補助金というのは、助成金とは違って、審査によって採択されなければもらえないお金です。つまり、その審査をする対象になる「申請書」一つで、採択されるか?されないか?が変わってくる非常に重要なものなのです。今回は、採択されるための補助金の申請書の作り方を丁寧に解説します。
申請書の重要性を理解する
補助金の受給までの流れ
- 補助金が公募される
- 申請書類の提出
- 書類審査
- 書類審査通過
- 面接
- 採択決定
- 交付申請書の提出
- 交付決定
- 補助事業開始
- 定期報告、巡回指導
- 実績報告書の提出
- 確定検査の実施
- 補助金の支給額の確定
- 清算払い請求
となっています。
補助金の審査では
- 書類審査
- 面接審査
の2つのステップがあるわけですが
書類審査で大部分がふるい落とされます。
書類審査というのは「提出書類/申請書」の審査のことを意味します。
ということです。
書類審査さえ通れば、面接審査は
- 「その書類の内容が間違っていないのか?」
- 「その申請書の計画を経営者自身が理解しているか?」
- 「書類ではわからない部分のヒアリング」
などがメインになるので、結局
と言って、間違えはないのです。
採択されるための補助金の申請書の作り方
今回は、創業補助金を例に解説していきます。
ステップ1.補助金の目的を再確認する
今一度、「その補助金が何のために作られているのか?」を確認しましょう。
補助金とは
です。
つまり、なんらかの「政策を推進するために」存在する制度ですから
補助金の審査というのは
が大きな審査基準となります。
創業補助金
1. 事業目的 概要
「創業補助金」は、新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させることを目的に、新たに創業する者に対して創業等に要する経費の一部を助成(以下「補助」という。)します。
となっています。
と思う方も多いかと思いますが・・・
注意深く見てみると
新たな需要や雇用の創出
と記載されています。
ここから推察されるのは
- 新しい事業(今までにない事業)であること
- 雇用の創出が見込める事業であること
が重要だ。
ということが読み取れるかと思います。
- ありきたりな飲食店を作りたい。(≒新しい事業ではない)
- ありきたいな不動産会社を設立したい。(≒新しい事業ではない)
- 個人でFXで設けているけど、法人化したい。(≒雇用が見込めない。)
では、ダメということです。
ステップ2.過去の採択例を分析する
過去に採択されたものですから、これが最大のヒントになります。
平成29年度 創業補助金 採択事業テーマ一覧 【109件】
- 業の創業と、2.ニセコインバウンドを取り込む地域活性・連動型不動産ビジネス
- 救え!おかず、弁当難民!古民家(空き家)を活用した地域唯一の手作り惣菜と居場所カフェ
- 青森県内における食品衛生と感染症の予防に関する適切な現場指導型コンサルタント
- 公的な支援施策の情報検索支援・マッチングサービスの情報サービス事業
- 地本食材を使用したコース料理主体のレストラン開業
- 気仙沼産サメ肉の革新的活用方法による加工品開発と製造販売
- 地域住民の「家」のお悩み相談所となるコミュニティスペースを併設した不動産仲介事業
- 飛翔性昆虫の習性を用いた飼料生産及び食品廃棄物処理・リサイクル事業
- 地域の資源をフル活用 誰にでも優しい旅企画 最高のギフトを作ります。
- ピクニックカフェバー&山形初グランピング
- 地方創生・活性を担う地元企業支援と女性活躍支援事業
- 「高齢者へ福祉美容」「働く女性へ癒しビューティ」の空間を想像する美容サービスの展開
- 茨城フルーツの物産品の製造販売を行う会社を設立し事業継承を行う
- 地域の高齢者を食事から元気にする地域の惣菜屋「とりでり」の事業
- セーリングヨット型ドローンの研究・開発と事業化
- 栃木県さくら市フィオーレ喜連川における、人がわいわい集まるダイニングレストラン和伊和伊、新規開業
