中小企業でも資本による資金調達が可能

資本による資金調達というと、中小企業の経営者が思い浮かべるのは「上場」ということかと思います。当然、上場して株を公開することで資金調達するのが王道なのですが、資本による資金調達「エクイティファイナンス」は上場だけが選択肢ではありません。今回は中小企業の資本による資金調達について解説します。

日本で中小企業のエクイティファイナンスが伸びない理由

日本の中小企業はエクイティファイナンスが苦手です。まずその理由を解説します。

高度経済成長期は借金をしても、規模の拡大が重要だった。

高度経済成長期の中小企業は、借り入れによる資金調達で会社を大きくしていきました。人口が増え、GDPも右肩上がりの状況では、借金して投資をしてお、十二分に成長が期待できたのです。借入による返済負担の増加など、意に介さないぐらい積極的な投資をして「規模を拡大すること」で会社の成長は十分に期待できた時代でした。

この慣習が今の中小企業の資金調達でも、そのまま残ってしまっていて、「中小企業の資金調達といえば、銀行からの借入」という認識が根付いてしまっているのです。

そのため、中小企業の経営者はエクイティファイナンスについて、「どういうものなのか?」「借入と何が違うのか?」「どうやって進めれば良いのか?」・・・何も知らないのです。

利益は出さない方が税金を払わないで済む

資本で資金調達をした場合には、利益を出して、配当として株主に還元することが基本となります。

しかし、中小企業の経営者は決算の前に1000万円利益が出そうだったら、「キャバクラに行って利益を失くさないと税金を払わなければならない。税金は絶対払いたくない。」なんて、考える方が以前として多いのです。

  • 資本での資金調達 → 利益の最大化がミッション
  • 多くの中小企業の経営者 → 利益を減らして税金を払いたくない

ですから、当然マッチしないことになります。

経営権は渡したくない

日本の中小企業は、100%自分で株式を所有しているオーナー社長、もしくは家族に株式を渡しているオーナー一族経営の会社が少なくありません。

他の人に指示されるのが嫌いなのです。

当然、株式を売り渡すということは、割合によって経営に参画できることになります。これに対する経営者の拒否感は、日本の経営者は非常に強いと感じます。

情報は公開したくない

株式の譲渡で資金調達をした場合には、株主に対しての説明責任が発生します。経営状態を公開しなければなりません。

情報の公開に対しても、懐疑的な印象を持つ中小企業の経営者が多いのです。

資本による資金調達(エクイティファイナンス)のメリット

では、「資本による資金調達(エクイティファイナンス)」を中小企業がするメリットはどこにあるのでしょうか?

有限責任であること。失敗したら返さなくても良いお金

最大のメリットは資本は会社が倒産しても返済する必要がないことです。

銀行からの融資の場合は、当然のように経営者が連帯保証人になり、会社が倒産した場合、残された債務は経営者個人の借金となるのです。

数千万円、数億円の借金が個人にのしかかってしまい、「自宅を売却した」「車を売却した」「今も返済している」「自己破産した」という経営者も少なくないのです。

これでは、「大きく投資をして勝負をしよう」としても、どこかでブレーキをかけてしまう可能性もありますし、そもそも経営者個人や経営者の家族へのリスクが大きすぎるのです。

資本での資金調達は「失敗したら返さなくても良いお金」であるため、冷静な判断で積極的な投資ができるメリットがあるのです。

利息や返済がない

株式の場合には、配当という形で株主に還元する必要がありますが、これは義務ではありません。十分な利益が出た場合に配当を出せば良いのです。

返済も必要なければ、利息も発生しないので、借入と比較すれば毎月の損益も改善します。資金繰りも楽になるのです。

自己資本比率が高まる

株式で資本を集めれば、自己資本比率は高くなります。自己資本比率が高いということは、対外的な信用力も上がるということを意味します。自己資本比率を上げることで、銀行融資などの審査も通りやすくなるのです。

取引先から出資を募れば、取引先との関係強化につながる

取引先に出資をしてもらうケースも多々あります。顧客としての関係性の強化、業務提携など資本関係を持つことによる経営効率の向上が見込めるケースもあるのです。

資本による資金調達(エクイティファイナンス)のデメリット

株主が経営参画すること

これをデメリットと捉えるか・メリットと捉えるかは賛否両論あるかと思いますが、多くの中小企業の経営者はデメリットと考えていると思います。

  • 「株主に経営情報を公開しなければならない。」
  • 「株主が経営方針について口出しする可能性がある。」
  • 「保有率が高まれば、役員を送り込むなどより経営方針に影響を与える」
  • 「会社の利益の最大化に努めなければならない」
    ・・・

