気を抜いてはいけない補助金の採択後の9つの注意点

man
「補助金がやっと採択してもらえた。万々歳だ!」

なんて、安心している方も多いかと思いますが、補助金は採択後にもいろいろ注意すべきポイントがあります。これらの注意点をおろそかにしてしまうと、補助金がもらえなくなってしまうのです。

注意点その1.補助金は後払い!資金調達、資金繰りが必要

補助金の受給までの流れを見てみると・・・

補助金の受給までの流れ

  1. 補助金が公募される
    補助金を募集している国や地方公共団体のウェブサイトに1週間~4週間程度、掲載されています。公募が終われば、公募終了となっています。
  2. 申請書類の提出
    指定された期日までに申請書類を用意して提出します。
  3. 書類審査
    提出書類が審査されます。
  4. 書類審査通過
    書類審査で大部分が振るい落とされます。
  5. 面接
    書類審査に通過したら、面接になります。面接も、審査の一環です。
  6. 採択決定
    補助金がおりることを採択といい、面接の審査もクリアすれば、採択決定です。
  7. 交付申請書の提出
    交付申請書を提出します。
  8. 交付決定
    交付決定通知書が送られてきます。
  9. 補助事業開始
    補助金の対象になる事業がスタートする形になります。
  10. 定期報告、巡回指導
    補助金によっては、定期報告書の提出や巡回指導があります。
  11. 実績報告書の提出
    補助事業の実績をまとめて報告書として提出します。
  12. 確定検査の実施
    報告書の内容通りに事業が実施されたのか、厳しく審査されます。
  13. 補助金の支給額の確定
    確定検査の結果を受けて、最終的な補助金支給額が確定します。
  14. 清算払い請求
    補助金を請求して、支払いが完了します。

となっています。

補助金というのは

  1. 採択された事業を開始する
  2. 経費を適正に使う
  3. 実績報告書を作る
  4. 検査ののち承認される
  5. 補助金が支払われる

という流れになるのです。

つまり、

事業をやってから、補助金が交付される = 後払い

ということです。

どうしても、補助金というと

man
「補助金をもらってから、そのお金を使って事業をスタートさせる。」

と思ってしまう方が多いのですが

concierge
「事業をスタートさせて、申告通りに事業を行ったことが確認できたら、補助金がもらえる。」

というものなのです。

1年後、2年後にやっと補助金がもらえることも少なくありません。

自己資金が潤沢にある場合は、問題ありませんが、そうでない場合には、補助金がもらえるまでの間は、別の方法で資金調達をする必要が出てきます。

注意点その2.経費は経費明細書通りに使わなければならない!

補助金というのは、採択決定後、約2週間程度で交付申請書の提出をしなければなりません。このときに「経費明細書」というものを提出します。

経費明細書例

「何にいくら使う予定なのか?」を補助金の申込時に明確に記載しなければならないのです。

man
「実際にやってみないと正確な数字はわからないよ。概算でいいんでしょ?」

と思ってしまう方が多いのですが

  • 経費明細書に記載している経費しか補助金は下りない
  • 経費明細書の内容の修正はほとんど認められない
  • 500万円の枠があったとしても、実際に使ったのが300万円であれば300万円に対してしか補助金は下りない

ものなのです。

これぞ、お役所仕事という感じですが、彼らも後から「違うことにお金を使っていた会社に税金を使った補助金を交付した。」ということになってしまうと大問題になってしまうため

補助金は経費明細書通りの内容で実際に使った金額のみ補助をする

というスタンスなのです。

concierge
だからこそ、採択後すぐに提出する経費明細書は、採択後を考えると非常に重要なものとなるのです。

経費明細書を作成するポイント

細かい経費は記載しない

経費の数が増えれば増えるほど、検査に必要な書類が増えてしまいます。

一つの経費に対して

  1. 見積書
  2. 相見積書
  3. 注文書
  4. 注文請負書
  5. 納品書
  6. 請求書
  7. 振込依頼書
  8. 通帳の写し

等の書類をまとめて管理して、検査しなければならないのですから

500万円の補助金に対して、1万円、2万円の小さい経費を積み上げていったら、書類の管理や申請コストで単体でみれば赤字にになってしまうのです。

少なくとも、数十万円以上の経費で、補助金の枠を埋める必要があります。

数が少なければ書類の管理も簡単になります。

適正価格で申告する

補助金の場合

実際に使った分しか補助金は支給されない。

というルールがあるため、正確な見積もりを取っていない経営者は

man
「余裕を見て、1.2倍ぐらい多めに経費を見ておこう!」

と考えてしまうかもしrません。

しかし、補助金には「枠」があるのですから

500万円の枠で、バッファーを見て経費を500万円積み上げたけれども、実際に相見積書を取って安い業者を探したら、300万円になってしまった。

という場合には、300万円しか補助金はもらえないのです。

せっかく、500万円の枠をもらったのに、これでは、60%しか活用できていないのです。

補助金は、多少足が出て、その分は持ち出しになっても構わないから、適正価格に近い金額で申請する方が有利になる

ということなのです。

注意点その3.補助金の交付決定通知書の到着までは事業を開始してはいけない!

