クラウドファンディングによる資金調達方法とは?クラウドファンディングによる資金調達の種類と活用すべき法人とは?

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「クラウドファンディングって何?」
「クラウドファンディングで資金調達って本当にできるの?」
「クラウドファンディングの種類を教えてほしい。」
・・・

資金調達方法の選択肢として、徐々に「クラウドファンディング」「ソーシャルレンディング」と言ったものが増えてきている印象です。今回はクラウドファンディングによる資金調達方法について解説します。

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングとは

「こんなモノやサービスを作りたい」「世の中の問題を、こんなふうに解決したい」といったアイデアやプロジェクトを持つ起案者が、インターネットを通じて、世の中に呼びかけ共感した不特定多数の方から広く資金を集める方法のこと

を言います。

個人でも、クラウドファンディングは利用できますし、法人が会社の起業資金、運転資金、新規事業の立ち上げ資金として利用することもできます。

クラウドファンディングの特徴は

  1. プロジェクトに共感した不特定多数の方から投資・支援を集めること
  2. リターンの形は決まっていない。金銭でも、特典でも、リターンなしというケースもある

という2点が挙げられます。

リターンの形によって、クラウドファンディングは

  1. 購入型クラウドファンディング
  2. 寄付型クラウドファンディング
  3. 融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
  4. 投資型クラウドファンディング

の4つに分類されます。

購入型クラウドファンディングとは?

購入型クラウドファンディングとは

支援者・投資家へのリターンの形が「商品」「サービス」のクラウドファンディングのことを「購入型クラウドファンディング」と言います。

「今までになかった新しい商品を作りたい。だけれども、商品を開発・生産する資金がない。支援してくれたら、商品ができたときに支援額に応じて、商品を提供します。」

という形のプロジェクトが多いです。

購入型クラウドファンディングの例:CAMPFIRE

2018年11月27日時点

支援総額の多いプロジェクト
支援総額の多いプロジェクト
ラジオ局が本気で作る、今までにないラジオ【Hint(ヒント)】
ラジオ局が本気で作る、今までにないラジオ【Hint(ヒント)】

現在の支援総額:30,455,500円
目標金額:13,000,000円
パトロン数:1,250人
募集:終了

リターン例

ラジオ局が本気で作る、今までにないラジオ【Hint(ヒント)】

21,500円:Hintラジオ1台(税込・送料込)をお送りします

伝説のポートレイトレンズ・Petzvalをボケ調節機能を備えた58mmレンズに!
伝説のポートレイトレンズ・Petzvalをボケ調節機能を備えた58mmレンズに!

現在の支援総額:15,043,000円
目標金額:1,000,000円
パトロン数:244人
募集:終了

リターン例

伝説のポートレイトレンズ・Petzvalをボケ調節機能を備えた58mmレンズに!

6,000円残り:【DIY一眼レフカメラキットKonstruktor付属】New Petzval 58 Bokeh Control Art Lensの真鍮ゴールドと自分で組み立てる35mmフィルム

購入型クラウドファンディングのクラウドファンディング事業者

購入型クラウドファンディングでの資金調達に向いている法人

  • 今までになかった商品
  • 今までになかったサービス

の開発資金・生産資金・運用資金として、資金調達をする場合に「購入型クラウドファンディング」がおすすめです。

寄付型クラウドファンディングとは?

寄付型クラウドファンディングとは

「寄付」ですから、リターンがない形のクラウドファンディングになります。
  • 被災者支援
  • ボランティア活動
  • まちおこし
  • 地域活性化

など、社会貢献が基軸となったプロジェクトが多いです。

リターンは、お礼のハガキ、メールのみという形がほとんどです。

寄付型クラウドファンディングの例:CAMPFIRE

【京都 建仁寺塔頭両足院】自然環境モニタリングでIoTを活用・心呼吸プロジェクト
【京都 建仁寺塔頭両足院】自然環境モニタリングでIoTを活用・心呼吸プロジェクト

現在の支援総額:10,020,000円
目標金額:8,000,000円
パトロン数:142人
募集:終了

リターン

【京都 建仁寺塔頭両足院】自然環境モニタリングでIoTを活用・心呼吸プロジェクト

寄付型クラウドファンディングのクラウドファンディング事業者

購入型クラウドファンディングと同じ

寄付型クラウドファンディングでの資金調達に向いている法人

  • 社会的意義の強い事業
  • 利益を目的としない事業

の資金調達をする場合に「寄付型クラウドファンディング」がおすすめです。

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)とは?

