少人数私募債の特定社債保証制度とは

buil2128_128少人数私募債による中小企業の社債発行は有効な資金調達方法となっています。今回はその少人数私募債を付き合いのある金融機関が引き受ける際に活用できる信用保証協会の「特定社債保証制度」について解説します。

特定社債保証制度とは

一定の条件を満たした中小企業が発行する社債(少人数私募債)を金融機関が引き受ける際に信用保証協会が保証をする制度のこと

を意味します。

特定社債保証制度の概要

保証形態 保証協会80%、金融機関20%の共同保証方式
発行額 1回3000万円~5億6000万円
発行形式 振替債
資金使途 運転資金または設備資金
保証期間 2年以上7年以内
返済方式 満期一括償還、定時償還
保証料率 保証協会の定める料率
担保 不要。保証金額2億円超で担保が必要
保証人 不要

特定社債保証制度を利用する条件

条件 項目 基準A 基準B 基準C
必須条件 純資産額 5千万円以上
3億円未満
3億円以上
5億円未満
5億円以上
ストック要件
どちらか一つを満たす
自己資本比率 20%以上 20%以上 15%以上
純資産倍率 2.0倍以上 1.5倍以上 1.5倍以上
フロー要件
どちらか一つを満たす
使用総資本事業利益率 10%以上 10%以上 5%以上
インスタレスト・カバレッジ・レシオ 2.0倍以上 1.5倍以上 1.0倍以上
  • 純資産額 = 資本を含む賃貸対照表の資本の合計
  • 自己資本比率 = 純資産額 / 総資産
  • 純資産倍率 = 純資産額 / 資本金
  • 使用資本事業利益率 =(営業利益 + 受取利息 + 受取配当金) / 資産 / 100
  • インタレスト・カバレッジ・レシオ = (営業利益 + 受取利息 + 受取配当金) / (支払利息 + 割引料)

特定社債保証制度の審査

前述した条件をクリアしているかがチェックされます。その後、各資産の勘定科目の内容を精査することになります。すべて時価で審査されるため、不良債権や余剰在庫、含み損、含み益なども時価評価として判断されます。

その上で「社債を償還する能力があるかどうか?」の審査をするのです。営業利益やフリーキャッシュフローの金額が重視されるのは言うまでもありません。収入がなければ社債の償還ができないからです。

特定社債保証制度を利用するメリット

2億円以下なら無担保、保証人不要で資金調達が可能

特定社債保証制度の利用条件をクリアしていれば、社債を金融機関が引受てくれる可能性が高くなります。これは保証協会の厳正な審査をクリアしたということと、万が一償還前に倒産したとしても、保証協会が80%は支払ってくれるので金融機関側のリスクが軽減されることが理由になります。

金融機関が社債を引き受けてくれるのであれば、通常の銀行融資とは違って、無担保(2億円以下)、保証人不要で資金調達ができるのです。資金調達の方法としては非常にメリットがあります。

「特定社債保証制度を受けられた」事実が社会的信用につながる

この特定社債保証制度はあくまでも金融機関が社債を引き受ける際に適用される制度ですので、金融機関以外の投資家には関係がありません。

しかし、特定社債保証制度がついたということは厳しい信用保証協会の審査に通ったということですから、ある意味で「格付けのような信用」が生まれるのです。

「信用保証協会が保証をつけるような社債だから、自分が引受ても大丈夫だろう。」と考えてくれるため、社債の引き受け手を探すのが容易になります。また、社債以外の資金調達でも、信用の証として活用できるのです。

特定社債保証制度のデメリットと注意点

あくまでも金融機関が引き受けるもののみ保証される

金融機関が引き受けるときに信用保証協会が保証をする制度であり、金融機関以外の社債の引き受け手については保証はされません。

条件を満たさなければ利用できない

信用保証協会の条件を満たさない場合は特定社債保証制度は利用できません。

まとめ

特定社債保証制度は厳しい審査がある反面、審査が通れば、銀行から無担保、保証人不要で社債の引き受ける形で資金調達ができる制度です。

条件に合致している場合は申込んでみるのも資金調達の賢い選択肢と言えます。

注目の資金調達方法

資金調達

資金調達方法には何がある?資金調達方法31種類のメリットデメリット

資金調達方法の種類を徹底網羅して解説しています。資金調達方法は、思っている以上に多くの種類があり、資金調達方法ごとにメリットデメリットが存在します。中小企業であっても、使える資金調達方法は多くあるので、まずは「どのような資金調達方法があるのか?」把握することをおすすめします。資金調達の選択肢を知ったうえで、メリットデメリットを確認し、自社の状況に合わせた資金調達方法を選びましょう。

銀行融資

銀行融資のすべて。銀行融資を成功に導く申込方法・融資の引き出し方・交渉方法と銀行融資審査

銀行融資は、資金調達の基本中の基本です。そのわりに「銀行からどうやって融資を引き出すのか?」「銀行融資の審査は何を審査しているのか?」「銀行の融資担当者と交渉するときはどうすれば良いのか?」正確に理解している中小企業の経営者はほとんどいないのが現状です。銀行を味方につけることで、企業の資金繰りは何倍も楽になり、会社規模を成長させることができるのです。

ビジネスローン

ビジネスローンを活用した資金調達方法のすべて/130社比較・即日融資・無担保・審査

ビジネスローンは、以前は銀行ビジネスローンが主流でしたが、銀行は貸し倒れの増加に伴いビジネスローンの提供に対してかなり消極的になっています。現時点ではビジネスローンは、大手消費者金融が提供するローンサービスであり、銀行融資よりも、「審査が甘い」「即日融資が可能」という点で中小企業の経営者に重宝される資金調達方法となっています。金利が高いなどのデメリットもあるため、短期の資金繰りを乗り切るための選択肢として考えましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは?融資審査に通らない方のための資金調達方法

ファクタリングは、売掛債権を譲渡することで早期に資金化する資金調達方法のことを言います。ファクタリングの場合は、審査対象が資金が必要な会社ではなく、売掛先になります。そのため、銀行融資やビジネスローンよりも、売掛先の信用力が高ければ審査に通りやすいメリットがあります。その上、ファクタリングは「債権の譲渡」でしかないため「借入」として決算書に掲載されないので、今後の銀行取引にもマイナスの影響がありません。

不動産担保ローン

不動産担保ローンを活用した資金調達方法のすべて。審査や金利、借り換え方法を比較

不動産担保ローンは、文字通り、土地、マンション、ビル、店舗、工場、戸建てなどの不動産を担保に資金を調達する資金調達方法のことを言います。無担保のビジネスローンと比較すると担保がある分、「高額な借り入れが可能」「数十年単位の長期間の借り入れが可能」「審査が通りやすい」というメリットがあります。ただし、返済できなければ担保である不動産を失ってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。

資金調達でおすすめのビジネスローンはこちら
ビジネスローン
資金調達でおすすめの不動産担保ローンはこちら
不動産担保ローン
資金調達でおすすめのファクタリングはこちら
ファクタリング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

資金調達のコンサルティング、資金調達のサポート事業を行っています。銀行融資から、担保融資、ビジネスローン、不動産担保ローン、ファクタリングまで、様々な資金調達方法を紹介し、資金繰りの改善をお手伝いしています。実際に私が経営している会社でも、様々な方法で資金調達を実現させました。