補助金は、交付決定通知書が送られてくる前に事業をスタートしてしまうと、補助対象外になってしまいます。

順番としては

  1. 補助金の採択決定
  2. 補助金の交付決定通知書の到着
  3. 事業スタート

であれば、補助金はもらえますが

  1. 補助金の採択決定
  2. 事業スタート
  3. 補助金の交付決定通知書の到着

とか

  1. 事業スタート
  2. 補助金の採択決定
  3. 補助金の交付決定通知書の到着

では、補助金の補助対象外になってしまうのです。

man
「事業スタートって、どこまで事業の範囲になるの?」
  • 営業
  • 発注
  • 契約

などは、事業を開始したことになってしまいます。

見込客に対して、口頭で営業するぐらいであれば、証拠がありませんから、補助金の交付決定通知書の到着前であっても大きな問題にはなりませんが・・・・

  • 補助金の交付決定通知書の到着前に発注をしてしまった。
  • 補助金の交付決定通知書の到着前に契約をしてしまった。

ということになると、補助金の検査に必要な書類に日時が記載されてしまうので、補助金が下りない可能性が高いのです。

補助金の交付決定通知書の到着までは、具体的な事業を開始する行為は避けるべきなのです。

注意点その4.経費明細書の提出時に見積もりが必要な補助金もある!

  • 補助金の交付決定通知書の到着 → 交付申請書(経費明細書)の提出

までは、2週間程度しか時間がありません。

しかし、補助金によっては

経費明細書の提出時に見積もりが必要

というものもあります。

採択決定後から、急に見積もりの準備に取り掛かっても・・・

見積もりを取るためには

  • 仕様の決定
  • 業者の選定

が必要になります。

仕様を決定するためには、その前の事業計画が詳細計画レベルに落とし込む必要があります。

さらに業者側の都合やスケジュールもありますから

concierge
2週間で見積もりを取るというのは、簡単なことではないのです。
事業スタートは、交付決定通知書の到着後に行わなければなりませんが、見積もりの準備は、採択前に進めておかなければ間に合わないのです。

前述した通りで、時間がないからといって

  • 見積もりを取らない
  • あいまいな仕様で見積もりを取る
  • 相見積もりをしない

という形になってしまえば、補助金の枠を有効に活用できなくなってしまうのです。

注意点その5.膨大な「補助金の手引き」を理解する必要がある

補助金が採択されると、説明会で

  • 採択後の流れ
  • やるべきこと
  • 「補助金の手引き」の配布

などが行われます。

数百ページの辞書レベルの「補助金の手引き」はそう珍しくありません。

これは申請時のガイドラインとは比較にならない量なのです。

大量だからといって

  • 「補助金の手引き」に書いてある注意点を読まない
  • 「補助金の手引き」に書いてある注意点を流して読むだけ
  • 「補助金の手引き」に書いてある注意点を理解できない

状態のまま、事業をスタートさせてしまうと

後から

「補助金の手引き」に違反しているので、補助金はおりません。

という結果になりかねないのです。

concierge

結局、ここの労力は馬鹿にならないものですので、不安な方は、数多くの補助金申請をこなしている専門家に依頼した方が、要点のみ説明してもらえるので楽なのです。

補助金申請代行会社、税理士、会計士、資金調達コンサルタントなどの役割は「補助金を採択させるまでが仕事」と思ってしまう方も多いのですが「採択後の補助金を受け取るまでのフォロー」も重要なポイントになってくるのです。

注意点その6.補助対象外の経費について理解する

補助金には「補助対象外の経費」というものがあります。

これは補助金によって異なりますが

例:革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金

以下の経費は補助対象となりません。

  • 補助金交付決定日よりも前に発注、購入、契約、または事業期間終了後に納品、検収等を実施したもの(事業者が指定した国内の事業実施場所に引き渡されないもの)
  • 事務所等にかかる家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
  • 電話代、インターネット利用料金等の通信費(クラウド利用費に含まれる付帯経費を除く)
  • 商品券等の金券
  • 文房具などの事務用品等の消耗品代、雑誌購読料、新聞代、団体等の会費
  • 飲食、奢侈、娯楽、接待等の費用
  • 不動産の購入費、自動車等車両の購入費・修理費・車検費用
  • 税務申告、決算書作成等のために税理士、公認会計士等に支払う費用及び訴訟等のための弁護士費用
  • 収入印紙
  • 振込等手数料(代引手数料を含む)
  • 公租公課(消費税及び地方消費税額(以下「消費税等」という)等)
  • 各種保険料
  • 借入金などの支払利息及び遅延損害金
  • 補助金事業計画書・申請書・報告書等の事務局に提出する書類作成・送付に係る費用
  • 連携体内の補助事業者間の取引によるもの(機械装置の売買代金や賃借料等)
  • 汎用性があり、目的外使用になり得るもの(例えば、事務用のパソコン・プリンタ・文書作成ソフトウェア・タブレット端末・スマートフォン及びデジタル複合機など)の購入費
  • 中古市場においてその価格設定の適正性が明確でない中古品の購入費
  • 上記のほか、公的な資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費

