小規模事業者持続化補助金の上限は50万円|250万円になる特例の条件と第20回公募の日程

補助上限50万円に、インボイス特例50万円と賃金引上げ特例150万円を積み上げて最大250万円になることを示した棒グラフのアイキャッチ画像

小規模事業者持続化補助金は、名前のとおり「小規模事業者」だけが使える補助金です。中小企業庁のミラサポplusには補助率2/3・補助上限額は最大250万円と載っていますが、この250万円は誰でも届く数字ではありません。事務局が公表している補助事業概要を開くと、補助上限はまず50万円で、そこに特例を積み上げて初めて250万円になる構造が見えます。

さらに、この補助金は電子申請だけでは完結しません。地域の商工会・商工会議所から事業支援計画書(様式4)の交付を受ける工程があり、その受付締切は申請受付締切より11日早く設定されています。この記事では、第20回公募(2026年11月5日受付開始)について、商工会地区事務局・商工会議所地区事務局・中小企業庁ミラサポplusの各公式ページで確認できた条件だけを整理します。金額の内訳、対象になる事業者の範囲、申請から着金までの資金繰り、そして不正受給に対する罰則までを扱います。

結論:補助上限は50万円で、特例を積み上げて最大250万円になる

商工会地区事務局が公表している補助事業概要(2026年9月22日確認)では、補助上限と特例は別々の行に分けて書かれています。ミラサポplusの「最大250万円」は、その特例をすべて満たした場合の合計額です。

表1:補助上限額の積み上げ(一般型 通常枠・第20回公募)

区分 金額 公式サイトに書かれている条件
補助上限 50万円 特例を使わない場合の上限額
インボイス特例 +50万円 「インボイス特例の要件(公募要領P.8参照)を満たしている場合に限る」
賃金引上げ特例 +150万円 「賃金引上げ特例の要件(公募要領P.9〜10参照)を満たしている場合に限る」
両方の特例を満たす事業者 +200万円 合計で上限250万円。「両特例要件(公募要領P.8〜10参照)を満たしている場合に限る」

出典:商工会地区 小規模事業者持続化補助金事務局「持続化補助金とは」(official.jizokukanb.com/jizokuka/)/中小企業庁 ミラサポplus「小規模事業者持続化補助金」(mirasapo-plus.go.jp/subsidy/jizokuka/)

ここで見落としやすいのは、特例が「申請したら加算される」ものではないという点です。公式サイトはいずれの特例にも同じ注記を添えています。「補助事業終了時点で一定要件を満たす必要があり、満たさない場合、補助金交付は行いません」。つまり特例分は、申請時点の見込みではなく、事業が終わった時点の実績で判定されます。賃金引上げ特例の150万円を前提に設備を買い、終了時点で要件を満たせなかった場合、その分は手元に残りません。

申請の前に要るGビズIDプライムの取得や、補助金を資金繰りに組み込むときの順序は補助金・助成金を探すページにまとめています。

制度を横に並べて検討している段階であれば、中小企業向け補助金5制度を比較した記事で補助率と上限額の相場感を先に押さえてから、この制度に絞るかどうかを決めると早いはずです。

第20回公募のスケジュールは2026年11月5日から12月15日17:00まで

第20回公募の日程は、商工会地区・商工会議所地区の両事務局が同じ日付を掲示しています。締切は日付だけでなく時刻まで指定されています。

公式サイトのキャプチャ。第20回公募スケジュールとして、公募要領公開2026年5月27日、申請受付開始2026年11月5日、事業支援計画書(様式4)発行の受付締切2026年12月4日、申請受付締切2026年12月15日17時が並ぶ画面
商工会地区 小規模事業者持続化補助金事務局「申請について」に掲示されている第20回公募スケジュール(2026年9月22日確認)

商工会議所地区事務局のスケジュール欄には、これに加えて採択発表以降の日付も載っています。補助事業は採択されて終わりではなく、そこから1年半近い期限が続きます。過去の公募回と並べると、この制度が「申請してから着金まで相当に長い」ことがはっきりします。

