在庫を担保にした資金調達方法「ABL」とは

track128_128在庫を担保として融資を受ける資金調達方法に「ABL」という手法があります。今回は「ABL」について解説します。

「ABL」とは

「ABL(Asset Based Lending)」とは、不動産担保などを持たない企業が「在庫」「売掛債権」「動産」などを担保にして資金調達を受ける仕組みのこと

です。

金融機関は動産を担保に融資を行います。

「ABL」の仕組み

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シンプルな仕組みで企業が「在庫」「売掛債権」「動産」を担保として提供する代わりに金融機関から融資を受けることが可能になります。

ABLの場合は、動産を担保にされても、そのまま通常の営業活動が可能になります。販売もできるので通常の経営には影響はありません。

また、ABLの場合は、担保価値以上に事業の継続性を重視する融資方法となっています。借り手は担保物件の状況を定期的に報告する一方、金融機関は経営状況や担保の動産の状況を把握して、必要に応じてコンサルティングを行う形を取ります。

在庫などの動産は季節や販売状況、担保価値の変動など様々な要因によって変動するため、金融機関は逐一モニタリングして状況把握をするのです。

担保価値に重きが置かれる不動産担保融資などとは違い、ABLの動産担保融資では事業継続が重視され、金融機関はコンサルティングやモニタリングをしながら事業継続を重視するのです。これもABLのメリットと言えます。同時に現状の事業活動に問題がある場合には在庫等の販売・処分への制限を加えるなど、事業の監視を強化する可能性もあるのです。

在庫を担保にするというのはどういうこと?

動産譲渡登記というものが東京法務局で可能になります。

動産を担保として登記することができるのです。ただし、法人に限るため、個人事業主の場合はABLは利用することができません。

動産譲渡担保の種類

  • 個別動産:動産の種類および特質によって特定する方法
  • 集合動産:動産の種類および所在によって特定する方法

です。

具体的な例で言うと

集合動産にしておけば、倉庫に搬入した時点で在庫が動産として担保になります。

販売で顧客に売却された場合には、顧客へ商品は配送されることになるため、倉庫から出ていくと同時に動産担保から外れることになるのです。

この方式であれば、売れ残った在庫分だけが動産の担保になるため、通常の営業活動には支障が出ないのです。

「ABL」のメリット

事業の継続・発展を重視する融資方法

「ABL」では動産を担保にするため、貸し手である金融機関としても

「売上を上げて在庫・設備を増やしてくれれば融資枠が広がり、利息収入が増える」

というメリットがあり、事業の継続・発展を重視する融資方法となっています。そのため、借り手である企業へ融資をして貸したままというのではなく、定期的なレポートに対して的確にコンサルティングを行う必要性があるのです。

仕入れ価格の高騰にも対応できる融資方法

ABLは在庫を担保にする融資方法です。

通常、仕入れである商品が世界的な相場によって高騰した場合に、仕入れ価格が上昇し、経営がひっ迫してしまうものですが、ABLの場合は仕入れ商品の担保価値が上がるということは融資枠を広げられるということにもつながるのです。

世界的な経済情勢による仕入れ価格の高騰リスクにも対応できる資金調達方法なのです。

「ABL」の利用例

  • トラックなどを多数保有する運送業者の資金調達
  • クリーニング設備を保有するクリーニング店
  • 医療機器を保有する病院・クリニック
  • 農作物を育てる農家
  • 貴金属やブランド品を販売するお店
    ・・・

さまざまな事業者が活用できる可能性があります。

とくに保有する動産の総額が大きい事業を営む会社ほど、「ABL」の活用によって資金繰りが改善できるのです。

仕入れ在庫の金額が高額なために資金繰りに苦しんでいる法人経営者の方はABLも検討する価値がある資金調達方法です。

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