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)とは

クラウドファンディング事業者が、利回りの高い資産運用をしたい不特定多数の投資家から融資という形で資金を集めて、借り手企業へ融資をする形のクラウドファンディングのことを言います。ソーシャルレンディングとも呼ばれています。

投資家からしてみると、数万円という少額から、利回り年率5%~10%という高い収益率で事業融資に参画できるメリットがあり、事業者から見ても、銀行から融資を受けにくい事業に対しての資金調達が可能になります。

ただし、投資家から見ても、担保がない事業には融資がしにくいため、多くの融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)では「不動産担保型」がメインになっています。

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の例:maneo

2018年11月27日時点

ローンファンド 案件数 利回り 募集額 運用期間 担保 返済方法 投資可能 残り 状況
不動産担保付きローンファンド1890号(案件1:C社、案件2:AN社) NEW 不動産担保付きローンファンド1890号(案件1:C社、案件2:AN社) 2案件 5.30% 1,305万円 14ヶ月 3万円~ 623万円  52%
事業性資金支援ローンファンド1404号(案件1:FL社、案件2:AN社) NEW 事業性資金支援ローンファンド1404号(案件1:FL社、案件2:AN社) 2案件 9% 5,005万円 12ヶ月 4万円~ 2,982万円  40%
事業性資金支援ローンファンド1396号(案件1:FG社、案件2:AN社) NEW 事業性資金支援ローンファンド1396号(案件1:FG社、案件2:AN社) 2案件 7.50% 3,982万円 8ヶ月 4万円~ 3,096万円  22%
不動産担保付きローンファンド1879号(案件1:C社、案件2:AN社) 不動産担保付きローンファンド1879号(案件1:C社、案件2:AN社) 2案件 5.30% 1,305万円 14ヶ月 3万円~ 終了 満額成立
事業性資金支援ローンファンド1403号(案件1:FL社、案件2:AN社) 事業性資金支援ローンファンド1403号(案件1:FL社、案件2:AN社) 2案件 9% 3,170万円 12ヶ月 4万円~ 終了 満額成立
事業性資金支援ローンファンド1402号(案件1:FL社、案件2:AN社) 事業性資金支援ローンファンド1402号(案件1:FL社、案件2:AN社) 2案件 9% 5,005万円 12ヶ月 4万円~ 終了 成立
不動産担保付きローンファンド1885号(案件1:C社、案件2:AN社) 不動産担保付きローンファンド1885号(案件1:C社、案件2:AN社) 2案件 5.80% 1,505万円 14ヶ月 3万円~ 終了 満額成立
事業性資金支援ローンファンド1395号(案件1:FG社、案件2:AN社) 事業性資金支援ローンファンド1395号(案件1:FG社、案件2:AN社) 2案件 7.50% 5,005万円 9ヶ月 4万円~ 終了 成立
不動産担保付きローンファンド1884号(案件1:C社、案件2:AN社) 不動産担保付きローンファンド1884号(案件1:C社、案件2:AN社) 2案件 5.80% 1,505万円 14ヶ月 3万円~ 終了 満額成立
不動産担保付きローンファンド1883号(案件1:C社、案件2:AN社) 不動産担保付きローンファンド1883号(案件1:C社、案件2:AN社) 2案件 5.80% 1,505万円 14ヶ月 3万円~ 終了 満額成立
事業性資金支援ローンファンド1403号(案件1:FL社、案件2:AN社)
事業性資金支援ローンファンド1403号(案件1:FL社、案件2:AN社)

募集総額:¥31,700,000
案件数:2案件
運用利回り(年利):9%
投資可能金額:4万円以上から投資可能
成立条件:4万円以上の投資申込

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)のクラウドファンディング事業者

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)での資金調達に向いている法人

  • 不動産などの担保がある企業

に向いています。

  • 土地を仕入れて、開発して、売却するディベロッパー
  • 中古物件を仕入れて、リノベーションして、売却する不動産会社
  • 産業用太陽光発電事業者

また、銀行からの資金調達ができない

  • 消費者金融
  • 金融系事業者

が利用するケースも多いようです。

投資型クラウドファンディングとは?

投資型クラウドファンディングとは

ベンチャー企業に対して、少額で投資を行い、その対価として「新株予約権(ストックオプション)」を受け取り、上場時、M&A時にリターンを得る形のクラウドファンディングのことを言います。

個人が未公開企業の株式を購入することは、かなり難しいのですが、投資型クラウドファンディングでは、数万円単位の少額から、未上場のベンチャー企業に対して、投資をすることができ、投資したベンチャー企業が上場したり、M&Aで会社を売却したときに「新株予約権(ストックオプション)」が金銭化され、何倍もの投資対効果を生むことになります。

「新株予約権(ストックオプション)」ですので、上場したり、M&Aで会社を売却しない場合は、金銭になりません。

将来有望な企業への投資を少額から行いたい方向けのクラウドファンディングです。

投資される側としては、「新株予約権(ストックオプション)」であれば、現株を渡すわけではないので、経営に影響はなく、資金調達ができるメリットがあります。上場やM&Aで会社を売却するなど、ある程度の成功したときにしか支払いが発生しません。

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の例:エメラダ・エクイティ

2018年11月27日時点

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の例:エメラダ・エクイティ
MBAホルダーの創業者が世界に挑む。日本発のクラフトビールカンパニー

Far Yeast Brewing株式会社
目標達成率:110%
現在の応募総額:46,340,000円
応募者数:173人
主な出資者:経営陣 Ardian International Limited Net Capital Partners 他

