銀行融資の審査ではどのような点をチェックして審査が行われるのでしょうか?今回は銀行融資審査のチェックポイント「決算書」とその攻略法について解説します。
銀行融資審査では「決算書」が最重要
銀行融資の審査で、やはり重視されるのは「決算書」になります。
決算書というのは、健康診断で言えば、健康診断書のようなものです。
1年間の企業の成績が数値で表示されているものですので「ウソがつけない数字」になっているのです。
決算賞は税理士や会計士が作成するので「ウソがつけない経営実績のデータ」として、銀行の融資審査の8割の重要度を占めると言われているのです。
決算書で重要になるのは「利益」
銀行融資の審査で重要になるのは「利益」です。
- 利益率が高い
- 利益額が毎月増加している
ことが銀行融資の審査では重要なのです。
利益が大きければ、それを投資に回して企業が成長することもできますし、利益を返済に回すことで安定して経営することもできます。
逆に言うと、赤字決算が続いているような企業の場合は、返済計画が立てられないのです。返済の目途が立たなければ、銀行が融資するわけがありません。
銀行融資審査を見据えた「決算書」作りの重要性
「決算書」 = 「ウソがつけない経営実績のデータ」
ですから、終わったことに対して、改ざんするようなことはできません。
しかし、あらかじめ銀行融資の審査を意識して決算書を良くすることを重視して経営することはできるのです。
前述のように銀行融資の審査を見据えれば「利益が大きくなるように、利益額が増えていくように経営をするべき」なのです。
銀行融資をもらうための決算書と税金を減らすための決算書は真逆
一方で、会計士や税理士は「税金を減らすこと」をアドバイスするケースもあります。
税金は利益に対して課税されるので
「税金を減らすこと」=「利益を下げること」
につながってしまうのです。
- 経費を増やす
- 設備投資を増やす
ことで利益額を減らし、課税額を減らすのが「節税」ですから、利益を増やす決算書づくりとは真逆の方向性になってしまいます。
銀行融資による資金調達が必要のない企業の場合は
- 経費を増やす
- 設備投資を増やす
- 利益を来期に回す
・・・
等をして、税金を減らす「節税」に動くことは経営上間違えではありません。
しかし、銀行融資による資金調達が必要になる、必要になる可能性が高い企業の場合には
節税はあきらめて
- 売上を増やす
- 経費を減らす
・・・
形で、「利益」を増やす経営を意識する必要があるのです。
決算書づくりという一見同じ作業なのですが
「節税」:利益を減らす決算書づくり
「銀行融資による資金調達」:利益を増やす決算書づくり
と真逆の作業であることを理解する必要があります。
銀行融資「決算書」の審査の攻略法
とにかく「利益」を増やす
売上を伸ばして、経費を減らす形で「利益額を増やす」「利益率を高める」ことがまず必要な対策となります。競合他社よりも高い利益率を目指すことで、経営力の高い企業であると判断してもらえるのです。
情報開示に積極的になる
決算書以外にも「勘定科目明細」などを銀行から要求されることがあります。損益計算書や賃借対照表だけでは内訳がわからないため、明細がないと銀行も決算書の評価ができないのです。「勘定科目明細」などの内訳の提出を拒否する企業もありますが、拒否すれば情報開示に積極的でない企業と判断されてしまうため、銀行融資ではマイナスの評価になってしまうのです。情報開示は積極的に行いましょう。
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