表2:第18回・第19回・第20回公募の日程比較

項目 第18回 第19回 第20回
公募要領公開 2025年6月30日 2026年1月28日 2026年5月27日
申請受付開始 2025年10月3日 2026年3月6日 2026年11月5日
様式4発行の受付締切 2025年11月18日 2026年4月16日 2026年12月4日
申請受付締切 2025年11月28日 17:00 2026年4月30日 17:00 2026年12月15日 17:00
採択発表日 2026年3月頃予定 2026年7月29日 2027年3月頃予定
補助事業実施期間 交付決定日〜2027年2月26日 交付決定日〜2027年6月30日 交付決定日〜2028年3月31日
実績報告書提出期限 2027年3月10日 2027年7月10日 2028年4月10日
見積書等提出期限 掲載なし 掲載なし 2028年2月29日

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>事務局(商工会議所地区)「持続化補助金とは|補助金スケジュール」(r6.jizokukahojokin.info/jizokukahojokin.php)2026年9月22日確認

第19回は2026年4月30日に締め切られ、採択発表が7月29日でした。締切から採択発表まで約3か月です。第20回は締切が12月15日、採択発表が2027年3月頃の予定とされており、同じくらいの間隔が見込まれています。事務局は交付決定について「採択後、詳細な見積書が速やかに提出された場合でも、採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があります」と注記しています。

本当の締切は12月4日:事業支援計画書(様式4)は後から出せない

申請受付締切は12月15日ですが、その前に商工会・商工会議所から事業支援計画書(様式4)の交付を受けておく必要があります。様式4の発行受付締切は2026年12月4日(金)で、申請締切より11日早く設定されています。

この期限について、事務局は第18回公募の案内で明確に書いています。「事業支援計画書(様式4)については、受付締切以降の発行依頼は、いかなる理由があってもできませんので、ご注意ください。また、申請要件を満たしていないと判断される場合も発行はできません」。発行そのものが断られる場合があるという点まで書かれています。

図1:様式4の交付を受けるまでの段取り(商工会地区事務局の説明)

STEP 1

電子申請システムへ「経営計画」および「補助事業計画」を入力する。

STEP 2

希望する特例や加点等に関する書類を添付する。

STEP 3

地域の商工会に「事業支援計画書」(様式4)の作成依頼を行う。

STEP 4

商工会窓口で「事業支援計画書」(様式4)の交付を受ける。

出典:商工会地区 小規模事業者持続化補助金事務局「申請について」(2026年9月22日確認)。同事務局は「様式4の交付に時間を要する場合がありますので、余裕をもってお手続きいただきますようお願いいたします」と注記している。

順番に注目してください。計画書を先に書き上げてから商工会へ行くのではなく、電子申請システムへ入力したうえで作成依頼を出す流れになっています。特例や加点を狙う場合は、その添付書類も依頼の時点でそろえておくことになります。12月4日から逆算すると、11月前半には計画の骨格が固まっている必要があるという計算です。

補助率は2/3、賃金引上げ特例に申請する赤字事業者は3/4

中小企業庁ミラサポplusの制度ページでは、補助率と補助上限額が概要欄にまとめて掲示されています。

中小企業庁ミラサポplusの公式サイトのキャプチャ。小規模事業者持続化補助金の概要欄に補助率2/3、補助上限額は最大250万円と表示されている画面
中小企業庁 ミラサポplus「小規模事業者持続化補助金」の補助金の概要欄(2026年9月22日確認)

一方、事務局の補助事業概要には補助率の例外が併記されています。記載は「2/3(賃金引上げ特例に申請する赤字事業者は3/4)」です。赤字であることが不利にならず、むしろ補助率が上がる設計になっている点は、融資とは発想が逆です。金融機関の融資審査では赤字は基本的にマイナス材料ですが、この補助金では賃金引上げ特例と組み合わせた場合に限って補助率が引き上げられます。

補助率の効き方を具体的な金額で見ておきます。補助率2/3で上限50万円なら、75万円の支出に対して50万円が上限に達します。75万円を超える部分は全額自己負担です。特例で上限が250万円まで上がった場合、375万円の支出で250万円に届く計算になります。上限額と補助率は掛け算ではなく、どちらか先に当たったほうで頭打ちになるという読み方をしてください。

