設備投資や資産の購入はせずにリースを活用して資金繰り改善

中小企業や零細企業に限らず、企業活動をする場合にはなんらかの設備が必要になります。多くの企業では、銀行から融資を受けて、設備を購入する「設備投資」によって必要な設備を調達するのですが、単純に購入するという方法は資金繰りを悪化させてしまうリスクもあるのです。今回は設備投資や資産の購入はせずにリースを活用して資金繰り改善をする方法について解説します。

リースとは

設備を必要とする会社の代わりにリース会社がその設備を購入し、リース料をもらって一定期間賃貸する取引のこと

を言います。

レンタルと何が違うの?

レンタルは、レンタル元の会社がすでに保有している設備を貸し出すサービスで、リースは顧客が必要とする設備・資産をリース会社が購入して貸し出すサービスです。レンタルの場合はあらかじめ貸せる商品が決まっているのに対して、リースの場合は購入できる設備や資産であればほとんどなんでもサービスの対象になります。

リースの仕組み

lease_shikumi
  1. 「資産・設備を必要とする会社」が「販売会社」から見積もりを取る
  2. その見積もりを元に「リース会社」に申込みをする
  3. 「リース会社」はその見積もりを元にリース料を決定する
  4. リース料に納得がいけば「資産・設備を必要とする会社」と「リース会社」がリース契約
  5. 「リース会社」は「販売会社」から該当資産を購入する
  6. 「販売会社」は「資産・設備を必要とする会社」に納品する
  7. 「資産・設備を必要とする会社」は納品されたものに問題ないか?検収する
  8. 問題なければ設備を利用して、毎月リース料を「リース会社」に支払う

という仕組みなっています。

購入ではなくリースを活用するメリット

リース料は全額損金計上できる

資産の場合は減価償却しなければならないため、数年、数十年に渡って費用計上をしなければなりません。しかし、リース料であれば全額損金計上できるので、毎月の損益管理が簡単になり、税金対策にもなります。

設備を購入する費用が発生しない

一括で購入した場合にはそれなりの高額な資金が必要になりますが、リースの場合はリース会社が購入費用を支払っています。つまり、購入と比較して手元にキャッシュが残ることになります。設備購入で資金繰りを圧迫しないで済むのです。

コストの把握が容易になる

設備を自腹で購入した場合には、その月だけが大きく赤字になり、その後黒字が続くことになります。しかし、リース契約であれば、毎月のリース料が明確な設備利用料金ということになるので、それに対して利益が出るのか?出ないのか?という視点で毎月の損益を管理することができます。銀行融資で借りて設備購入する場合と比較して、その設備のためのコストであることが明らかになるメリットがあるのです。

購入ではなくリースを活用するデメリット

自社で一括購入するよりも、割高になる

当然、リース会社もビジネスですので購入した価格よりも高くリース料を取らなければ商売がやっていけません。

設備の価格 < リース料金 × リース期間

となるので、リース期間全体のコストで見れば割高になってしまうのです。

中途解約はできない!

リース期間中は中途解約することはできません。リース会社は「リース料金 × リース期間」で利益を得るので、途中で解約されたら元も取れなくなってしまいます。

リプレイス(リースの組み換え)などを提案されることもありますが、これはリース期間を延長する仕組みですので、中途解約とは関係ありません。

所有権はない!

リースの場合には設備を利用することができますが、所有権は購入しているリース会社に帰属します。自社のモノではないのです。

まとめ

リースを利用することで、本来必要であった設備の購入費用を使わないで済むため、資金繰りが改善するメリットがあります。

ただし、ース期間全体のコストで見れば割高になってしまうデメリットもあるので注意が必要です。

注目の資金調達方法

資金調達

資金調達方法には何がある?資金調達方法31種類のメリットデメリット

資金調達方法の種類を徹底網羅して解説しています。資金調達方法は、思っている以上に多くの種類があり、資金調達方法ごとにメリットデメリットが存在します。中小企業であっても、使える資金調達方法は多くあるので、まずは「どのような資金調達方法があるのか?」把握することをおすすめします。資金調達の選択肢を知ったうえで、メリットデメリットを確認し、自社の状況に合わせた資金調達方法を選びましょう。

銀行融資

銀行融資のすべて。銀行融資を成功に導く申込方法・融資の引き出し方・交渉方法と銀行融資審査

銀行融資は、資金調達の基本中の基本です。そのわりに「銀行からどうやって融資を引き出すのか?」「銀行融資の審査は何を審査しているのか?」「銀行の融資担当者と交渉するときはどうすれば良いのか?」正確に理解している中小企業の経営者はほとんどいないのが現状です。銀行を味方につけることで、企業の資金繰りは何倍も楽になり、会社規模を成長させることができるのです。

ビジネスローン

ビジネスローンを活用した資金調達方法のすべて/130社比較・即日融資・無担保・審査

ビジネスローンは、以前は銀行ビジネスローンが主流でしたが、銀行は貸し倒れの増加に伴いビジネスローンの提供に対してかなり消極的になっています。現時点ではビジネスローンは、大手消費者金融が提供するローンサービスであり、銀行融資よりも、「審査が甘い」「即日融資が可能」という点で中小企業の経営者に重宝される資金調達方法となっています。金利が高いなどのデメリットもあるため、短期の資金繰りを乗り切るための選択肢として考えましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは?融資審査に通らない方のための資金調達方法

ファクタリングは、売掛債権を譲渡することで早期に資金化する資金調達方法のことを言います。ファクタリングの場合は、審査対象が資金が必要な会社ではなく、売掛先になります。そのため、銀行融資やビジネスローンよりも、売掛先の信用力が高ければ審査に通りやすいメリットがあります。その上、ファクタリングは「債権の譲渡」でしかないため「借入」として決算書に掲載されないので、今後の銀行取引にもマイナスの影響がありません。

不動産担保ローン

不動産担保ローンを活用した資金調達方法のすべて。審査や金利、借り換え方法を比較

不動産担保ローンは、文字通り、土地、マンション、ビル、店舗、工場、戸建てなどの不動産を担保に資金を調達する資金調達方法のことを言います。無担保のビジネスローンと比較すると担保がある分、「高額な借り入れが可能」「数十年単位の長期間の借り入れが可能」「審査が通りやすい」というメリットがあります。ただし、返済できなければ担保である不動産を失ってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。

資金調達でおすすめのビジネスローンはこちら
ビジネスローン
資金調達でおすすめの不動産担保ローンはこちら
不動産担保ローン
資金調達でおすすめのファクタリングはこちら
ファクタリング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

資金調達のコンサルティング、資金調達のサポート事業を行っています。銀行融資から、担保融資、ビジネスローン、不動産担保ローン、ファクタリングまで、様々な資金調達方法を紹介し、資金繰りの改善をお手伝いしています。実際に私が経営している会社でも、様々な方法で資金調達を実現させました。