リクルート出身の元箱根ランナーが立ち上げた「スポーツテック」スタートアップ

株式会社ラントリップ
目標達成率:109%
現在の応募総額:32,900,000円
応募者数:152人
主な出資者:経営陣 株式会社朝日新聞社 シェアリングエコノミー1号投資事業有限責任組合 事業会社 個人株主他

AIを活用した仮想通貨、株式の投資アルゴリズムを提供するFinTechスタートアップ

株式会社Smart Trade
目標達成率:109%
現在の応募総額:43,820,000円
応募者数:197人
主な出資者:経営陣 DBJキャピタル投資事業有限責任組合 Fintech Innovation Program Singapore Ltd 株式会社エヌアイデイ 他

投資型クラウドファンディングのクラウドファンディング事業者

投資型クラウドファンディングでの資金調達に向いている法人

  • 上場の可能性がある革新的なベンチャー企業

投資家が得るのは「新株予約権(ストックオプション)」ですので、上場やM&Aで会社を売却するときしか資金化できません。つまり、投資対象になるのは上場の可能性がある革新的な商品やサービス、ビジネスモデルのあるベンチャー企業ということになります。経営者の実績も重要な投資要素となっています。

クラウドファンディングによる資金調達のポイントとは?

クラウドファンディングで資金調達をするときの最大のポイントは

購入型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディング

→ 支援者(利用者)に共感してもらえる事業・プロジェクトであるかどうか?

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
投資型クラウドファンディング

→ 支援者(利用者)に高いリターンを期待させられる事業・プロジェクトであるかどうか?

のどちらかである必要があります。

インターネットで不特定多数から支援を求める形になるので、ありきたりなビジネスモデルの会社では、支援者が支援をする理由がないのです。

クラウドファンディングでは、インターネットで不特定多数から支援を募集しますが、支援が集まらないプロジェクトも散見されます。

クラウドファンディングで資金調達を検討するのであれば

  • どこに共感してもらえるのか?
  • どんなリターンを渡せるのか?
  • いくら集めたいのか?

を固めた上で、テストマーケティングを繰り返しながら、募集をしていくことが重要になります。

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クラウドファンディングは、まだまだ伸びはじめた市場であり、資金調達方法としても、着手している企業が少ないジャンルです。今、クラウドファンディングでの資金調達方法を確立できれば、先行者利益も得られるジャンルであることは間違えありません。いろいろなサイトがあるので、自社でできるクラウドファンディングによる資金調達を検討してみると良いでしょう。

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資金調達

資金調達方法には何がある?資金調達方法31種類のメリットデメリット

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銀行融資のすべて。銀行融資を成功に導く申込方法・融資の引き出し方・交渉方法と銀行融資審査

銀行融資は、資金調達の基本中の基本です。そのわりに「銀行からどうやって融資を引き出すのか?」「銀行融資の審査は何を審査しているのか?」「銀行の融資担当者と交渉するときはどうすれば良いのか?」正確に理解している中小企業の経営者はほとんどいないのが現状です。銀行を味方につけることで、企業の資金繰りは何倍も楽になり、会社規模を成長させることができるのです。

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ビジネスローンは、以前は銀行ビジネスローンが主流でしたが、銀行は貸し倒れの増加に伴いビジネスローンの提供に対してかなり消極的になっています。現時点ではビジネスローンは、大手消費者金融が提供するローンサービスであり、銀行融資よりも、「審査が甘い」「即日融資が可能」という点で中小企業の経営者に重宝される資金調達方法となっています。金利が高いなどのデメリットもあるため、短期の資金繰りを乗り切るための選択肢として考えましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは?融資審査に通らない方のための資金調達方法

ファクタリングは、売掛債権を譲渡することで早期に資金化する資金調達方法のことを言います。ファクタリングの場合は、審査対象が資金が必要な会社ではなく、売掛先になります。そのため、銀行融資やビジネスローンよりも、売掛先の信用力が高ければ審査に通りやすいメリットがあります。その上、ファクタリングは「債権の譲渡」でしかないため「借入」として決算書に掲載されないので、今後の銀行取引にもマイナスの影響がありません。

不動産担保ローン

不動産担保ローンを活用した資金調達方法のすべて。審査や金利、借り換え方法を比較

不動産担保ローンは、文字通り、土地、マンション、ビル、店舗、工場、戸建てなどの不動産を担保に資金を調達する資金調達方法のことを言います。無担保のビジネスローンと比較すると担保がある分、「高額な借り入れが可能」「数十年単位の長期間の借り入れが可能」「審査が通りやすい」というメリットがあります。ただし、返済できなければ担保である不動産を失ってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。

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ABOUTこの記事をかいた人

資金調達のコンサルティング、資金調達のサポート事業を行っています。銀行融資から、担保融資、ビジネスローン、不動産担保ローン、ファクタリングまで、様々な資金調達方法を紹介し、資金繰りの改善をお手伝いしています。実際に私が経営している会社でも、様々な方法で資金調達を実現させました。