銀行融資の審査を決める稟議書の中身

銀行融資の審査はほとんど融資担当者の作成する稟議書によって決まると言っても過言ではありません。今回は「銀行融資の審査を決める稟議書の中身」について解説します。

銀行融資の審査における稟議書の重要性

銀行融資の審査では

銀行の融資担当者が稟議書を作成

支店内で稟議書が回覧

支店長が最終決裁(もしくは中間決裁)

本部の部長・役員が最終決裁

という流れで稟議書が回っていき、最終決裁者が承認する形で、融資が決定されるのです。

銀行の担当者は、稟議書に載らない貴社の情報も理解していると思いますが支店長や本部の部長、役員などの最終決裁者は、極端に言えば「稟議書だけで融資を判断する」のです。

A社という会社があった場合に

  • 経験豊富な融資担当者Bさんが作成した稟議書
  • 入社3年目の融資担当者Cさんが作成した稟議書

では、同じ決算内容にも関わらず、融資審査の結果が変わってくる可能性があるということです。

  • 会社のことをこまめに伝えた後に融資担当者が作成した稟議書
  • 必要書類のみの提出で融資担当者が作成した稟議書

でも、審査結果は変わってくるのです。

「稟議書」というのは銀行融資の審査を左右するものなのです。

では、稟議書にはどんなことが書いてあるのでしょうか?

稟議書の中身

企業の基本情報

  • 商号
  • 住所
  • 代表者名
  • 株主構成
  • 業種
  • 取扱商品
  • 強み
  • 弱み

企業の決算数値

  • 損益計算書(主要数値が年度ごとに推移で比較され表示)
  • 賃借対照表(主要数値が年度ごとに推移で比較され表示)
  • 最近の試算表の内容
  • 今期の決算の見込

融資条件

  • 希望融資額
  • 希望返済期間
  • 希望返済方法(一括、分割、据え置き期間)
  • 資金使途(運転資金、設備資金、その内容)

適用予定金利

  • 固定金利 or 変動金利
  • 年率○%の金利に設定するか?
  • 銀行の基準金利と比較してどうなのか?
  • 金利設定の根拠

保全状況

  • 融資金額が担保や保証人によってどのくらい保全されるのか?

返済能力

  • 年間のフリーキャッシュフローが年間の返済金額を上回っているか?

他行の融資状況

  • 他行の融資状況
  • 他行の融資状況の推移
  • 他行の融資姿勢

稟議書の作成者の結論

  • 融資実行をするか、しないか?
  • 「融資実行をする」とした理由
  • 融資により銀行にもたらされる利益・メリット
  • 融資実行時の条件(金利、返済期間、金額、返済方法など)

回覧者のコメント

稟議書のフォーマットは当然、銀行ごとに違うのですが、概ね上記のような情報が稟議書に記載されているのです。

稟議書が起案するまでには最短3営業日ぐらいかかりますが、ほとんど融資担当者の稟議書作成にかかる時間と言っていいでしょう。

まとめ

銀行融資では上記のような稟議書を融資担当者が作ることで、審査フローが進んでいきます。

稟議書の中身を見てみれば「融資担当者がどれだけ貴社の経営状況を把握しているか?」によって、稟議書の内容が変わってしまうことが推察できるかと思います。

融資審査を通りやすくする = 稟議書の内容をよくする

と言い換えてもいいぐらいなのです。だからこそ、融資担当者と経営状況の情報交換を密にすることが審査を通すためには重要になるのです。

稟議書のアウトプットをイメージしながら、融資担当者を情報共有を行いましょう。

注目の資金調達方法

資金調達

資金調達方法には何がある?資金調達方法31種類のメリットデメリット

資金調達方法の種類を徹底網羅して解説しています。資金調達方法は、思っている以上に多くの種類があり、資金調達方法ごとにメリットデメリットが存在します。中小企業であっても、使える資金調達方法は多くあるので、まずは「どのような資金調達方法があるのか?」把握することをおすすめします。資金調達の選択肢を知ったうえで、メリットデメリットを確認し、自社の状況に合わせた資金調達方法を選びましょう。

銀行融資

銀行融資のすべて。銀行融資を成功に導く申込方法・融資の引き出し方・交渉方法と銀行融資審査

銀行融資は、資金調達の基本中の基本です。そのわりに「銀行からどうやって融資を引き出すのか?」「銀行融資の審査は何を審査しているのか?」「銀行の融資担当者と交渉するときはどうすれば良いのか?」正確に理解している中小企業の経営者はほとんどいないのが現状です。銀行を味方につけることで、企業の資金繰りは何倍も楽になり、会社規模を成長させることができるのです。

ビジネスローン

ビジネスローンを活用した資金調達方法のすべて/130社比較・即日融資・無担保・審査

ビジネスローンは、以前は銀行ビジネスローンが主流でしたが、銀行は貸し倒れの増加に伴いビジネスローンの提供に対してかなり消極的になっています。現時点ではビジネスローンは、大手消費者金融が提供するローンサービスであり、銀行融資よりも、「審査が甘い」「即日融資が可能」という点で中小企業の経営者に重宝される資金調達方法となっています。金利が高いなどのデメリットもあるため、短期の資金繰りを乗り切るための選択肢として考えましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは?融資審査に通らない方のための資金調達方法

ファクタリングは、売掛債権を譲渡することで早期に資金化する資金調達方法のことを言います。ファクタリングの場合は、審査対象が資金が必要な会社ではなく、売掛先になります。そのため、銀行融資やビジネスローンよりも、売掛先の信用力が高ければ審査に通りやすいメリットがあります。その上、ファクタリングは「債権の譲渡」でしかないため「借入」として決算書に掲載されないので、今後の銀行取引にもマイナスの影響がありません。

不動産担保ローン

不動産担保ローンを活用した資金調達方法のすべて。審査や金利、借り換え方法を比較

不動産担保ローンは、文字通り、土地、マンション、ビル、店舗、工場、戸建てなどの不動産を担保に資金を調達する資金調達方法のことを言います。無担保のビジネスローンと比較すると担保がある分、「高額な借り入れが可能」「数十年単位の長期間の借り入れが可能」「審査が通りやすい」というメリットがあります。ただし、返済できなければ担保である不動産を失ってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。

資金調達でおすすめのビジネスローンはこちら
ビジネスローン
資金調達でおすすめの不動産担保ローンはこちら
不動産担保ローン
資金調達でおすすめのファクタリングはこちら
ファクタリング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

資金調達のコンサルティング、資金調達のサポート事業を行っています。銀行融資から、担保融資、ビジネスローン、不動産担保ローン、ファクタリングまで、様々な資金調達方法を紹介し、資金繰りの改善をお手伝いしています。実際に私が経営している会社でも、様々な方法で資金調達を実現させました。