エンジェル投資家とは何か?エンジェル投資家をどこよりもわかりやすく解説

メディアに取り上げられる起業家のインタビューで、エンジェル投資家に感謝しているのをよく目にします。

その他にも、エンジェル投資家になりたい。エンジェル投資家から資金調達したい。エンジェル投資家から声をかけられている。などなど。ベンチャー企業、特にスタートアップの周辺に注目しているとエンジェル投資家、という言葉をよく目にします。

teacher
エンジェル投資家とはどのような投資家でしょうか。
エンジェル投資家とは、アメリカで使われ始めた言葉で、事業を始めたばかりの起業家、ベンチャー企業に資金を投じる個人のことを言います。このような起業家、ベンチャー企業は資金調達に苦労するため、それを支援してくれる天使のようなありがたい存在、ということからエンジェル投資家と呼ばれるようになりました。

しかし、それ以上に明確な定義はありません。つまり、使われる場面によって指しているものが多少異なります。

さらに、最近、エンジェル投資家の対象は大きく変わってきています。

teacher
従来のエンジェル投資家はどのような人か、をまずは説明します。

エンジェル投資家はどんな人たちか?

エンジェル投資家はどんな人たちか?
teacher

エンジェル投資家とはどのような人たちなのでしょうか。

エンジェル投資として成功するために何が必要なのか、を理解することでどのような人がエンジェル投資家に向いているか(そして実際に多いのか)が見えてきます。

エンジェル投資を行うために必要なのは、次の3つです。

  1. お金
  2. 時間
  3. 経営スキル

ポイントは、お金も、時間も、相当に大きな負担がエンジェル投資家にかかる、という点です。

エンジェル投資は多額の資金が必要

エンジェル投資を行うためには多額の資金が必要となります。

投資を行うため、当然にお金(資金)が必要です。しかし、エンジェル投資家として活動するためには、少額の投資できる資金があるだけでは足りず、数千万円以上の個人資産が必要となります。

その理由は3つ挙げられます。

  1. 投資を受ける会社の都合
  2. 投資家のリスク分散
  3. 長期固定資金

投資を受ける会社の都合

ベンチャー企業は資金繰りに窮していることも多く、少額の資金でも調達したいと望んでいることも多くあります。

しかし、株主が増えると、株主に状況を説明するなどのコストがかかります

株主となってもらう前にその人を調べる必要もあり、そこにもコストがかかります。

株主は会社に対して強い権利を持っており、その権利を悪用される可能性があるためです。

株主は経営の状況について知ることになります。

ベンチャー企業によっては事業アイディアを外部に漏らされ、他社(特に資本力のある大手企業)にまねされると事業存続を断念せざるを得ないことにもなりかねません。

そのため、ベンチャー企業としては株主が少ないことを望みます。必要な資金を、少数の株主から調達するためには、一人ひとりの株主から多額に調達する必要があるのです。

そのため、エンジェル投資を行うためにはある程度、まとまった資金が必要になります。

投資家のリスク分散

ベンチャー企業への投資の中でも、エンジェル投資家が投資する、事業が進捗していないシード・アーリーステージのベンチャーへの投資はリスクが高いです。

エンジェル投資家が投資できるということは、ベンチャーキャピタル(VC)が投資できないからです。つまりベンチャーキャピタル(VC)には取れないほどリスクが高い会社に投資することになります。

そのため、投資家としては一社に全てを委ねるのではなく、複数の会社に分散して投資することでリスクを下げる必要があります。

teacher
一社当たりの投資にそれなりの資金が必要となることに加え、複数の会社に投資を行うわけですから、余計に多額の資金が必要になるというわけです。

長期固定資金

ベンチャー企業への投資は長期固定資金となります。長い期間、他の用途には使えないお金で投資する必要がある、ということです。

ベンチャー企業が成功するまでには数年、場合によっては十数年という長い時間がかかります。投資資金を回収するためには、その会社が上場するか、M&Aにより誰かに買われることが必要になります。しかし、そのためには会社が成功している必要があるのです。

