銀行の融資で資金調達する際には、一体どのくらいの金利が適用されるのか?わかりません。今回は銀行の融資の金利の決め方について解説します。
銀行融資の金利は2種類の決め方がある
1.自動的に決まるパターン
公的融資の場合
- 地方公共団体の制度融資
- 国民生活金融公庫
- 中小企業金融公庫
・・・
などの公的融資の場合は固定金利が採用されているため、あらかじめ「○○%」という金利が決まっています。
固定金利ですから、交渉しようが何をしようが、金利は決まっているのです。交渉の余地はありません。
ビジネスローンの場合
ビジネスローンは申込情報、信用情報、決算書の情報をスコアリングシステムに入力すると、過去の膨大な融資データから、想定される貸し倒れ率が計算され、それに銀行のスプレッド(利益)を載せて、融資金利が決まります。
ビジネスローンは企業の信用力によって、適用金利が異なるものの、自動的にスコアリングシステムで算出されるものであり、交渉の余地はないのです。
- その金利で納得 → ビジネスローンで資金調達する
- その金利が不満 → ビジネスローンは断る
だけです。
2.交渉により決まるパターン
銀行融資の場合
- 銀行のプロパー融資
- 信用保証協会の一般保証の融資
・・・
の場合は、銀行の融資担当者の企業が交渉したうえで金利が決定します。当然、限度、幅はあるものの交渉によって、融資金利を引き下げることができるのです。
洋服に例えるなら
- ビジネスローンは規制品
- 銀行のプロパー融資はオーダーメイド
ですので、オーダーメイドの方が融通が利くのです。
金利交渉ってどうやってやるの?
- 銀行 → できるだけ高い金利で利息収入を得たい
- 企業 → できるだけ低い金利で資金調達をしたい
という状況で、これだけだと交渉は成り立たないのですが
同時に銀行には「貸出を増やさなければいけない」というミッションもあります。ライバル銀行に融資を奪われるのも、嫌なのです。
だとすれば
- どれだけ売上・利益が伸びているかを説明する
- どれだけ返済実績があるかを説明する
- 競合の銀行と交渉してそのときの金利を材料にする
- 担保や保証人を追加する
- 返済期間を短くする(毎月の返済額を上げる)
・・・
色々な方法によって、金利の交渉ができるのです。
通常のビジネスの交渉となんらかわりはないのです。
銀行との交渉力を引き上げるポイント
色々な銀行の担当者と商談の場を設けることです。
面倒くさいからといって、ずっと同じ銀行、ずっと同じ担当者では、比較する相手がいないのですから、交渉力は一向に上がりません。
A銀行、B銀行、C銀行、D銀行で、さらに担当者や支店長など担当ごとに打ち合わせをしていれば、おのずと
- 「銀行は融資に対して何を重視しているのか?」
- 「うちの会社に融資する金利はどのくらいが相場なのか?」
- 「どういう交渉トークがささるのか?」
・・・
がクリアになってくるはずです。何事も、比較することで交渉のとっかかりを見つけることができるのです。
まとめ
資金調達の方法に応じて「金利交渉の余地があるのか?」「金利交渉の余地がないのか?」が決まってきます。
- 金利交渉の余地があるのに交渉しない
- 金利交渉の余地がないのに交渉する
どちらも、非常に無駄なことです。とくに金利交渉の余地があるのに交渉しないのは、どれだけ利息
を多く支払うことになるのかわかりません。
選んだ資金調達方法が金利交渉の余地があるのか?ないのか?を理解したうえで、それに応じた対応を取りましょう。
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