となっています。

例えば

  • 補助金を申請した事業で利用するパソコンを購入する場合

そのパソコンは、ほかの目的でも利用できる可能性があるので、補助対象外なのです。

「補助対象外の経費」を経費明細書に記載しても、認められない可能性が高いのです。

注意点その7.経費に対する証拠を残す

何度も言いますが、補助金は

  1. 採択
  2. 経費明細書の提出
  3. 事業スタート
  4. 実績報告書の提出
  5. 検査
  6. 補助金がもらえる

という流れになるので「検査」をくぐり抜けなければなりません。

「検査」をくぐり抜けるためには

  • 経費明細書通りの確実な事業の実行

が必要になります。

設備の購入など、物の購入と書類があるものはそれほど問題にはなりません。

一つの経費に対して

  1. 見積書
  2. 相見積書
  3. 注文書
  4. 注文請負書
  5. 納品書
  6. 請求書
  7. 振込依頼書
  8. 通帳の写し

等の書類をまとめて管理して、経費明細書との違いがなければ「検査」で問題視されることは少ないのです。

しかし、

  • 原材料費
  • 人件費
  • 調査研究費

などの場合

  • 原材料費 → 実際に使った分しか補助金は下りない
  • 人件費 → 本当に働いているのか?
  • 調査研究費 → 実際に調査をしているのか?

などの疑念を回避する「証拠」が必要になるのです。

原材料費の証拠の作り方

  • 補助対象物件受払簿を作る
    • 使用実績
    • 使用目的
    • 使用年月日
    • 使用量
    • 使用者
    • 印鑑

※イレギュラー対応がある場合は、その時の現場写真などを残す必要があります。

人件費の証拠の作り方

  • 業務日誌・日報を作る
  • 出勤日には毎日、業務日誌・日報で記録させる
  • 出勤簿、タイムカード、その他の議事録などと整合性が取れるようにする

※「タイムカードは記録されていないのに日誌は出ていることになている。」というような整合性がない場合には、「ねつ造・改ざん」が疑われ、検査で大きく問題視されることになってしまいます。整合性がずれないようにチェックしましょう。

調査研究費の証拠の作り方

  • 現場写真を撮る(実施前、実施中、実施後)
  • 報告レポートを詳細に作る
  • 時間、日時ごとにメモを残す
  • データや図面、ものなどを残す
concierge
2重、3重に証拠を残しておけば、検査の段階で突っ込みが入ったとしても、別の証拠によって、正しいことを証明することができます。「証拠」がなければ、経費が補助金の対象として認められないことになってしまいます。

注意点その8.補助金で購入する機械・設備を補助対象事業以外に利用していけない

補助金で購入した機械・設備を他の事業に使うのは、禁止です。

「補助金で買った設備を他の研究開発で使われてしまう」

という行為は、補助金の本来の目的からずれてしまうからです。

これを認めてしまうと、悪用する方が増えてしまうため、補助金の対象事業で購入した設備・機械・装置などを他の事業に転用してはいけないのです。

ただし、補助事業の終了後、補助事業の成果を生かした事業に活用する場合は、申請をした上で認められます。申請をしなければならないので注意しましょう。

注意点その9.補助事業終了後も、報告や検査がある

補助事業を実行して、補助金を受け取った。

というところで終わりだと思ってしまう方も少なくありません。

しかし、補助金は

  • 補助事業終了後、5年間、毎年「補助事業の成果」と「経営状況」について報告書を提出しなければならない

義務があります。「企業化報告書」「企業化状況の実態把握調査票」がこれにあたります。

また、補助金の使途や経理状況など、会計監査員が実施検査をするケースもあります。

concierge
それほど、負担が大きいものではありませんが、補助金が振り込まれた後も、補助金のチェックが入る可能性があることに注意が必要です。

まとめ

気を抜いてはいけない補助金の採択後の注意点まとめ

  1. 注意点その1.補助金は後払い!資金調達、資金繰りが必要
  2. 注意点その2.経費は経費明細書通りに使わなければならない!
  3. 注意点その3.補助金の交付決定通知書の到着までは事業を開始してはいけない!
  4. 注意点その4.経費明細書の提出時に見積もりが必要な補助金もある!
  5. 注意点その5.膨大な「補助金の手引き」を理解する必要がある
  6. 注意点その6.補助対象外の経費について理解する
  7. 注意点その7.経費に対する証拠を残す
  8. 注意点その8.補助金で購入する機械・設備を補助対象事業以外に利用していけない
  9. 注意点その9.補助事業終了後も、報告や検査がある

というものがあります。

補助金は、税金などを利用した公的なものですので

  • 国や地方公共団体の政策を推進するためにきちんと使われているのかどうか?

のチェックが厳しいのです。

concierge
「適切な目的で使われているのかどうか?」の検査があることを頭に入れて、採択決定直後から、対策をする必要がります。補助金は「お金をもらえるお得なもの」であることは間違えありませんが、対応方法を間違えると「補助金がもらえない」自体になってしまいますので、注意点をしっかり理解する必要があります。

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