- 地域食材によるアイデア洋菓子の製造・販売と立地(総合病院そば)を活用した低糖カフェの展開
- 女性きき酒師による群馬の隠れた名酒と名食材のペアリングが楽しめる隠れ家Barの開業
- 富岡の養蚕絹文化を後世に繋いでいくテキスタイルデザインと絹織物の製作販売事業
- 教員用「授業研究支援システム」の開発・販売・運用
- みんなが笑って過ごせる知的障害者の自立支援事業
- 特産「栗」生産者と地場商業者の懸け橋となり、地域ブランドを向上させるための加工卸、商品企画、PR事業
- ウェブ旅程作成システムによる海外の旅行代理店向けサービス
- 仕事と遊びが両立できる宿泊型コワーキングオフィス「bizリゾート」
- ドローンスクールの設立および宿泊業との連携による地域活性化事業
- 焼鳥とワイン&ウィスキーを楽しむレストラン事業
- 防音性、遮音性に優れた扉の開発と製造、新規市場の開拓
- 潜熱蓄熱剤(高機能保冷剤)を医療・シニア分野へ用いて新しい価値を提供する事業
- 木質構造を中心とした構造からデザインまで一貫した建築設計事業
- 次世代型ものづくりを通じた企業の労働環境改善事業
- 地域貢献と人材育成を目的として、飲食店の空き時間を利用したこども用カフェ
- 子ども服紙型無料提供事業
- IoT宅配ロッカーを用いた物流宅配システムの構築
- 千利休の茶室「天正庵」その跡地を使い、小麦で人と人とが繋がるパン屋
- 川崎日進町(ドヤ街)を拠点に若手起業家のスタートアップとなり地域活性化につながるシェアオフィス事業
- 街中にいながら海岸沿いのテラスに来たようなプチ旅行気分を味わえるスープカレー屋さん
- 健康教育を目的とした女性と専門家・支援者をつなげるサービスの開発
- 「働きたい」「役立ちたい」「活躍したい」を叶えるデイサービス
- 西洋医学だけでなく東洋医学(鍼、漢方薬等)による治療を同時に行う動物病院の開業
- 飲食事業、アクティブ事業による蓼科湖周辺の活性化を実現
- トータルコーディネートを行い地域活性化コミュニティとなる美容室創業事業
- 日本の優れた生産技術・伝統工芸を活用したメンズ・レディースファッション事業の展開
- The bridge café between Japan and foreign countries~日本と外国とを繋ぐ架け橋カフェ~
- 現代を生きる女性向け“made in Shizuoka”シャツのデザインと販売
- 『おもてなしの心』をネットワーク化!女性の活躍できる社会の実現と、高齢社会の課題を解決!!
- インターネット販売を通し、地場産業である繊維製品の産地直販
- 地場産業のキャンピングカー関連業者との連携でさらなるキャンピングカー事業の発展と、災害対策にもすぐれた車中泊カーを作る。
- 未知の愛知雑穀を活かし広める!新食感食パン専門店及び地域活性化事業の展開
- 特別な調理器具でクリーンな場、気軽に贅沢な立ち食い天ぷら店
- 究極のセグメンテーション!ママによるママのための美容室創業と新需要創造
- 交通誘導や雑踏警備など2号警備業務を主体とした警備サービスを提供する事業。
- 新たな葬祭プランを提案、地域と共存するセレモニー運営事業
- 自分に正直に『好き』を追求するハード系パン専門店
- 猫にやさしい「キャットフレンドリー」な地域密着型動物病院の開業
- 「地産地消」をコンセプトに顧客要望に応じた料理の提供
- 火のある暮らしから「住まいづくり」を提案します
- シングル・マザーと海外を結ぶオンライン日本語学習システム
- 新しいカタチの和菓子提供
- 外国人観光客と地域店舗をつなぐIoTおもてなしサ―ビスの開発
- 老若男女+外国人が集うアコースティック専門ライブハウス
- 次世代環境対応型の鈑金塗装設備のある自動車整備工場
- 奈良北部におけるクラフトビール醸造所の創業
- 大和食材による日本の食文化「神饌」を世界に誇れる長寿飲食事業として実施
- ボルダリングジムを通じた選手の育成・輩出と地域の憩いの場の創設
- 光造型機、注型機などを活用した試作,設計事業の展開
- 社会課題の解決につなげる社会的インパクト投資及び社会的インパクト評価事業
