資金調達を考える上では、個人事業主よりも法人が圧倒的に有利になります。今回は、その理由と法人成りの必要性について解説します。
法人しか対象にしない資金調達方法がたくさんある!
中小企業の資金調達方法としては
など様々な方法がありますが、融資先を「法人格」に限定しているサービスが大半なのです。
- 公的融資
- 銀行融資
の場合は、明確に「個人事業主NG」とはされていませんが、実態は非常に融資を受けるのが難しいのです。
また、
- ビジネスローン
- ファクタリング
では、はじめから「個人事業主NG」というものも少なくありません。
個人事業主というだけで法人と比較して、資金調達方法の選択肢が減ってしまうのです。3分の1ぐらいの選択肢になってしまうと考えましょう。
なぜ、金融機関は個人事業主よりも法人を重視するのか?
理由その1.決算書など数値管理が法人格の方がきっちりしているから
個人事業主の場合は、青色申告であっても、決算書を作る法人と比較すると事業や業績の管理責任が緩いのです。
銀行は決算書を見て、融資の可否を判断するのですから、その大元となる決算書がアバウトであったり、そもそも数値管理をきっちりしていないということになれば、融資の判断自体ができないことになります。
ビジネスローンも同様ですが、数値管理に対する信頼性が個人事業主は劣ってしまうのです。
理由その2.登記できないものがある
例えば、売掛債権を担保にしようとした場合には、売掛債権譲渡登記というものが必要になります。
これを登記するためには法人格である必要があるのです。
登記できなければ担保としての価値を有さないのです。
理由その3.個人事業主は公私混同してしまいがちだから
個人事業主の場合は
- 銀行口座も個人口座
- 個人名義での借金
プライペートと仕事の切り分けが資金管理上でできないケースが多いのです。また、個人事業主の意識としても、どちらも自分のお金と考えてしまうことが多いのです。
融資をする銀行にとってみれば、融資したお金が個人の交際費や生活費などプライベートな資金として使われたら困るのです。
理由その4.経営者の意識の低さ
法人を設立するということは、それだけ対外的な信用が増し、責任が増し、その代わりに今後「会社を拡大していく」という意気込みの表れでもありません。
法人を設立する経営者は「どうにかして会社経営を成功させたい」という意識の経営者がほとんどなのですが・・・
個人事業主の場合は
- 「法人成りは面倒くさいでしょ。」
- 「会社設立費用は出したくない。」
- 「税理士に相談しなければならない。」
などの理由で法人にしない方が多く、意識や責任感の欠如が、金融機関にとっては返済に対する不安要素となってしまうのです。
個人事業主はすぐに法人成りをして資金調達を考えるべき
上記のような理由があるため、総じてどのような資金調達方法を選んだとしても
個人事業主 < 法人
が有利になることは間違えありません。
今は、法人設立は資本金1円でもできるものなのです。設立費用も25万円ぐらいで設立が可能なのです。
だとすれば、個人事業主で資金調達を検討しているのであれば、迷わず法人設立をした方が確実に有利になるはずなのです。
法人設立をすれば、創業融資や助成金なども視野に入りますし、対外的な信用も高くなります。また、融資の金融機関の審査は「事業歴」と大きな関係があります。事業歴が長ければ長いほど、安定した業績を残している会社として信頼が高まるのです。今後の資金調達を見据えた上でも、法人設立は一刻も早くしておくべきことなのです。
まとめ
資金調達では
個人事業主 < 法人
という形で法人が必ず有利になります。
個人事業主の方が資金調達を考えるときにまず先に検討すべきなのは「法人成り」をするということです。資金調達においては「法人成り」のデメリットは設立費用がかかること以外にはありません。
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