自分でM&Aで会社を売るまでの流れ・手続き方法の全マニュアル/自分でM&A編

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「M&Aで会社を売るときはどんな流れになるの?」
「M&Aで会社を売りたいけど、手続きの流れがわからない。」
「自分の力だけでM&Aで会社を売却することはできますか?」
「自分の力だけでM&Aで会社を売却するといの流れはどうなりますか?」
・・

M&Aで会社を売るときの流れはどのようになるのでしょうか?M&Aで会社を売る経験というのは、人生で1回しかない方も多いものですので、知らない方の方が多いのは当然です。今回は、M&A仲介会社を利用した場合のM&Aで会社を売るまでの流れ・手続き方法をわかりやすく解説します。

M&Aで会社を売るまでの流れ・手続き方法/自分でM&A編

M&Aで会社を売るまでの流れ・手続き方法/自分でM&A編

まず、M&Aで会社を売るときには

  1. 自分でM&A仲介サイトに登録して売却する
  2. 知り合いの会社に売却する
  3. M&A仲介会社を使って売却する

という大きく分けて3つの方法があります。

ほとんどの方は「M&A仲介会社を使って売却する」方法を選択しています。

今回は、「自分でM&A仲介サイトに登録して売却する」方法のM&Aで会社を売るまでの流れ・手続き方法を解説します。

自分でM&A仲介サイトに登録して売却する流れ・手続き方法

自分でM&A仲介サイトに登録して売却する流れ・手続き方法

手順その1.利用するM&A仲介サイトを決める

オンライン上で自分で会社や事業の売却ができる「M&A仲介サイト」「M&Aマッチングサービス」の中から、手数料や案件数などから、自分の利用したいサイトを比較し、2つ、3つの候補を決定します。

手順その2.利用するM&A仲介サイトに会員登録する

利用するM&A仲介サイトに登録する必要があります。

例:TRANBI(トランビ)の場合

例:TRANBI(トランビ)の場合

無料会員登録

  • メールアドレス
  • パスワード
例:TRANBI(トランビ)の場合
  • 会員区分
  • M&Aに関する専門業務を仕事にしていますか?[
  • 会員登録目的
  • 事業形態
  • 会社名
  • 住所
  • 法人代表者氏名
  • 代表電話番号
  • 業種
  • 会社HP
  • 資本金
  • 前年度売上
  • 従業員数
  • 設立年
  • 所属部署
  • 役職
  • 登録者氏名
  • 生年月日
  • 携帯電話番号

などを登録します。

手順その3.利用するM&A仲介サイトに売却案件登録する

例:TRANBI(トランビ)の場合

例:TRANBI(トランビ)の場合
  • M&A案件名
  • 業種
  • 仲介案件
  • 交渉対象
  • 譲渡対象資産
  • 従業員数
  • 譲渡理由
  • 譲渡理由補足
  • 売却希望時期
  • 所在地
  • 事業内容
  • 主な顧客
  • 製品サービス
  • 製品・サービスの販売・提供方法
  • 事業の強み/差別化ポイント
  • 補足情報
  • 財務情報

などを登録します。

手順その4.売却案件がM&A仲介サイト上に公開される

「M&A仲介サイト」「M&Aマッチングサービス」の運営会社の審査・チェックが終われば、売却案件がM&A仲介サイト上に公開されます。

手順その4.売却案件がM&A仲介サイト上に公開される
売却案件がM&A仲介サイト上に公開される = 買い手に提示される

ことになります。

手順その5.買い手からオファーがある

「M&A仲介サイト」「M&Aマッチングサービス」の規模にもよりますが、基本的に魅力的な売却案件の場合は、多くの買い手候補が現れます。

手順その6.買い手と交渉をする

買い手候補と交渉をはじめるのですが、ここにもいくつかのステップがあります。

その1.買い手のプロフィールを確認する

買い手候補のプロフィール情報を確認して、数社に買い手候補を絞り込みます。

はじめは匿名交渉ですので、買い手候補の情報の具体的な部分(社名)は知ることができません。すべての買い手候補と交渉をしても構わないのです。

例:トランビの交渉状況別の開示情報
匿名交渉実名交渉申請時実名交渉
法人名×
会員区分(個人・法人・専門家)
住所×
法人電話番号××
業種
上場/非上場
HP×
資本金××
前年度売上高(レンジでの表示)
従業員数(レンジでの表示)××
設立年××
部署××
役職
登録者氏名×
連絡先電話番号××
メールアドレス××