対象になる「小規模事業者」は業種ごとの従業員数で決まる

この補助金の入口は業種と従業員数です。事務局の補助事業概要には、小規模事業者等の定義が業種別の表で示されています。

表3:小規模事業者等の定義(常時使用する従業員の数)

業種 人数
商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数 20人以下

出典:商工会地区 小規模事業者持続化補助金事務局「持続化補助金とは|補助事業概要」(2026年9月22日確認)

商業・サービス業だけが5人以下と厳しく、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下です。自社がどの業種に当たるかで枠が4倍変わるため、ここは最初に確かめる項目になります。

「常時使用する従業員の数」の数え方も定義されています。事務局の記載は「『中小企業基本法』(昭和38年法律第154号)上の常時使用する従業員をいい、『労働基準法』(昭和22年法律第49号)第20条の規定に基づく『解雇の予告を必要とする者』をいう」です。そのうえで、次の人は含まないとされています。日雇労働者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者。判定の基準日は申請時です。

なお、対象は法人と個人事業主だけではありません。商工会議所地区事務局の説明では「小規模事業者および一定要件を満たす特定非営利活動法人」が対象とされています。

基本要件は8項目あり、規模以外の条件も並ぶ

従業員数を満たしていても、それだけでは申請できません。事務局は基本要件を8項目に分けて掲示しています。金額や手続きではなく「そもそも申請できるか」を決める条件です。

図2:第20回公募の基本要件(商工会地区事務局の掲示から主要項目を抜粋)

  • 商工会地域の小規模事業者等であること(商工会議所地区の事業者は商工会議所地区事務局へ応募する)。
  • 資本金又は出資金が5億円以上の法人に、直接又は間接に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)。
  • 確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと。
  • 商工会の管轄地域内で事業を営んでいること。商工会会員・非会員を問わず応募できる。
  • 過去に持続化補助金の各型で採択を受けた場合、様式第14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果および賃金引上げ等状況報告書」を原則として申請までに受領されていること。
  • 小規模事業者持続化補助金<一般型>において「卒業枠」で採択を受け、補助事業を実施した事業者ではないこと。
  • 小規模事業者持続化補助金<創業型>に申請中または採択を受けている事業者ではないこと(創業型と同時に申請できない)。
  • 「常時使用する従業員の数」は申請時において常時使用する従業員の数で判断すること。

出典:商工会地区 小規模事業者持続化補助金事務局「持続化補助金とは|補助事業概要 基本要件」(2026年9月22日確認)。全文は公式ページを参照。

実務で引っかかりやすいのは2番目と3番目です。大企業の完全子会社は、従業員数が5人でも対象外になります。課税所得の年平均15億円という基準も、従業員数だけを見ていると見落とします。どちらも「小規模に見えるが実態は大きい」事業者を外すための条件です。

また、商工会会員でなくても応募できると明記されています。様式4の交付を受ける必要があるため会員限定だと誤解されやすい点ですが、事務局は「商工会会員、非会員を問わず、応募可能です」と書いています。

過去に採択された事業者には、もう一段の待機期間がある

リピート申請には独自の条件が付きます。事務局の記載では、過去に「一般型 通常枠(第1回〜第16回の一般型を含む)」「コロナ特別対応型」「低感染リスク型ビジネス枠」「創業型」のいずれかで採択され補助事業を実施した事業者は、事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、様式第14の提出を完了している場合に申請が可能とされています。

第20回公募では、この待機期間がさらに延びます。事務局の注記は「第20回公募において、採択され補助事業を実施する事業者は、事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、『小規模事業者持続化補助金に係る事業効果および賃金引上げ等状況報告書』の提出を完了後、さらに1年が経過してから再度の申請が可能です」です。報告書を出し終えてから、もう1年待つことになります。

加えて、「受領された」の意味も定義されています。「申請する公募回の申請受付締切までに、補助金事務局から指摘のあった不備が解消している状態」を指すとされており、提出しただけでは足りません。不備の指摘に対応する時間まで含めて逆算する必要があります。代表者等が変更になった場合も「過去の補助事業者である」に該当するとされている点も、承継後の法人では見落としやすいところです。