また、ベンチャー企業は配当が期待できず、その株式を譲渡する機会も通常はありません(ごくまれにその株式を購入したいという話がありますが、宝くじに当たるような確率だと思って間違いないです)。

エンジェル投資は資金を回収する時期を自分で選ぶことができず、しかも、回収できる時期は遠い将来になります。
エンジェル投資を行うためには、それだけの長い期間、使い道もなく持って置ける資金が必要になります。

エンジェル投資を行うためには時間が必要

エンジェル投資は、資金に加え、時間がかかります。

時間がかかる理由は二つあります。

一つ目は、いい会社に巡り合うためには、多くの起業家と会って話をする必要があるためです。

エンジェル投資の対象となるベンチャー企業はそれぞれ個性的な事業を行っています。情報開示も十分になされていないことが多く、簡単に投資対象が見つかるものではありません。また、会社が事業を行っていないケースもあり、経営者と話をすることが、あるいは話をすることだけが投資判断の手がかりとなるケースも少なくありません。

そしてもう一つは、実際に投資をする前に、調べること、交渉することがたくさんあります。

この先、どうなっていくか分からない会社に投資するため、多くのことを、契約書という書面に残すかどうかはともかく、経営者との間で話し合っておく必要があります。

エンジェル投資を行うためには、それなりに自由に使える時間が必要です。

エンジェル投資を行うためには経営に関する知識が必要

エンジェル投資家を迎え入れるにあたって、ベンチャー企業としては資金だけではなく、経営を支援してくれることを期待しています。その期待に応えるだけの経営に関する知識がなければエンジェル投資家として投資することは困難です。

また、ベンチャー企業の要請がなくとも、投資を成功させるためには、エンジェル投資家が関与せざるをえないケースも多くあります。なぜなら、ベンチャー企業の経営者が経営知識を豊富に持ち合わせていることは期待できないからです。

とくに会社が思った通りに成長しないときには、投資家が経営に介入しなければ持ち直すのが難しく、この時に知識がなければ介入できないのです。

エンジェル投資家に多いのはどのような人たちなのか

お金、時間、経営の知識を共に持ち合わせている人、という条件に当てはまるエンジェル投資に一番多いのは、成功した起業家です。

他にも、弁護士や税理士等、ベンチャー企業との取引が期待できる人も一定数います。従来、エンジェル投資家としてベンチャー企業に投資してきたのはこのような人たちです。

teacher
ベンチャーキャピタル(VC)がいうエンジェル投資家はここまで述べてきた投資家のさらに一部です。ベンチャーキャピタル(VC)はどのような人をエンジェル投資家と呼び、なぜそのような人が会社に投資しているかどうかを気にするのでしょうか。

ベンチャーキャピタル(VC)のいうエンジェル投資家とは?

ベンチャーキャピタル(VC)のいうエンジェル投資家とは?

ベンチャーキャピタル(VC)のいうエンジェル投資家とは

  1. 自分のお金を
  2. 複数の成功する前の未上場企業に
  3. 投資している

人を言います。

自分のお金を投資している人

エンジェル投資家とは自分のお金を投資している人を言います。自分のお金以外のもので投資しているというのは、会社やファンドが投資している場合です。

ソフトバンクの孫正義社長はエンジェル投資家と呼ばれます。ソフトバンクは(グループ会社も含め)ベンチャー企業に多数、投資しています。また、ベンチャー企業に投資するためのファンドを運用しています。

しかし、それを持って孫社長をエンジェル投資家と呼ぶことはありません。それらに加えて、孫社長個人としても、自分の資産から投資していることから、孫社長はエンジェル投資家を呼ばれるのです。

ただし、自分のお金を投資しているからといって、自分の名義で投資しているとは限りません(株主名簿にその個人の名前が記載されるとは限りません)。その個人の資産の運用のみを目的としている会社(資産管理会社)やファンドを通じて出資しているケースもあります。