例えば、5000万円の経常利益がある会社が、5000万円分の役員報酬を社長に渡して、会社の利益をゼロにしていても、株主が100%オーナー社長であればだれも文句は言いません。

しかし、資本による資金調達をしていた場合、株主が株主総会に参加するため、割合によっては「社長の役員報酬に異議を唱える」なんてことも起こりうるのです。株主総会で過半数の賛成が得られなければ、役員報酬の変更もできません。

資本による資金調達(エクイティファイナンス)の種類と方法

  • 株主割当増資
  • 第三者株主割当増資
  • ベンチャーキャピタル
  • 公的ベンチャーキャピタル
  • エンジェルから出資してもらう
  • 種類株式の発行
  • 新株予約権の発行
  • 従業員持ち株会
  • 未公開株式市場(グリーンシート)
  • 事業譲渡
  • 業務提携
  • MBO
  • 株式上場
  • 中小企業ファンド
  • ソーシャルレンディング

まとめ

中小企業でも資本による資金調達が可能です。

しかし、中小企業の経営者には、資本による資金調達に対するマイナスな見方も多く、浸透していないのが現状です。

資本による資金調達(エクイティファイナンス)が一番良い資金調達というわけではありませんが、多くのメリットがある資金調達方法であることも事実です。

はじめから選択肢から外してしまうのではなく、色々な資金調達方法とフラットにメリットデメリットを比較して、検討することをおすすめします。


注目の資金調達方法

資金調達

資金調達方法には何がある?資金調達方法31種類のメリットデメリット

資金調達方法の種類を徹底網羅して解説しています。資金調達方法は、思っている以上に多くの種類があり、資金調達方法ごとにメリットデメリットが存在します。中小企業であっても、使える資金調達方法は多くあるので、まずは「どのような資金調達方法があるのか?」把握することをおすすめします。資金調達の選択肢を知ったうえで、メリットデメリットを確認し、自社の状況に合わせた資金調達方法を選びましょう。

銀行融資

銀行融資のすべて。銀行融資を成功に導く申込方法・融資の引き出し方・交渉方法と銀行融資審査

銀行融資は、資金調達の基本中の基本です。そのわりに「銀行からどうやって融資を引き出すのか?」「銀行融資の審査は何を審査しているのか?」「銀行の融資担当者と交渉するときはどうすれば良いのか?」正確に理解している中小企業の経営者はほとんどいないのが現状です。銀行を味方につけることで、企業の資金繰りは何倍も楽になり、会社規模を成長させることができるのです。

ビジネスローン

ビジネスローンを活用した資金調達方法のすべて/130社比較・即日融資・無担保・審査

ビジネスローンは、以前は銀行ビジネスローンが主流でしたが、銀行は貸し倒れの増加に伴いビジネスローンの提供に対してかなり消極的になっています。現時点ではビジネスローンは、大手消費者金融が提供するローンサービスであり、銀行融資よりも、「審査が甘い」「即日融資が可能」という点で中小企業の経営者に重宝される資金調達方法となっています。金利が高いなどのデメリットもあるため、短期の資金繰りを乗り切るための選択肢として考えましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは?融資審査に通らない方のための資金調達方法

ファクタリングは、売掛債権を譲渡することで早期に資金化する資金調達方法のことを言います。ファクタリングの場合は、審査対象が資金が必要な会社ではなく、売掛先になります。そのため、銀行融資やビジネスローンよりも、売掛先の信用力が高ければ審査に通りやすいメリットがあります。その上、ファクタリングは「債権の譲渡」でしかないため「借入」として決算書に掲載されないので、今後の銀行取引にもマイナスの影響がありません。

不動産担保ローン

不動産担保ローンを活用した資金調達方法のすべて。審査や金利、借り換え方法を比較

不動産担保ローンは、文字通り、土地、マンション、ビル、店舗、工場、戸建てなどの不動産を担保に資金を調達する資金調達方法のことを言います。無担保のビジネスローンと比較すると担保がある分、「高額な借り入れが可能」「数十年単位の長期間の借り入れが可能」「審査が通りやすい」というメリットがあります。ただし、返済できなければ担保である不動産を失ってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。


資金調達「無料診断」/10秒簡単登録

返済不要の助成金獲得/無料診断

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です