窓口は商工会地区と商工会議所地区で完全に分かれている

この補助金は、事業所の所在地によって申請先が変わります。商工会の管轄地域なら商工会地区事務局、商工会議所の管轄地域なら商工会議所地区事務局です。サイトも電子申請システムも別々に用意されています。

商工会地区:公式サイトは official.jizokukanb.com。商工会地区事務局は「このWebサイトは、商工会の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者等が対象です」と明記しています。

商工会議所地区:公式サイトは r6.jizokukahojokin.info。第17回公募以降の情報を掲載しており、それ以前の回とすべての型の情報は別途「まとめサイト」に置かれています。

管轄が分からない場合:商工会地区事務局は、地域・所轄が不明な場合の問い合わせ先として電話番号(03-6634-9307)を掲示しています。

もうひとつ、名称の変遷も押さえておくと過去情報を読むときに混乱しません。商工会地区事務局は、締切回によって補助金の正式名称が変わってきたことを表にしています。第1回〜第7回は「令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>」、第8回〜第11回は「令和元年度補正予算・令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>」、第12回〜第16回は「小規模事業者持続化補助金<一般型>」、第17回以降が「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>」です。検索で出てくる解説記事がどの回を前提にしているかは、この名称で判断できます。

交付までの流れは、事業者側と事務局側が交互に動く

商工会議所地区事務局は、申請から精算払いまでの全体像を工程図で示しています。事業者が動く工程と、事務局が処理する工程が交互に並びます。

図3:申請から補助金の交付までの工程(網掛けは補助金事務局が実施する工程)

  1. GビズIDプライムのアカウントを取得する。
  2. 商工会・商工会議所へ事業支援計画書(様式4)の発行を依頼し、交付を受ける。
  3. 申請書類を提出する。
  4. 審査の結果、採択が決定されると補助金事務局から「採択通知書」が送付される。
  5. 入手価格の妥当性を証明できる見積書等を提出する。
  6. 審査の結果、補助金事務局から「交付決定通知書」が送付される。交付決定通知書に記載の交付決定日から補助事業を開始できる。
  7. 補助事業の終了後、実績報告書および経理書類を提出する。
  8. 補助金額が確定する。
  9. 補助金を請求する。
  10. 補助金が交付される。
  11. 補助事業の終了後から1年後の状況について、事業効果報告書を提出する。

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>事務局「持続化補助金とは|補助金交付までの流れ」(2026年9月22日確認)。事務局は見積書等の提出工程に「NEW」の表示を付けている。

工程5の見積書提出は、事務局が新しい工程として表示しているものです。2025年10月2日付の重要なお知らせでも「採択された事業者様は交付決定へ向けてページをご確認いただき、お見積等のご提出をお願いいたします」と案内されています。採択通知が届いた時点ではまだ交付決定ではなく、見積書を出して初めて交付決定の審査に進みます。

そして工程6の注記が重要です。「交付決定通知書に記載の交付決定日から補助事業を開始できます」。裏返せば、交付決定日より前に発注や支払いをした経費は補助の対象から外れるということです。採択通知が来た時点で発注してしまうと、この条件に抵触します。

資金繰りでは「精算払い」という条件が効いてくる

補助金は返済不要ですが、先に自己資金が要ります。事務局は交付までの流れの冒頭に、次の2文を置いています。「本補助金は審査があり、不採択になる場合があります」「補助事業遂行の際には自己負担が必要となり、事業完了後に、精算払いとなります」。

図4:第20回公募の日程から見た資金繰り上の時間軸

2026年11月5日〜12月15日 17:00

申請受付期間。この時点では支出は発生しない。

2027年3月頃(予定)

採択発表。ここから見積書等を提出する。

採択発表から概ね1〜2か月

交付決定。この日より前の発注・支払いは補助事業として開始したことにならない。

交付決定日〜2028年3月31日

補助事業実施期間。この期間の支出はすべて自社が先に立て替える。

2028年4月10日

実績報告書提出期限。事業が期間途中で終わった場合は、終了日から30日を経過した日か、この期限のいずれか早い日まで。

実績報告の審査後

補助金額の確定、請求、交付。ここで初めて入金される。

補助事業終了から1年後

事業効果報告書を提出する。

出典:商工会議所地区事務局「補助金スケジュール」「補助金交付までの流れ」(2026年9月22日確認)

