銀行融資の審査ではどのような点をチェックして審査が行われるのでしょうか?今回は銀行融資審査のチェックポイント「業界動向」とその攻略法について解説します。
業界動向とは?
銀行が重視するのは「企業が成長して、より高額な借り入れを繰り返してくれること」です。
2人、3人の零細企業であっても、将来何千人という社員を要する大企業になる可能性もあります。そうなれば、銀行からの借入額も数億円、数十億円単位になり、銀行の利息収入も増えるのです。
成長性を推しはかる要素の一つとして
その業界自体が伸びているかどうか?
が重要な判断材料になるのです。
例えば「出版業界」の場合
- 2013年出版販売金額1兆6823億円
- 9年連続でマイナス
- 1996年売上に対して約63%の水準
という状況にあります。
- 人口が減った。減っていく
- 活字離れがすすんだ
- 読み放題サービスの台頭で書籍を購入しなくなった
- インターネットでほとんどの情報が入手できる環境になった
という理由によって、業界自体がシュリンクしているのです。
また、この現象が一時の不況ではなく、今後の回復は厳しいと考えられています。
業界の将来性が乏しいとなれば、銀行の融資審査の評価としては、出版業界は良くない評価となってしまうのです。
- 伸びている業界に属している企業 → 企業も成長しやすい
- 落ち込んでいる業界に属している企業 → 企業の成長は難しい
と判断されてしまうのです。
銀行は将来性の乏しい業界に対して、「要注意業種」という設定をし、融資審査でより審査を厳しく見るようになっているのです。
銀行融資「業界動向」の審査の攻略法
市場がシュリンクしていても、生き残る会社はある
市場がシュリンクしていても、独自のサービス、独自の商品があれば生き残ることは可能です。一番売上が多い書店は「TSUTAYA」です。TSUTAYAは元々、1983年に大阪で創業した「蔦屋書店 枚方駅前店」です。それが全国へチェーン展開し、音楽・映像ソフトのレンタル店になり、Tポイント事業に進出し、今や全く違う業態へ進化していっているのです。銀行も、独自のサービス、独自の商品でシュリンクした業界に風穴をあける成長のポテンシャルがあると判断すれば、融資はしてくれるのです。
業界の現状への理解と対策を具体的にプレゼンする
業界がシュリンクしていることを正確に把握したうえで、「自社はどういう戦略を持って、そこを突破していくのか?」これを具体的にプレゼンできる経営者に銀行は融資評価を高めます。業界の将来を人任せにする(政策や時代のせいにする)のではなく、ネガティブな環境をどうクリアしていくか?前向きなヴィジョンがある経営者が信頼を勝ち取るのです。
業界の成功事例を抑えておこう
同じ出版業界でも、インターネットやITを取りいれた新しい取り組み、別業界とコラボした新しい取り組みで成功している企業は少なくありません。同じ業種での成功例を把握し、自社に転用することで成功の道筋を建てることも、一つの業界の衰退に対する回答なのです。
コメントを残す