- 光触媒加工のタオル、シーツの販売ならびに再加工業務
- 毛髪ミネラル分析による生活習慣病等の予防医療ビジネス
- サードプレイスビジネスの確立
- ほっと一息、オール三木市産食材の和食提供のカフェ
- 地域ならではの旬の食材を使い溶岩石窯で焼く、こだわりパンの提供
- シニア技術者によるオーダーメード次世代技術者養成校事業の展開
- 磯部蓮根と地域資源を活用した土産物商品の製造及び小売販売展開
- 海南と都会の『結び目』を担う農業ルネッサンスの創出
- 実家で生産した新鮮・安心・安全な野菜を使用したカフェ・バーの開業
- 花木の6次化事業(栽培・アレンジ・販売)による生花店経営
- 独創的理論に基づいた歯周病予防用電動歯ブラシの開発・販売
- 玉野市のイノシシ等を使用した、岡山県南ジビエ肉の流通・販売
- 社会人基礎力向上のための人財創成研修と雇用機会創出を目的とした小規模コールセンタの運営
- 空き家を活用した次世代シェアリング個室ジムのシステム提供
- 広島地鶏を使用した炭焼き料理を提供し、女性客、外国人観光客をターゲットとしたお店。
- 中心市街地に癒しと寛ぎの場を提供するフクロウカフェビジネス
- 岩国産蓮根を使用した新しいお土産物の開発と個性的な販売手法
- 有害鳥獣のお肉を利用した地域特産品の開発と販売
- 弊社開発商品ジアマジック(弱酸性次亜塩素酸水)を活用し、ミストアタック(専用の噴霧器)による次世代型室内空間強力除菌・消臭事業
- エネルギー環境循環型社会推進事業
- 愛媛県八幡浜市を拠点にした世界に通用するイノベイティブなAI(IT)ものづくり・サービスの創出
- 「交流拠点(ゲストハウス)」を運営して地元の菜園場商店街を活性化
- 糖質含有量の少ない大豆粉・おからなどの食材を使用し、糖質を抑え食物繊維を含む洋菓子製造販売の実施。
- 大人の男性専用のカット・白髪染め・育毛・セットが行える美容室
- 海外富裕層に特化した、九州域内への集客・長期滞在促進事業
- 漁業の高付加価値化(安定収益/省力化)に資するサービス
- 医療・健康をテーマにした国際交流
- 【レディース専門】オーダー衣料の企画・販売
- 夜間営業及び多目的レンタルスペースの併設による潜在顧客を開拓する事業
- 埋もれた伊万里市特産品の全国販売とそれを用いた自社商品の開発
- 新しい働き方を創り出せる長崎初のコワーキングスペースをオープン
- 結婚を望む独身男女に、自然な形で出会いの場を提供する、おせっかいおばちゃんのような飲食店
- 離島に於いて長崎県産のみを使用した新しい名産品の生産
- ストック活用と被災者再建サポートに特化した建築設計事務所
- 国内初となる成型インナー(インナーシャツ)の製造販売
- 自然豊かな阿蘇地域にて老犬ホーム及びペットの一時預かり事業
- 里山の懐かしさや和みを狩猟肉で伝える商品開発及び販路開拓事業
- 高齢者と障害者によるハイブリッドワークによる特産物開発フードビジネス事業
- 宮崎ラーメンの文化定着・発信基地創造事業
- 「寿司」を通じた日本食の伝統文化や魚食の普及活動の展開
- 子育て世代の女性のコミュニティーと観光振興・地域活性・移住支援の情報発信を兼ねた久米島初海カフェの実施
- クリエイティブの力でPRする女性のための広報コンシェルジュ
- 音楽・アートイベント・自転車に特化したカフェを併設した交流型ホステルの運営。
と感じたのではないでしょうか。
審査員の立場に立ってみれば、
平成29年の創業補助金では
平成29年5月8日~平成29年6月2日(電子申請は6月3日)の期間で公募を行ったところ、
応募総数739件、採択総数 109件でした。
となっていますから、
739件も、書類に目を通すのです。
1件に10分チェックしたとしたら、7390分、延べ123時間かかるということです。
ぶっちゃければ
- 1件1件しっかり見ることなんて不可能
- 事業テーマが興味なさそうなら、さっと見て次に行く
というのが、本音ですし、私が審査員していたとしても、絶対つまんなそうなタイトルなら飛ばすのは確実です。