審査にかかる時間も公表されています。商工会地区事務局は2026年8月5日付のお知らせで「現在、実績報告の審査には、提出から3〜4週間程度を要しております」と案内し、さらに「書類の不足や記載内容の誤りにより不備修正が複数回生じた場合、補助金額の確定までに3か月程度を要することがあります」と付け加えています。

第20回公募の場合、申請受付開始が2026年11月で、実績報告書提出期限が2028年4月10日です。仮に期限いっぱいまで事業を行った場合、申請から着金まで1年半以上が経過します。設備投資の資金を補助金で賄う計画を立てるなら、この期間を埋める運転資金が別に要ります。つなぎの手段を検討する場合は、資金調達方法を比較した記事で返済不要の資金と借入を並べて見ておくと判断しやすくなります。

もうひとつ、補助金特有の条件があります。事務局の注意事項には「本制度は補助事業であり、収益納付による補助金の減額交付や補助事業終了後の処分制限財産の処分による補助金の全部または一部相当額の納付等が必要となる場合がある他、事後の会計検査院等による実地検査の結果、補助金返還命令等の指示がなされた場合には従わなければなりません」と書かれています。受け取って終わりではなく、返還の可能性が残る制度です。

不正受給の罰則は補助金適正化法に定めがある

事務局は「持続化補助金は不正を絶対に許しません」というバナーを全ページの上部に固定して掲示しています。根拠となるのは補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号、通称:補助金適正化法)です。e-Gov法令検索で現行条文を確認しました。

第29条第1項:「偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けた者は、五年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」

第29条第2項:「前項の場合において、情を知つて交付又は融通をした者も、また同項と同様とする。」

第31条:「次の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。」として、法令に違反して補助事業等の成果の報告をしなかった者、第23条の規定による報告をせず若しくは虚偽の報告をし、検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者などが挙げられています。

出典:e-Gov法令検索 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(法令ID 330AC0000000179、2025年6月1日施行の改正を反映した版を2026年9月22日に取得)

第29条第2項に注目してください。処罰の対象は申請者だけではありません。事情を知ったうえで交付や融通をした者も同じ罰則とされています。申請の代行を名乗る業者が実態のない経費を作る手口は、この条項に触れ得ます。

事務局側の説明も同じ内容を掲示していますが、「5年以下の懲役」という表現が使われています。現行の法令条文は「五年以下の拘禁刑」です。刑の種類の呼称が改正で変わったためで、法定刑の重さが違うわけではありません。条文を引用する場合は、e-Gov法令検索の現行条文を確認してください。

また、事務局は罰則のほかに「不正の内容に応じて、交付要綱等に基づき、補助金の交付決定の取消、返還命令、不正の内容等の公表といった処分が科されることがあります」と案内しています。刑事罰とは別に、行政上の処分と公表がある構造です。

事務局を名乗る勧誘と、交付決定後の印紙送付請求に注意

両事務局が、この補助金を利用した被害の注意喚起を出しています。内容が具体的なので、そのまま引用します。

商工会議所地区事務局の2026年8月28日付「重要なお知らせ」は、補助金事務局を名乗る案内・紹介の事案が発生しているとしたうえで、「当事務局が、個人の方へ個別に補助金を紹介・斡旋することは一切ございません」と明言しています。そのうえで「不審な電話やメール、訪問等を受けましても、応対したり個人情報を伝えたりしないよう、十分にご注意くださいますようお願いいたします」と呼びかけています。

商工会地区事務局は、採択後を狙った別の手口を掲示しています。「持続化補助金の交付決定を受けた事業者等を対象に、FAX、メール、ホームページ等で持続化補助金の額に上乗せした補助金を支払うなどと案内し、持続化補助金に係る交付申請書、事業計画書、交付決定通知書などを応募書類として添付させ、審査手数料として印紙の送付を請求する団体がある」という内容です。事務局は「この団体は、中小企業庁、中小企業基盤整備機構及び当事務局とは一切関係がありません」としています。

