銀行融資の種類「当座貸越」とは?

銀行融資による資金調達では銀行融資の種類についても把握しておく必要があります。今回は銀行融資の種類「当座貸越」について解説します。

「当座貸越」とは?

「当座貸越」とは

一定の限度額(極度額)までは自由に借りたり、返したり、することができる融資方法のこと

を意味します。

個人向けのカードローンなども同じ仕組みになっていますが、限度額(極度額)が設定されて、その範囲内で自由に借りたり、返したりたりができるサービスになります。

これの融資バージョンが「当座貸越」です。

「当座貸越」の特徴

自由度が高い融資なので借りる企業にとっては便利な資金調達方法

通常の銀行融資であれば、資金が必要になった際には、都度審査が発生します。

しかし、「当座貸越」であれば限度額(極度額)の範囲内で自由に資金の出し入れが可能になるため

  • 急に大口の売上が立って高額な資金需要が発生した。
  • 外部環境の大きな変化による著しい売上減が発生した。
    ・・・

というような緊急事態でも慌てることなく、すぐに資金調達が可能になるのです。都度審査も必要ありません。

借りる企業にとっては「当座貸越」は非常に便利に使える資金調達方法なのです。

「当座貸越」は審査が厳しい

借りる企業にとって便利ということは、融資をする銀行にとってはリスクが大きいことを意味します。

極端に言えば、都度審査がないということは

  • 資金使途もわからず
  • 期限なしで借りっぱなしになる可能性もある

状態なのです。

貸し倒れリスクが高いということは、それだけ融資審査が厳しくなるということを意味します。

  • 不動産担保が十分にある企業
  • 流動資産が十分にある企業
  • 経営状態が超優良企業
    ・・・

などに利用できる企業は限られてしまうのです。

ATMで借入可能!?

「当座貸越」で資金調達する方法には

  1. 銀行に借入申込書を提出する方法
  2. 専用のキャッシュカードでATMから引き出す方法

の2つがあります。キャッシュカードの方が利便性は高くなります。

「当座貸越」で銀行融資を受ける際の注意点

「当座貸越」は2種類ある

当座貸越は

  1. 専用当座貸越
  2. 一般当座貸越

の2種類があります。

「専用当座貸越」は独立した「当座貸越」になり、当座預金とは関係なく、利用することができます。

一方で「一般当座貸越」は「当座預金」と連動して貸越額が決まるものです。

一般当座貸越の場合

  • 当座貸越の極度額:2500万円
  • 当座預金残高:300万円

で1000万円の融資を受けようとしたら、自動的に当座預金残高が0円になり、残りの700万円分が当座貸越分で借りることになります。

当座預金残高と連動しない → 専用当座貸越
当座預金残高と連動する  → 一般当座貸越

です。

基本的には当座預金を利用している企業が、一般当座貸越を利用する方が銀行の融資審査は通りやすくなります。

まとめ

「当座貸越」は一番審査が厳しい銀行の融資方法と言えます。

審査が厳しいため、中小企業の資金調達方法としては利用しにくいものとなってしまいます。中小企業の場合は、「当座貸越」と同じような仕組みで資金調達をするとなると、金利は高いものの審査が通りやすい「ビジネスローン」が選択肢になります。

注目の資金調達方法

資金調達

資金調達方法には何がある?資金調達方法31種類のメリットデメリット

資金調達方法の種類を徹底網羅して解説しています。資金調達方法は、思っている以上に多くの種類があり、資金調達方法ごとにメリットデメリットが存在します。中小企業であっても、使える資金調達方法は多くあるので、まずは「どのような資金調達方法があるのか?」把握することをおすすめします。資金調達の選択肢を知ったうえで、メリットデメリットを確認し、自社の状況に合わせた資金調達方法を選びましょう。

銀行融資

銀行融資のすべて。銀行融資を成功に導く申込方法・融資の引き出し方・交渉方法と銀行融資審査

銀行融資は、資金調達の基本中の基本です。そのわりに「銀行からどうやって融資を引き出すのか?」「銀行融資の審査は何を審査しているのか?」「銀行の融資担当者と交渉するときはどうすれば良いのか?」正確に理解している中小企業の経営者はほとんどいないのが現状です。銀行を味方につけることで、企業の資金繰りは何倍も楽になり、会社規模を成長させることができるのです。

ビジネスローン

ビジネスローンを活用した資金調達方法のすべて/130社比較・即日融資・無担保・審査

ビジネスローンは、以前は銀行ビジネスローンが主流でしたが、銀行は貸し倒れの増加に伴いビジネスローンの提供に対してかなり消極的になっています。現時点ではビジネスローンは、大手消費者金融が提供するローンサービスであり、銀行融資よりも、「審査が甘い」「即日融資が可能」という点で中小企業の経営者に重宝される資金調達方法となっています。金利が高いなどのデメリットもあるため、短期の資金繰りを乗り切るための選択肢として考えましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは?融資審査に通らない方のための資金調達方法

ファクタリングは、売掛債権を譲渡することで早期に資金化する資金調達方法のことを言います。ファクタリングの場合は、審査対象が資金が必要な会社ではなく、売掛先になります。そのため、銀行融資やビジネスローンよりも、売掛先の信用力が高ければ審査に通りやすいメリットがあります。その上、ファクタリングは「債権の譲渡」でしかないため「借入」として決算書に掲載されないので、今後の銀行取引にもマイナスの影響がありません。

不動産担保ローン

不動産担保ローンを活用した資金調達方法のすべて。審査や金利、借り換え方法を比較

不動産担保ローンは、文字通り、土地、マンション、ビル、店舗、工場、戸建てなどの不動産を担保に資金を調達する資金調達方法のことを言います。無担保のビジネスローンと比較すると担保がある分、「高額な借り入れが可能」「数十年単位の長期間の借り入れが可能」「審査が通りやすい」というメリットがあります。ただし、返済できなければ担保である不動産を失ってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。

資金調達でおすすめのビジネスローンはこちら
ビジネスローン
資金調達でおすすめの不動産担保ローンはこちら
不動産担保ローン
資金調達でおすすめのファクタリングはこちら
ファクタリング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

資金調達のコンサルティング、資金調達のサポート事業を行っています。銀行融資から、担保融資、ビジネスローン、不動産担保ローン、ファクタリングまで、様々な資金調達方法を紹介し、資金繰りの改善をお手伝いしています。実際に私が経営している会社でも、様々な方法で資金調達を実現させました。