ここでわかることは
- 事業テーマ
- 事業タイトル
が興味を持たせられなければ、中身は見ることもされず、審査落ち
ということです。
さらに細かく見ていけば
今後の市場拡大が見込まれるもの
「古民家(空き家)活用」
「高齢者へ福祉美容」
「セーリングヨット型ドローン」
「IoT宅配ロッカー」
社会的な問題意識の高いもの
「女性活躍支援事業」
「地方創生・活性」
「地場産業」
「毛髪ミネラル分析による生活習慣病等の予防」
技術性の高いもの
「エネルギー環境循環型社会推進事業」
「飛翔性昆虫の習性を用いた」
「糖質含有量の少ない大豆粉」
が採択されていることがわかります。
ステップ3.事業テーマと事業計画の骨子を作成する
「ステップ1」と「ステップ2」から考えると
- 新しい事業(今までにない事業)であること
- 雇用の創出が見込める事業であること
- 今後の市場拡大が見込まれるもの
- 社会的な問題意識の高いもの
- 技術性の高いもの
という「この補助金の審査基準」が透けて見えてきます。
創業補助金の申請書の1枚目は「事業計画書」ですから
- 事業テーマ名:30字以内
- 事業計画の骨子:100字以内
で表現しなければならないのです。
もう一度言いますが
ここで審査員に興味を沸かせられなければ、中身は見てももらえません。
必要があるのです。
と、ここであきらめたくなってしまうかたもいるかと思いますが・・・・
- 子育て世代の女性のコミュニティーと観光振興・地域活性・移住支援の情報発信を兼ねた久米島初海カフェの実施
と書いてあっても
(実際には知らないので、中身がどうかはわかりませんが)
- 中身は、それほど他と違いのないカフェかも知れません。
なのです。
不動産会社として起業しようとしていても
はじめは
とでも、書いておけば
実態は
だとしても、採択される可能性はあるのです。
そもそも、起業をしようとしているのですから
はじめから「なんらかの差別化」は考えているはずです。
そうでなければ、起業すべきではありません。
起業段階で考えている差別化のポイントを
多少盛りながら
話題のワードを付け加えて
事業テーマを審査員にとって魅力的に見えるものに仕上げる
必要があるのです。
ステップ4.事業内容は「差別化」「市場」「根拠」を重視
重要なのは「事業内容」の部分です。
事業内容の注意書きを見てみると・・・
①事業の具体的な内容について
事業の具体的な内容を、第三者に分かるように図表やグラフなども活用しながら記載してください。業種、業態、商品、サービス内容、ターゲット層、取り組みや提供方法など、業界の統計的なデータ等を用いた一般的な記載のみではなく、実施する事業の特徴を具体的に記載してください。
以下のポイントについても、留意して記載してください。
商品・サービスのセールスポイントは何か。どこに特徴があって、今までのものと何が違うのか。
その地域において期待されている需要に対して、既存の事業者では充足できていないと考えるポイントは何か。また、需要が顕在化していない場合は、どのような取り組みによって、需要の創造を行っていくのか。
原材料や商品の仕入れ計画、生産計画、価格設定、販売計画など本事業を継続的に実施していく上で必要となるもの及びそれらを実施する際の体制について、どのように考えているか。
本事業を行う上で想定される課題や問題点は何か。それに対し、どういう解決策を考えているか等。
上記の他、以下についても記載ください。
応募者が既に類似の事業を行っている場合は、既存の事業との相違点。
フランチャイズ契約を締結し行う事業の場合は、当該地域における類似事業と差別化している点
と書いてあります。
と思ってしまいますが・・・、わかりやすく「売り」をまとめる力も求められているのです。
勘違いしてはいけないのは
小さい文字で情報量を増やすことが解決策ではない。
ということです。
事業内容を書く時のコツ
「競合他社、既存事業との差別化ポイント=売り」をシンプルに描く
創業補助金の場合だけではなく、審査員が気にしているのは
- この事業の売りはどこか?