その2.匿名の状態で交渉を行う

匿名の状態では、お互いに会社や事業が特定されない範囲で情報を開示しあって、売却(買収)の方向性をすり合わせます。

買い手側が知りたい情報
  • 譲渡スキームは株式譲渡か事業譲渡か
  • 譲渡する事業は法人か個人事業か
  • 譲渡スキームは株式譲渡か事業譲渡か
  • 直近の収益状況(売上高、原価率、経費、営業利益などの概算。詳細である必要はありません)
  • 直近の財務状況(銀行借り入れ、純資産などの概算。詳細である必要はありません)
  • 譲渡対象に含まれる資産(土地・建物は自社所有か賃貸か、賃貸の場合契約の変更が可能か)
  • フランチャイズ等やオンラインのECモール店舗の場合、譲渡が可能か権利者に確認する
  • 事業経過年数
  • 特許や技術、サービスなどの自社の強み
  • 競合の有無
  • 製品・サービス概要
  • 運営方法
  • 広告などのマーケティング手法
  • 従業員の引継ぎ有無
  • 譲渡までの期間

など

売り手側が知るべき情報
  • 交渉相手は個人か法人か、M&A専門家か
  • 業種、規模、場所などの相手の概要
  • 同業経験の有無
  • 買収までの期間
  • なぜこの事業を買いたいのか(相手の興味の度合いを見極める)
  • 予算確認(どのように資金を用意するのか)
  • 買収などの意思決定者(交渉相手自信が決定するのか)

など

その3.実名交渉を申請する

上記のやり取りの中から、「この会社に売却したい。」「この会社であれば、M&Aがうまくいく。」と判断した会社を複数社(優先順位をつけて)ピックアップし、実名交渉を申請します。

その4.実名交渉と同時に秘密保持契約書(NDA)を締結する

「M&A仲介サイト」「M&Aマッチングサービス」であれば、サイト上で秘密保持契約書(NDA)を締結することができますが、できない場合も「秘密保持契約書(NDA)を締結する」手順は必須事項と言えます。

具体的なM&Aの交渉では、競合他社に情報が渡ったり、売却の情報が流れれば、それだけで経営が傾いてしまうことも少なくありません。会社の機密情報を公開しなければ、M&Aの交渉が進まないため、仕方ないのですが、これを開示するためには、きちんと「秘密保持契約書(NDA)」をかわすことが大切なのです。

手順その7.買い手と面談して交渉をする

M&Aは、オンラインだけで完結できるものではありません。対面で交渉し、信頼関係を構築しながら、交渉を進める必要があります。

ここでの交渉は、前述したオンラインでの交渉内容とほぼ変わりませんが・・・

より具体的な質問がくる形になります。

  • なぜこの事業を売却するのか
  • 事業が抱えている課題は何か
  • 事業の課題をどのように解決できるか(ヒト、モノ、カネ、情報の視点で)
  • 事業の成長ポテンシャルはどこか

などをPLやBSを見ながら、具体的に質問されることになります。

事前に回答できる準備をしておくと良いでしょう。うまく、回答できない場合は、誠実に経営をしていないと判断されてしまう可能性もあります。

売却側からも、具体的に質問します。

  • いつ頃までに買いたいのか
  • 買収予算と資金の調達・準備方法
  • 意思決定プロセス
  • 意思決定に関わる関係者は誰か(配偶者、会社幹部、親族など)
  • 買収した後の事業の展望(従業員の継続雇用等)

とくに重要なのは「資金」です。

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M&Aがまとまっても、土壇場で資金が用意できずにダメになってしまう交渉も少なくありません。

  • どうやって買収資金を用意するのか?
  • いつまでに資金が用意できるのか?
  • 誰が最終決定するのか?

など、具体性を持った質問をする必要があります。

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また、面談(対面)での交渉は、1回とは限りません。何度も交渉を重ねて、買い手の最終判断を待つ必要があります。

手順その8.買い手から最終的な購入可能額(買収価格)の提示

買い手から、最終的な購入可能額(買収価格)の提示がされます。

複数の買い手候補と交渉を重ねていた場合、複数の会社から購入可能額(買収価格)の提示を受けることになります。

手順その9.買い手を1社に絞り込み、基本合意契約書を締結する

買収価格に納得した場合に、買い手を1社に絞り込んで、基本合意契約書を締結します。この段階では、1社としか契約はできません。

基本合意契約書では

  • 譲渡対象株式数や譲渡対象に含まれる資産
  • 譲渡価格の合意
  • 独占交渉権
  • 譲渡代金の支払い方法

などを記載します。

ただし、基本合意契約書に法的拘束力はないため、破棄される可能性もあることを理解しておきましょう。互いにデューデリジェンス(買収監査)をする前ですので、ここでは損害賠償などを設定しないことが一般的です。手付金の設定や破棄の場合の手付金の破棄などを契約書に盛り込むことは可能です。

