銀行融資の企業格付け「信用格付」

銀行融資では融資対象の企業を格付けし、融資審査や債権の管理に利用しています。今回は銀行融資の企業格付け「信用格付」について解説します。

銀行融資の企業格付け「信用格付」とは?

「債務者区分」は6段階に分類されていました。

  1. 正常先
  2. 要注意先
  3. 要注意先(要管理先)
  4. 破綻懸念先
  5. 実質破綻先
  6. 破綻先

です。

この中の正常先について、信用力を分類したものが「信用格付」です。

信用格付 債務者区分
1格 正常先
2格 正常先
3格 正常先
4格 正常先
5格 正常先
6格 正常先
7格 要注意先
8格 要注意先
9格 要注意先(要管理先)
10格 破綻懸念先
11格 実質破綻先
12格 破綻先

というような形になります。格付けの名称や、何段階に分類するのか?は銀行によって多少の違いがあります。概ね上記のような分類方法となります。

1格の方が信用力が高く、12格になるにつれて信用力が下がっていきます。

「信用格付」は何に基づいて決められるの?

100点満点の評価の中で

20点:定性評価 = 銀行の融資担当者の数値に表れない評価

80点:定量評価 = 決算書などの実績数値を中心にした評価
→ 安定性
→ 収益性
→ 返済能力

という形で点数化され「点数によって○格になるのか?」が決まってきます。

この決め方も銀行ごとに異なり、銀行の審査ノウハウの一端を担うことになるのです。

定性評価とは?

定性評価とは、数字で現れない部分の企業評価になります。数字というのは経営においては決算情報のことです。

例えば、経営者の信頼性、経営者の経歴などの能力、将来に対するヴィジョン、競合の参入障壁、競合に対する商品優位性、市場シェア、企業の含み益、社員の能力など・・・

経営に大きな影響を表す要素だけれども、決算書上には出てこない情報を、銀行の融資担当者が、面談やヒアリング、追加資料などで判断して、評価します。

例えば

  • 経営者の能力(5点満点) → 評価できる(5点) or 平凡(3点) or 問題あり(1点)
  • 業界シェア(5点満点) → トップクラス(5点) or 一定(3点) or 下位(1点)
  • 業界の将来性(5点満点) → 将来有望(5点) or 安定(3点) or 衰退(1点)
  • 含み益(5点満点) → 多い(5点) or 普通(3点) or 少ない(1点)

という形で各評価項目ごとに点数をつけ、合計点を算出するものです。

定量評価とは?

定量評価というのは、決算数値を中心とした数字で表される経営状況を評価したものです。

定量評価の「安定性」

企業が継続して事業運営をできるかどうか?を判断する財務指標

  • 自己資本比率
  • 当座比率
    ・・・

などの指標が用いられます。

定量評価の「収益性」

利益をどのくらい上げているのか?を判断する財務指標

  • 売上高経常利益率
  • 売上高営業利益率
  • 純資産経常利益率
    ・・・

などの指標が用いられます。

定量評価の「返済能力」

借り入れを返済し続けられるのか?を判断する財務指標

  • 債務償還年数
  • インスタント・カバレッジ・レシオ
    ・・・

などの指標が用いられます。

「信用格付」を上げることで銀行の融資審査は通りやすくなる

「信用格付」は銀行融資の審査のキモと言っていいものです。

融資の稟議書では、細かい経営数値も判断されますが、まずは「信用格付」を見るのです。

「信用格付」が高ければ、融資審査は通りやすくなるのは当然なのです。

「信用格付」を上げるための方法

「信用格付」は、銀行に融資を依頼したタイミングで上げようとしても、いきなり上げられるものではありません。付け焼き刃ではほとんど格付けは変わらないのです。

なぜなら、評価のほとんどは実績で決まるからです。

定量評価は決算書で判断されますし、定性評価といっても、結局は「シェアがどのくらいか?」「含み益がどのくらいあるのか?」など実績よりの定性評価になることが多いからです。

「この経営者はまじめで頑張っているから、定性評価上げておこう。」

なんてことは起こりえないのです。

定性評価と言えども、実績がベースになるため

結局

  • 利益を高める
  • 借り入れを減らす
  • シェアを拡大する
  • 商品やサービスの競合優位性を確立する
  • リピーター、リピート率を上げる
  • コストを減らす
  • 利益率を高める
    ・・・

と言った、経営の基礎体力を上げる日々の努力が必要不可欠なのです。

まとめ

銀行融資の審査では「信用格付」が大きな意味を持ちます。

しかしながら、一朝一夕で「信用格付」は上がるものではなく、日々の経営努力による決算数値の改善しか方法ないと考えるべきでしょう。