「社内預金制度」による資金調達方法は中小企業でも可能

youngman128_128資金調達方法の中で「社内預金制度」があります。今回は「社内預金制度」について解説します。

「社内預金制度」とは

従業員の任意の意思によって、自らの給与の一部を会社に預貯金として預ける仕組みのこと

を言います。

会社から見れば

社員から会社の運営資金を調達する資金調達方法のこと

ということになります。

「社内預金制度」は上場企業の多くが採用している直接金融による資金調達方法ですが、中小企業でも利用することが可能な資金調達方法です。

「社内預金制度」導入の法定要件

  1. 労使協定を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出る。労使協定は労働組合か、それに代わる労働者代表と行う
  2. 労使協定で預金者の範囲や預入限度額、預金の利率および利子の計算方法、預金の保全方法などを定める
  3. 貯蓄金の管理に関する規定を作成し、これを従業員に周知徹底する
  4. 利子をつける
  5. 被使用者から請求があった場合は、遅滞なく貯蓄金を返還する

「社内預金制度」の従業員から見るメリット

利息が高い

今や銀行の定期預金に預けても、年率0.10%でも高金利という状態になっています。当然、銀行預金の場合は元本が保証されるという安心感はあるものの、この金利では利息はATM手数料で吹き飛んでしまうレベルなのです。

社内預金の場合には企業側の設定金利次第ですが、年率3.0%~10.0%という高金利が期待できます。また、経営破たんリスクについても、自分が勤務している企業ですので、どのくらい経営破たんリスクがあるのかは、第三者よりも把握するのは容易なのです。

「社内預金制度」の従業員から見るデメリット

元本保証されない

企業は預金残高について信託銀行や信託会社との信託契約を結んだり、質権・抵当権を設定したりするなど、何らかの保全措置を講じる義務があると法律で定められています。

しかし、会社更生法では、共益債権の範囲が「更生手続きが始まる前6ヵ月間の給料の総額」か「預金額の3分の1」に制限されているため、元本保証にはならないのです。企業側の保全措置の内容次第で元本保証になる可能性もありますが、ならない可能性もあるのです。

「社内預金制度」の会社から見るメリット

銀行融資やビジネスローン金利よりも低金利で調達が可能

社内の預金制度の金利は会社側が設定することができます。当然、銀行融資やビジネスローンなどで資金調達する金利より低金利に設定しても、銀行の定期預金金利よりは高くなるため、従業員にもメリットが出ることになります。社内預金制度を従業員が使ってくれれば、資金調達が低金利でできることになるのです。

会社への帰属意識が強くなる

当然、社内預金制度にお金を出している従業員は、経営破たんさせないように、金利の支払いが続くように、会社に貢献する意識が以前よりも高くなります。仲間意識が強くなるメリットがあるのです。

銀行よりも安定した資金調達が可能

銀行などの金融機関の場合は、経営が悪化したときには「引きはがし」など融資を引き上げてしまう動きを取ることがあります。しかし、従業員の場合は経営悪化時にも、安定して出資してくれる可能性が高いのです。

節税メリットがある

従業員へ支払う利息に関しては経費計上が可能です。つまり、法人税の節税になるのです。

「社内預金制度」の会社から見るデメリット

資金保全のコストが発生する

前述した通りで、従業員からの預金残高については何らかの保全措置を講じる義務があると法律で定められています。信託銀行と信託契約をするにしろ、コストが発生するので利息以外のコストというデメリットがあるのです。

まとめ

中小企業であっても、社内預金制度は法定要件さえ満たせば導入することができる資金調達方法です。

会社にとっては

  • 低金利の調達が可能になるメリット

従業員にとっては

  • 高金利での預金が可能になるメリット

があるため、デメリットもありますが、双方WIN-WINの関係になれる資金調達方法と言えます。安定した長期の経営資金の調達方法としておすすめの方法です。

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