手順その10.買収監査(デューデリジェンス)の実施

買収監査(デューデリジェンス)とは

財務状況、事業内容などの詳細な確認作業のことを言います。

基本合意契約に至った情報が正しいものなのかどうか?細かい点までチェックされます。

  • 過去3年分の納税申告書
  • 過去3年分の財務諸表
  • 売掛金リスト
  • 買掛金リスト
  • 在庫⼀覧表
  • 主な機械設備の⼀覧表
  • リース、賃貸等の契約書
  • 備品、家具および設備リスト
  • 契約と同意書のコピー
  • 知的財産に関する文書
  • 管理・運営マニュアル
  • 従業員リスト
  • 顧客情報
  • 仕⼊れ先、販売代理店リスト
  • 事業の組織図
  • 事業計画書
  • 株主名簿(株式譲渡時のみ)

など、情報の正確さ、エビデンス(証拠)を確認する作業と言えます。

買収監査(デューデリジェンス)は

  • 買い手 → 売り手に対して行う
  • 売り手 → 買い手に対して行う

双方が行うものです。

teacher
買い手が適切でないケースも往々にしてあるからです。買い手に対しても、必要な書類の提出や帝国データバンクなどの信用情報を確認し、買い手の内容を監査(デューデリジェンス)する必要があるのです。

手順その11.契約

買収監査(デューデリジェンス)も問題ない場合は、最終的な契約書を締結します。事業譲渡契約書や株式譲渡契約書など売却の対象によって契約書の種類は異なります。

  • 表明保証
  • 支払方法
  • 譲渡対象物
  • 協業禁止
  • 負債の引き渡し
  • 譲渡金額
  • 監査で発見された問題
  • 事業運営上のキーとなる従業員の処遇、雇用など
  • 事業の引継期間に人件費など

などが契約書に盛り込みます。

手順その12.「M&A仲介サイト」「M&Aマッチングサービス」に成約連絡

「M&A仲介サイト」「M&Aマッチングサービス」は、成功報酬のオンラインサービスですので、成約連絡を入れることで取引が完了します。

ここで成約連絡をしないと、サイトの利用規約に抵触するため、高額な手数料が請求されてしまいます。速やかに成約連絡を入れましょう。

手順その13.事業の引継ぎ

買収した会社に事業や会社を引き継ぎます。

自分でM&Aで会社や事業を売却すべきかどうか?

自分でM&Aで会社や事業を売却すべきかどうか?

自分でM&Aで会社や事業を売却するメリットは

手数料が安い

ことです。

M&A仲介会社を使えば、それだけ手数料が高くなり、売却時の取り分が減ってしまいます。

しかしながら、M&A仲介会社を使った方が

  • 専門家の意見を聞きながら売却がすすめられる
  • 適正価格を教えてもらえる
  • 書類や手続きなどの手間がない
  • 相手からの値下げ交渉の防波堤になってもらえる
  • 「M&A仲介サイト」「M&Aマッチングサービス」に来ない買い手を見つけれる

というメリットもあるのです。

基本的には

5,000万円以下の小規模な会社売却、事業売却であれば

自分でM&Aで会社や事業を売却しても、手数料を抑えられるメリットがある

のですが

5,000万円を超える規模の会社売却、事業売却であれば
  • 高く売ること
  • 安心できる買い手を見つけること

を重視して、M&A仲介会社を使うべきと考えます。

teacher

どちらにもメリットデメリットがありますが、売却規模に応じて、自分で売却するのか?M&A仲介会社を入れるのか?決めればよいと思います。

また、はじめに自分でやってみて、うまくいかなければM&A仲介会社を利用するという方法も良いでしょう。M&Aで会社や事業を売却する経験は、多くの方がはじめてですので、やりながら一番良い方法を模索するしかないのです。


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たく先生

資金調達のコンサルティング、資金調達のサポート事業を行っています。銀行融資から、担保融資、ビジネスローン、不動産担保ローン、ファクタリングまで、様々な資金調達方法を紹介し、資金繰りの改善をお手伝いしています。実際に私が経営している会社でも、様々な方法で資金調達を実現させました。