の場合、株主が勝手に株を譲渡してしまうと、会社にとって好ましくない株主が経営権を持ってしまうことになります。これを防ぐために株の譲渡に会社の承認を得る制限を設けているのです。

5.取得請求権付株式

株主が会社に対して取得を請求できる株式のこと

利用ケース

配当を優先させる「配当優先株式+議決権制限株式」で株を取得したが、経営がうまくいかずに配当が出せない場合に、株主側が会社に対して議決権のある普通株式への転換を請求できる仕組みです。「配当が出せないだったら、経営に口出すよ。」ということになります。

6.取得条項付株式

会社が一定の条件のもと株式を取得できる株式のこと

利用ケース

上記と同様に配当を優先させる「配当優先株式+議決権制限株式」で株を発行したが、経営がうまくいかずに配当が出せない場合に、会社側の判断で普通株式への転換ができる仕組みです。

7.全部取得条項付株式

会社が一定の条件のもと株式のすべてを取得できる株式のこと

利用ケース

会社再生などのケースで、既存株主の株式をすべて会社側が強制的に取得して、新しい株主に再建を託すケースなどが考えられます。この場合には減資によって無償償却するケースもあります。ただし、これでは既存株主が損失を被る可能性があるので、、取得対価に不服のある株主に対して裁判所に対する価格決定請求権が与えられています。

8.拒否権付種類株式(黄金株)

総会、役会の決議に拒否できる株式のこと

利用ケース

経営者が1株でも取得していれば、敵対的買収などを拒否することができます。

9.選解任種類株式

取締役や監査役を選任・解任できる株式のこと

まとめ

種類株式の登場によって、株式発行の自由度がかなり広がりました。

結果として、中小企業の資金調達方法にも、株式の発行による資金調達ということが以前よりは普及してきているのです。

投資家や中小企業の状況に応じた株式設計が可能です。


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