いずれも、事務局側から個別に持ちかけることはないという点が共通しています。審査手数料の名目で金銭や印紙を求められた時点で、公式の手続きではないと判断して差し支えありません。申請そのものの進め方については、補助金の申請書の作り方を解説した記事も参考にしてください。

通常枠以外の枠と、この記事で確認できなかったこと

中小企業庁ミラサポplusの制度ページには、一般型 通常枠のほかに4つの枠が掲載されています。公募要領公開日と申請受付期間は枠ごとに別々です。

一般型 災害支援枠(令和6年能登半島地震・能登豪雨)は公募要領公開日2026年6月30日、申請受付期間2026年7月27日〜10月16日。一般型 災害支援枠(令和8年熊本地震)は公募要領公開日2026年9月9日、申請受付期間2026年9月16日〜10月16日。創業型は公募要領公開日2026年5月27日、申請受付期間2026年11月5日〜12月15日で、通常枠と同じ日程です。共同・協業型は公募要領公開日2026年7月8日、申請受付期間2026年8月14日〜9月30日とされています。

この記事は、HTMLで公開されている公式ページから確認できた内容に限って書いています。次の点は確認できませんでした。

補助対象経費の区分:ミラサポplusは「チラシ作成や広告掲載、店舗改装など、幅広い販路開拓の経費が対象となります」と説明していますが、経費区分の一覧は公募要領(第8版・PDF、2026年7月21日更新)に収載されており、本稿では原文を確認できていません。

インボイス特例・賃金引上げ特例の具体的要件:事務局は「公募要領P.8参照」「公募要領P.9〜10参照」とページ番号のみを示しています。要件の中身はPDFの該当ページで確認してください。

採択率:両事務局とも採択者一覧は公開していますが、応募件数に対する採択件数の比率は本稿の確認範囲では掲示されていませんでした。数値を示している第三者サイトはありますが、公式の公表値として確認できないため記載しません。

第20回の電子申請の開始状況:商工会地区事務局の「申請について」では、2026年9月22日時点で電子申請は「現在準備中です」と表示されており、別紙「参考資料」「ガイドブック」「よくあるご質問」「交付規程」も準備中とされています。

よくある質問

Q. 補助上限は50万円ですか、250万円ですか。

A. 特例を使わない場合の補助上限は50万円です。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされ、両方を満たすと200万円上乗せで合計250万円になります。中小企業庁が「最大250万円」と書いているのは、この両特例を満たした場合の金額です。

Q. 商工会の会員でないと申請できませんか。

A. 商工会地区事務局は「商工会会員、非会員を問わず、応募可能です」と明記しています。ただし事業支援計画書(様式4)の交付を受ける工程は必要です。

Q. 採択されたらすぐに設備を発注してよいですか。

A. 事務局は「交付決定通知書に記載の交付決定日から補助事業を開始できます」としています。採択と交付決定は別の段階で、採択発表から交付決定までは「概ね1〜2か月かかる場合があります」と注記されています。発注の時期は公募要領と交付規程で確認してください。

Q. 過去に持続化補助金を受けたことがあります。また申請できますか。

A. 事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年が経過し、様式第14の報告書の提出を完了していることが条件です。さらに第20回公募で採択された事業者は、報告書の提出完了後さらに1年が経過してから再度の申請が可能とされています。

Q. 創業型と通常枠を両方申請できますか。

A. できません。基本要件に「小規模事業者持続化補助金<創業型>に申請中または採択を受けている事業者ではないこと」「創業型と同時に申請できません」と記載されています。

Q. 申請先が商工会か商工会議所か分かりません。

A. 商工会地区事務局が、地域・所轄が不明な場合の問い合わせ先として電話番号(03-6634-9307)を掲示しています。事業所の所在地の管轄で決まり、サイトも電子申請システムも別々です。

参照した公式情報

金額、要件、日程はいずれも公募回ごとに改定されます。申請の前には必ず、自社の管轄にあたる事務局の公式ページと最新の公募要領で現在の条件を確かめてください。個別の適用可否の判断が必要な場合は、地域の商工会・商工会議所の窓口、または認定経営革新等支援機関などの専門家に相談することをおすすめします。