銀行融資の審査ではどのような点をチェックして審査が行われるのでしょうか?今回は銀行融資審査のチェックポイント「セグメント別のシェア」とその攻略法について解説します。
セグメント別のシェアとは?
銀行融資の審査では「その会社の成長性」を重視します。
成長する企業というのは
- 競合他社にはない商品
- 競合他社にはないビジネススキーム
- 競合他社にはないサービス
- 競合他社にはない人材
- 競合他社にはない営業力
・・・
など、何かしらの競合優位性を持っているものなのです。
当然、経営者は銀行の融資担当者に対して「うちの強みは○○です。」とアピールするのですが、言葉で言われても銀行の融資担当者は納得しません。
銀行の融資担当者が見るのは、具体的な数値なのです。競合優位性を証明する数字のひとつに「シェア」というものがあります。
- シェアが大きい
- シェアが伸びている
のであれば、「その企業は競合優位性を持っている」と判断されるのです。
「シェア」って言っても・・・大手企業の独壇場では?
と思うのが当然なのですが、大きな市場でのシェアである必要はないのです。
例えば
数名で経営している不動産会社であれば
- 銀行の支店がある街のシェアが25%を超えている
- 銀行の支店がある街のシェアが直近3年間は2%ずつ伸びている
というセグメントされた市場でのシェアで、そのエリアでの競合優位性を持っていることが証明できるのです。
健康食品メーカーであれば
- 商品A、B、Cは競合優位性はないが
- 商品Dはその健康食品でのシェアが25%を超えている
- 商品Dはその健康食品でのシェアが直近3年間は2%ずつ伸びている
という商品別のシェアでも、その商品は競合優位性を持っていることが証明できるのです。
他にも
- 低価格帯のシェアであれば・・・
- 富裕層顧客のシェアであれば・・・
- ○○業の顧客シェアであれば・・・
というように色々な形でセグメントされたシェアでも、競合優位性を示す根拠になりうるのです。
小さなセグメントであっても、そこで競合優位性があり、シェアを伸ばしていけているのであれば、成長性が高い企業として判断されます。そのセグメントでシェア1位になれば、高収益体質になれるからです。また、ある小さいセグメントで1位のシェアに慣れれば、その利点を生かして、セグメントを拡大していくこともできるからです。
銀行融資を受けるためには「シェア」というものを意識して経営をしていくことも重要なのです。
銀行融資「セグメント別のシェア」の審査の攻略法
シェアを示す数字を提示しよう
前述した通りで、どんなに小さなセグメントでも、シェアを数値で示すことが銀行融資の審査で有利になるポイントです。自社の強み「競合優位性」を示すことのできるシェアに関する数値がないか?洗い出してみると良いでしょう。
「シェアってどう調べればいいのかわからない。」という方は、顧客へのヒアリングやその会社の起業規模、価格帯、などある程度シェアを想定できるような情報を基に仮説を立てて、競合他社の想定数値をしれば良いのです。業界誌や統計情報サービスなどを利用するのも一つの方法です。
比較表を作ろう
競合他社を横軸に置いて、商品・サービスのスペックを縦軸に置いて、商品やサービスの比較表を作りましょう。
A社 | B社 | C社 | |
---|---|---|---|
販売価格 | 2,000円 | 1,500円 | 1,000円 |
機能1 | ○ | – | △ |
機能2 | △ | ○ | ○ |
機能3 | ○ | – | – |
従業員数 | 5名 | 16名 | 29名 |
市場シェア | 2% | 5% | 10% |
ターゲット | 高所得層 | 全体 | 低所得層 |
比較表ほど、明確に競合優位性を示すことのできる資料はないのです。
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