銀行融資による資金調達では銀行融資の種類についても把握しておく必要があります。今回は銀行融資の種類「銀行ビジネスローン」について解説します。
「銀行ビジネスローン」とは?
ビジネスローンとは
ビジネスローンというのは、無担保、第三者保証人なし(経営者の連帯保証人あり)の法人向け無担保ローンのこと
を意味します。
銀行ビジネスローンとは
銀行が提供しているビジネスローンのこと
です。
ビジネスローンは「融資のパッケージ商品」という意味合いが強く、決算書のデータからスコアリングシステムで自動的に融資条件が算出されます。
無担保、第三者保証人なしですので、当然金利は高くなるのですが、プロパー融資のように担当者が稟議書を作って、本部や支店長が決裁するという手間のかかるフローがないため、比較的審査は通りやすくなっています。
銀行ビジネスローンは「貸し倒れリスクが高い中小企業向けの融資サービス」と考えて良いでしょう。
「銀行ビジネスローン」の特徴
自動的に審査が行われるスコアリングシステム
銀行ビジネスローンでは、2期分(3期分)の決算書データをスコアリングシステムに打ち込むことで過去の膨大な融資データから想定されるデフォルト率が算出されます。同じ決算状態の企業の過去データからデフォルト率を予測するのです。
例えば「デフォルト率が5%」100社に貸した場合に5社が倒産するという結果が出た場合、銀行としてはこれよりも高い金利で貸せばリスクはないわけです。金利を年率7%~8%にしておけば、100社に貸せば、貸し倒れによる損失よりも、利息収益の方が大きくなるからです。
デフォルト(貸し倒れ)を想定したうえで、高めの金利を提供する自動審査の仕組みがスコアリングシステムなのです。
- シンプルに決算書のデータで審査すること
- 金利がプロパー融資よりも高く設定されること
- デフォルト発生を織り込んでいること
などから、プロパー融資よりも審査が通りやすい融資方法となります。
また、自動的に審査をするので、プロパー融資のような人力の審査と比較して、すぐに審査結果を出すことが可能です。早いものであれば即日審査結果通知ということも可能になります。
一方で最低でも2期分の決算書のデータがなければ、スコアリングシステムが利用できないため、2期は経過していないと利用できないことに注意が必要です。
無担保、第三者保証人なし
銀行ビジネスローンの場合は、原則「無担保、第三者の保証人なし」という設計のものがほとんどです。
第三者の保証人なしというのは、経営者本人の連帯保証は必要ですが、それ以外の保証人は用意する必要がないということを意味しています。
担保や保証人を取らない代わりに金利が高い融資方法なのです。
「銀行ビジネスローン」で銀行融資を受ける際の注意点
ビジネスローンの審査に落ちることもある
プロパー融資よりは審査に通りやすい銀行ビジネスローンですが、想定されるデフォルト率が一定以上の場合には、審査に落ちることも当然あります。
金利は青天井に高く設定することができません。ですから、デフォルトを織り込んで融資をする銀行ビジネスローンであっても、許容できるデフォルト率の上限があるのです。
決算書の内容が悪くて、想定されるデフォルト率が許容値を超えていれば、すなわち審査落ちということになるのです。
銀行ビジネスローンは数が少なくなっている
銀行も融資先を見つけるのに苦労する時代になっています。
そのため、高金利の銀行ビジネスローンを積極的に販売する銀行は減っていて、プロパー融資に軸足が移っているようです。
一方で、ノンバンクがビジネスローンを積極的に販売しています。金利は10.0%~15.0%という高金利の設定になっていますが、即日融資が可能、審査が甘い、担保・第三者保証人なしというサービス設計で中小企業、零細企業、個人事業主には重宝されています
銀行ビジネスローンはノンバンクのビジネスローンよりは審査が厳しくなってしまい、低金利なのは銀行プロパー融資ですので、中途半端な商品のポジションになってしまっているのです。
会社の状況によっては、ノンバンクのビジネスローンの方が良いケースもあるのです。
「銀行ビジネスローン」で銀行融資受ける手順
「プロパー融資」に申込む方法は
- 銀行に申込む
だけです。「銀行ビジネスローン」を提供しているかどうか?を確認したうえで、銀行に申込みましょう。
まとめ
「銀行ビジネスローン」は自動的に審査をする銀行融資のパッケージ商品です。
審査が通りやすく、即日融資、無担保・第三者保証人なし、というメリットがある一方、金利が高く設定されるため、会社の経営状況に応じて他の銀行融資方法と使い分ける必要があります。ビジネスローンに関してはノンバンクのビジネスローンも選択肢に入れて検討する必要があるでしょう。
コメントを残す