法人の生命保険を利用しているときに、解約して解約返戻金で資金調達をするという方法があります。
しかし、一定期間が経過していなければ、解約返戻金が支払い済の保険料総額よりも少なく、損をしてしまう可能性があります。また、当然一旦保険を解約して資金繰りの余裕ができてから再度加入することになると、また、一からのスタートになってしまうのです。
この場合、解約返戻金で資金調達するのではなく「契約者貸付制度」を利用して資金調達する方法もあるのです。
契約者貸付制度とは?
生命保険などに加入している場合に解約返戻金の80%~90%の範囲内であれば、いつでも契約者が資金を借りられる制度のこと
です。
つまり、加入している保険を解約することなく、解約返戻金の80%~90%の範囲内で借り入れが可能になるのです。
契約者貸付制度のメリット
保険を解約しないで済む
契約者貸付制度で資金調達をすれば解約しないで済みます。一旦解約して、再度同様の保険に再加入するよりも、返戻率が高い状態で元に戻すことができるのです。
すぐに資金調達が可能
1週間程度あれば「契約者貸付制度」での資金調達が可能です。元々、原資は解約返戻金ですので、銀行融資のような審査はありません。返済できなければ、解約返戻金が戻ってこないことになるだけなので、保険会社にリスクがないからです。
金利が低金利
契約者貸付制度の場合は、保険会社が資金を運用する運用利回りに+0.5%ほどの上乗せをした金利で借りることができます。銀行融資やビジネスローンなどと比較しても、圧倒的に低金利での借り入れが可能になります。2016年現在であれば、2.0%前後の金利と考えて良いでしょう。ちなみに金利は固定金利ですので、借りたときの金利がずっと続きます。
返済条件がない
いつ返済しても良いというのが契約者貸付制度です。仮に返済しないで満期を迎えた場合には、満期保険金から借入金を除いた金額が支払われます。余裕があるときに返済すれば良いのです。
契約者貸付制度のデメリット
解約返戻金よりもやや金額は少なくなる
- 日本国内の保険会社:解約返戻金の80%
- 外資系の保険会社:解約返戻金の90%
が目安となっています。解約返戻金よりも1割~2割用意できる資金が少なくなってしまうデメリットがあります。
契約者貸付制度の手続きの流れ
1.必要書類を記入する
保険会社から申込書を入手して、記入します。また、印鑑証明と保険証券を用意します。
- 契約者貸付申込書
- 印鑑証明
- 保険証券
2.保険の担当者に渡す
用意した必要書類を保険の担当者に渡します。
3.入金される
- 3日~4日:決済手続き完了
- 翌日:入金
まとめ
保険の「契約者貸付制度」は非常に便利な資金調達方法と言っていいでしょう。
解約返戻金の8割程度の資金で十分に資金繰りが改善できるというのであれば、解約するよりも「契約者貸付制度」を利用することをおすすめします。
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