預金担保とは?預金担保が必要なケース

銀行融資やビジネスローンなどの資金調達では担保を求められるケースがあります。一般的に担保と言えば、不動産担保、売掛債権担保、有価証券担保なのですがレアケースですが「預金担保」を取るケースもゼロではありません。今回は「預金担保とは?預金担保が必要なケース」について解説します。

預金担保とは?

預金担保とは

預金(普通預金・定期預金・外貨預金)が担保になること

を意味します。

いつでも引き出せる普通預金を担保にするケースは少なく、大抵の場合は定期預金が担保設定されるケースが多いようです。

定期預金は途中解約することもできますが、途中解約すると受取利息が大幅に下がってしまうので、担保として解約せずに融資を受けるという選択肢が取られやすいのです。

銀行や金融機関にとっては

預金担保 = ほぼノーリスクの担保

ですから、預金額と同額の融資は問題なく審査が通ります。

「でも、預金額と同額の融資では借りる側にとっては意味がないのでは?」

と思うのも当然です。

企業にとっては預金が1000万円あるのに、1000万円の預金を担保にして金利の高い1000万円の融資を受けるでは意味がないのです。

単純に預金を引き出した方が、利息を支払わないでいいので資金繰りも改善するからです。

では、なぜ預金担保というものがあるのでしょうか?

預金担保は銀行の営業成績アップのため!?

銀行側が

「1000万円の定期預金を組んでいただければ、1000万円分の預金額に加えて2000万円、合計3000万円の融資を行いますけど、いかがでしょうか?」

と提案してくるのです。

  • 1000万円の預金担保で3000万円の融資
  • 無担保で2000万円の融資

は一見同じように感じてしまいますが、銀行からすれば大きな違いがあるのです。

営業成績が違う

  • 定期預金残高が1000万円増える
  • 融資残高が1000万円増える

ので、その支店の営業成績は無担保で2000万円貸すよりも、良い営業成績を残すことになります。

利益が違う

金利は必ず「定期預金利息 < 融資利息」となります。

  • 定期預金 年率0.1%
  • 融資利息 年率5.0%

と、定期預金と融資利息に50倍程度の差がある銀行も少なくありません。企業側から見れば、自分の預金1000万円分を銀行からプラスで借りたのに、その1000万円分にかかる利息は定期預金の利息の数十倍の設定になっているのです。

銀行から見れば

  • 2000万円 年率5.0% → 年間利息収入:100万円
  • 3000万円 年率5.0% → 年間利息収入:150万円

です。

定期預金と引き換えに融資をする方が利息収入が大幅に伸びるのです。だからこそ、審査が微妙なラインの企業に対して、銀行は預金担保を持ちかけるのです。

他社から顧客を奪い取れる

元々、他の銀行に預金をしている企業から、預金担保による融資を持ちかけることで自行へ口座を移すことが可能になります。

他社の顧客を奪うという視点でもメリットがあるのです。

他の銀行の定期預金を担保にすることもできなくはありませんが、銀行間のトラブル要因になりかねないので、基本的に融資をする銀行は、自行の口座での担保設定を要求してくるのです。

まとめ

預金担保は、銀行融資で営業の一環として提案されることが多いものです。銀行から提案を受けたときも、上記のようなロジックであることを理解したうえで検討しましょう。

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