- 他の事業や競合他社と何が違うのか?
に尽きるといっても過言ではありません。
ここに独自性がないと、補助金をあげる根拠がなくなってしまうのです。
例えば採択例を見てみれば
- 仕事と遊びが両立できる宿泊型コワーキングオフィス「bizリゾート」
とあります。
これが
「コワーキングオフィス」しか書いていなければ
という審査員からの突っ込みが入ってしまいますが
- 仕事と遊びが両立できる宿泊型コワーキングオフィス「bizリゾート」
と書いてあることで
都内のシェアオフィスとの違いは
- 「宿泊機能をもっている」
- 「リゾートで働けるオフィス」
という差別化のポイントが説明しなくても、わかるのです。
市場規模、市場の伸びを入れ込む
- 高齢化社会
- 少子化
- 空き家問題
- 訪日外国人
・・・
など、補助金は全般的に社会問題を解決するものが望ましいとされます。
なぜなら、補助金を交付しても、社会問題に取り組む企業へあげる方が批判も、反発もおきないからです。
- 今後の市場成長性
- 社会問題の解決
という公共性の高いものが審査に通りやすいのです。
事業内容では
- 成長が見込める市場であること
- 巨大な市場規模があること
- 社会問題が加速している現状があること
を「数字・グラフ」で表現する必要があります。
客観的な統計データでないと、説得力がありませんから、具体性が必要になるのです。
前述した採択例であれば
仕事と遊びが両立できる宿泊型コワーキングオフィス「bizリゾート」
- リゾートホテルの空室化問題
- インターネットを活用した仕事場を選ばない経営者の増加
- 地方に人を呼び込む必要性(過疎化)
などに関連したデータが用意できるはずです。
実現できる根拠を示す
市場の必然性と差別化ポイントを明示できれば、あとは
という突っ込みを回避しなければなりません。
- 販売計画では、1顧客〇〇円で集客できる計画で、客単価〇〇円ですので十分利益がでます。競合他社の相場では〇〇円での集客実績があり、当事業よりも高い価格設定で成り立っているため、十分に達成可能な計画値だと考えています。
とか
- すでにシェアオフィスの事業をしていた会社での実務経験があり、会社員自体の顧客へプレ営業したところ50社から前向きな回答をいただいております。そのうちの5割が当初顧客として利用していただければ十分軌道に乗ります。
とか
「勝算があること」を伝えているのです。
審査員側が気にするのは
です。
補助金を交付する目的には
雇用の創出が見込める事業であること
というものがあったと思います。
雇用を創出するためには、利益を出して、会社が成長しなければなりません。
- 現実的にビジネスとして軌道に乗るのか?
- そのためのバックボーン(根拠・背景)がきちんとあるのか?
も、重要な判断材料となるのです。
ステップ5.具体的な計画を作成する
- 事業テーマ
- 事業内容
ともに、審査員が興味をもって、見てくれる状態になると、最後の関門は
- 事業計画
- 数値計画
です。
という部分を「計画の具体性」「数字の整合性」でチェックするからです。
例えば
1年目の売上目標:1800万円
とした場合
客単価:5,000円であれば
3600人の顧客が年間に必要になります。
顧客数は、リピートや口コミにともなって徐々に増えていくものですから、
1か月目:50人
2か月目:70人
・・・
と増えていって、合計3600人になる計画でなければなりません。
しかし、1か月目に50人のお客さん(買ってくれる人)を作るためには、100倍の5000人に商品やサービス知ってもらう必要があるかもしれません。
そのときの広告宣伝費はいくらになるでしょうか?
用意している集客方法は
- ビラの配布
- 折込チラシ
- ネット集客
・・・
どの方法で想定しているのでしょうか?
[ icon=”/wp-content/uploads/teacher_point_64_squ.png” name=”concierge” type=”l”]voice練り切れていない事業計画の場合は、数字上の整合性が取れない部分が出てきてしまうものなのです。
申請書の段階で突っ込まれなかったとしても、面接で突っ込まれる可能性が高いのです。
[/voice]ここで沈黙が続いてしまったら
と判断されてしまうかもしれません。
「周辺の店舗へのヒアリングでは、競合他社の客単価:5500円~6000円」
と申請書に書いてあれば
と面接で聞かれることもないのです。
- 事業計画
- 数値計画
というのは
その事業が本当に実現できるのか?
