資金調達をするときの大前提として「資金調達の必要額」と「資金調達の目的」の明確化というものがあります。これがないと計画も何も立てられないからです。
目的と目標がないと計画は立てられない!
資金調達に限った話ではありませんが、物事には目標と目的がないと「どうやって進めるのか?」が決まりません。
会社経営でも同じでも、ヴィジョンと目標が決まっていなければ「じゃあ来月は何をすればいいの?」というところで行き止まりになってしまいます。
3年後にウェブサイトの制作会社を年商3億円の会社にする
と決まっていれば
- 来月はデザイナーを採用する
- 新規顧客を20社開拓する
- 既存顧客からの継続売上を100万円増やす
・・・
と色々な方針が立てられて、来月やるべきことも、どういう経営方針にするかも、クリアになってくるのです。
家計でも同じです。
2年後に貯金額を500万円にして3000万円の住宅を購入する
と決まっていれば
- 毎月10万円の貯金が必要
- 住宅購入の半年前から検討を始める
- 貯金のために光熱費を5,000円節約する
・・・
というような計画ができるのです。
資金調達も、全く同じです。
「何のために資金調達をするのか?」
「いくら必要なのか?」
「どう使うのか?」
が決まっていなければ
「どの資金調達方法を選択すれば良いのか?」
「いつまでに何をすべきなのか?」
が決まらないのです。
つまり、資金調達で一番はじめにやらなければならないことは
「資金調達の必要額」と「資金調達の目的」を決めること
なのです。
実際に銀行融資の審査でも同じことを聞かれる
実際に銀行融資の審査でも、銀行の担当者は同じことを聞いてきます。
- 「いつまでに、いくら必要なのですか?」
- 「その資金は何に使う予定ですか?」
- 「その結果どうなりますか?」
と必ずはじめに聞いてくるのです。
このときに
- 「経理にお金が足らないと言われたので。」
- 「うちの会社が借りられるだけ借りたい。」
- 「1000万円ぐらいあれば大丈夫だと思う。」
というあいまいな回答をしてしまったら、銀行の担当者は「この会社(経営者)ダメかも知れないな。」と判断してしまい、融資の審査が降りなくなってしまうのです。
本来、回答しなければならないのは
「資金繰り表(CF表)で3か月分の資金がショートしていまう可能性があり、余裕を見て4か月分の運転資金として1000万円の借入を希望しています。すでに3カ月後に入金予定の売掛金が500万円あり、毎月受注額も伸びていますので、つなぎ資金として返済は可能だと考えています。」
という具体的かつ明確な回答です。
結局、「資金調達の必要額」と「資金調達の目的」が決まっていなければ、いきなり銀行に融資の申込みに行っても、借りられる可能性というのは非常に低くなってしまうのです。
「資金調達の必要額」と「資金調達の目的」ってどうやって決めるの?
「資金繰り表を作ること」が真っ先にすべきことです。
資金が必要だから資金調達を検討しているのですから、「資金調達の目的」はすでにあるはずです。
だとすれば、具体性が乏しいのは
資金繰り表を作っていないから
という理由が考えられます。
中小企業の経営者は売上ばかりに力を入れるあまりに「損益計算書(PL)」は作って運用していても、「資金繰り表(CF)」は作っていないというケースが少なくないのです。
「資金繰り表(CF)」があれば、必要な金額といつまでに必要なのか?が具体的に把握できます。また、自社の経理や資金調達コンサルタント、銀行、金融機関に説明することも容易になるのです。
まとめ
資金調達ですべきことの第一歩は「資金調達の必要額」と「資金調達の目的」の明確化です。
そのためには「資金繰り表(CF)」が必要不可欠なのです。
経営者自身の頭の中をクリアにするためにも
の経理や資金調達コンサルタント、銀行、金融機関に相談するためにも
正確な「資金繰り表(CF)」の作成というのがまず求められるのです。
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