銀行融資の審査に落ちるのはどのような状況になるケースでしょうか?今回は銀行融資の審査に落ちるケースについて解説します。
1.貸し倒れリスクが高いと判断されるケース
銀行は企業に対して信用力の格付けを行っています。
信用格付とは
信用状態に関する評価を簡単な記号または数字で表示した等級のこと
を意味していて、世界の格付け機関(ムーディーズなど)などは「AAA(トリプルエー)」「BBB」「CC」など、簡単な企業で金融機関の格付けを行っているのです。
格付けされる側の銀行も、企業に対して同じように等級で格付けを行っているのです。
銀行は融資先を10~12段階に分けて信用格付けをしています。
- 1-6:正常先
- 7:要注意先
- 8:要管理先
- 9:破綻懸念先
- 10:実質破綻先
- 11:破綻先
というイメージです。
信用格付けは
- 第1次評価(定量評価)決算書の数値に基づく評価
- 第2次評価(定性評価) 決算書上に数値化できない要素の評価
- 第3次評価(実態評価) 決算書の裏に隠れた実態評価
で判断されます。
- 低利益率
- 赤字
- 債務超過
信用格付けが低くなるケースの場合、銀行融資の審査に通る可能性が低くなってしまうのです。
これらの条件の場合、銀行に貸し倒れが発生する割合、デフォルト率が高くなってしまうからです。
信用格付けが低い = 貸し倒れリスクが大きい = 審査落ち
プロパー融資の場合は信用格付けですが、銀行ビジネスローンの場合は、スコアリングシステムによって自動的にデフォルト率が計算されるので、それが一定の割合いかに収まっているかで判断されます。
2.銀行の利益がでないケース
信用格付け上は融資をすること自体に問題がないのですが、銀行の利益がでないケースというのも想定されます。
- 金利が低金利すぎる
- 融資金額が大きすぎる
- 返済期間が長期間すぎる
つまり、融資条件に無理があって、このまま融資をしても、銀行にとっては利益が薄いと判断されるケースです。
当然、融資条件に無理があるかどうかの判断は、信用格付けと連動します。
- 信用格付けが高ければ、許容できる融資条件の幅は広くなる
- 信用格付けが低ければ、許容できる融資条件は厳しくなる
のです。
この場合、銀行の融資審査の結果としては
「金利が○○%と希望条件よりも高い設定で良ければ、融資が可能です。」
という条件付きの審査通過の結果を伝達することになります。
企業がOKであれば融資実行ですが
企業がNOというケースも考えられます。
- 「その金利なら借りない方が良い」
- 「その金利なら他の銀行にあたる」
- 「その金利なら設備投資自体見送るべき」
というような経営判断も当然あるため、ここで条件変更に同意できなければ、融資審査が通らないということになるのです。
3.ブラックリスト扱い
- 過去に返済事故を起こしている
- 報告している資金使途と違う資金に利用していることが発覚した
- 違法な会社経営をしていることが発覚した
・・・
など、経営状況が良くても、銀行として貸せないケースというのがあります。
銀行は公的な側面を持っている企業です。民間企業ではありますが、社会に与える影響は大きく、国の支援を受けているケースもあるからです。反社会的な会社に融資をすることはできないのです。
まとめ
銀行融資の審査に落ちるケースというのは
- 貸し倒れリスクが大きいと判断されるケース
- 融資条件が銀行の利益に見合わないと判断されるケース
- 反社会的な会社、契約違反、返済事故などが発覚したケース
の3つに大別されます。
銀行融資の審査の仕組みを理解することは資金調達において非常に重要なことですので、審査に落ちるケースを理解したうえで、信用格付けを上げるための努力をしましょう。
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