をチェックする場ですので
- 「計算の根拠」
- 「具体性」
- 「整合性」
が重要になってくるのです。
さらに言えば、創業補助金の場合は
- 雇用の創出が見込める事業であること
が目的になっているのですから
徐々に従業員数が増えていく事業計画が望ましいのです。
ステップ6.補助対象経費明細表を作成する
ここは、それほど審査上重要なポイントではありません。
ただし、経費は、経費明細表通りに使う必要があります。
補助対象外経費と補助対象経費を確認する
募集要項の中には必ず
- 補助対象経費
- 補助対象外経費
が細かく記載されています。
補助対象外経費を書いてしまったら
- 募集要項を確認していない
- 募集条件に合致していない
ことになるので、これが理由で採択されない可能性もあるのです。
適正な価格で申請する
- 補助金がもらえる
- 見積もりを取っていない
とした場合、
と思うのが当然です。
しかし、
補助金は使った金額分しか下りないもの
ですから
という経費は180万円分しか下りないのです。
はじめから、180万円で申告していれば、120万円分他の経費を入れる余裕ができたのに
「多めに書いたことで、枠を無駄に使ってしまった。」
のです。
多少、多くても、少なくても、構わないのですが、無理に持った数字ではなく、適正金額を記入する必要があります。
ある程度高額なものは、きちんと見積もりを取ってその金額を入れ込むことをおすすめします。
いっぱい経費をいれない
最終的に補助金が下りるときには、経費ごとに書類を用意しなければなりません。
それなりの手間になってしまいます。
ある程度、まとまった金額の経費に絞って、枠を使い切る申請の方が、後々労力がかからないのです。
ステップ7.補足資料を用意する
創業補助金の場合
提出書類の中に
補足説明資料 コピー1部 PDF
⇒必要に応じて添付が可能です。添付する場合はA4判片面印刷10枚程度までの印刷物
に限ります(A4判両面印刷やA3判の折りたたみは不可。ホチキス止め不可。)
というものが許可されています。
ということです。
残念ながら、補助金の申請書というものは
- エクセルフォーマット
- ワードフォーマット
のものが多く、プレゼンテーションには不向きのツールなのです。
その割に、補助金の審査でやっていることは、一般的なコンペと同じですから
- 審査員の興味を引かなければならない。
- 審査員にやさしく説明しなければならない。
のですから
- パワーポイント
- イラストレーター
などの提案書の方が向いているのです。
想像してみてください。
- ワードとエクセルだけの資料でできた申請書
- カラフルなパワーポイントでできた資料がある申請書
同じ内容だとしても、採用される可能性が高いのは後者ではないでしょうか。
人間は、そんなに短時間で文字だけの情報を読み込むことはできないのです。
と言っていいでしょう。
- 補助書類だから付けなくてもよい
- 別紙だから付けなくてもよい
それは、正しい認識ですが、それでは採択されないのです。
まとめ
補助金の審査では
- 申請書が審査のほとんどを占める重要なもの
と理解する必要があります。
採択されるための補助金の申請書の作り方
- ステップ1.補助金の目的を再確認する
- ステップ2.過去の採択例を分析する
- ステップ3.事業テーマと事業計画の骨子を作成する
- ステップ4.事業内容は「差別化」「市場」「根拠」を重視
- ステップ5.具体的な計画を作成する
- ステップ6.補助対象経費明細表を作成する
- ステップ7.補足資料を用意する
というものがあります。
ステップ1~7の流れの中に「むりやり」「整合性が崩れている」という点がなければ、採択される可能性は上がるはずです。
補助金の審査に通すためには
- 補助金を出す方の事業者
- 補助金を出す審査をする担当者
の目線に立って「何を求めているのか?」想像しながら、申請書を作ると良いでしょう。
「補助金の申請書って記載例をもとに書けばいいんでしょ?」