ベンチャーキャピタル(VC)がエンジェル投資家がいるかどうかを気にする理由は、エンジェル投資家がしばしば会社の経営に大きな影響を及ぼすからです。より具体的には、エンジェル投資家として誰が会社に関与しているかによって、投資するかしないかの判断が変わるからです。

複数のベンチャー企業へ投資している人

エンジェル投資家とはベンチャー企業、つまりは成功する前の未上場企業へ投資している人を言います。

ベンチャーキャピタル(VC)がエンジェル投資家という場合、一社に投資している投資家をエンジェル投資家とは呼ばず、複数の会社に投資している人だけをエンジェル投資家と呼んでいます。

つまり株主に個人がいても、すべてをエンジェル投資家と呼んでいるわけではなく、その中で、他のベンチャー企業にも投資している人だけをエンジェル投資家と呼んでいるのです。

ベンチャーキャピタル(VC)が複数のベンチャー企業へ投資しているエンジェル投資家がいるかを気にする理由は、エンジェル投資家がどの程度、ベンチャーの実務・常識に詳しいかを知るためです。ベンチャーキャピタル(VC)はベンチャーの常識を知らない投資家がいる会社への投資を躊躇します。

あまりベンチャー企業に詳しくないと丁寧に説明する必要があったり、いらぬ誤解が生じてしまう可能性があります。また会社に対して突飛な(常識的ではない)要求をしている可能性があります(他社へも投資していれば、どのような振る舞いをするのか確認することができます)。

投資している人

エンジェル投資家がベンチャー企業へ投資する際の、投資の形式については様々です。

出資(株式あるいは会社が配当する場合に先に配当を受ける権利を有する優先株式等)での投資がもっとも多いです。しかし、貸付の形で投資されているケースも少なくありません。

ただ、どのような形式であっても、それが投資であることが重要です。投資というのは、渡した以上のお金が返ってくることを期待することです。

ベンチャー企業の資金調達は、経営者の家族や、友人知人などからもなされることがあります。一般に家族や友人が資金調達に協力するのは投資目的ではありません。知人の場合にはどのような知り合いなのか、場合によっては本人に直接、資金調達に協力した目的を確認することになります。

ベンチャーキャピタル(VC)が、他の株主の目的を気にする理由は、投資家の間でなるべく意見が割れないようにするためです。ベンチャーキャピタル(VC)は投資目的で資金調達に応じます。

投資目的でない株主とは経営方針を巡って意見が分かれる可能性があるのです。

税務上のエンジェル投資家

税務上のエンジェル投資家
税金は毎年のように制度が変わるため、常に最新の情報を確認する必要があります。以下では2021年2月現在の情報を記載しています。

エンジェル投資家の一部は、税務上、エンジェル投資家として扱われます。

その結果、税金を安く抑えることができます。これを「エンジェル税制」といいます。

一口にエンジェル税制と言っても、どのような税金がどのくらい安くなるのかによって、いくつか種類があります。

税務上のエンジェル投資家に該当するか、またエンジェル税制のどの種類に該当するのか、は以下の2つの条件から判断されます。

  1. 投資対象会社の条件
  2. 投資家側の条件

投資対象会社の条件

エンジェル税制の適用を受けるためには、一定の条件を満たした会社に投資する必要があります。

「一定の条件」はエンジェル税制の種類ごとに変わりますが、4つの点から判断されることは共通しています。

  1. 中小企業であること
  2. 設立からの年数が一定の年数以内であること
  3. 研究または新事業を行っていること
  4. 除外事由への該当していないこと

中小企業であること

エンジェル税制の対象となるためには、投資先がベンチャー企業であることが必要です。税務上、ベンチャー企業は中小企業として規定されています。

どのような会社が中小企業に当たるのか、は業種ごとに要件があります。

例えば、製造業であれば資本金が3億円以下、または従業員が300人以下であることが必要です。またサービス業では資本金が5,000万円以下、従業員は100人以下、であることが必要です。

設立から一定の年数以内であること

設立から長い時間を経過した企業はエンジェル税制の対象とはなりません。

年数は業種には関係なく、受けようとする税金の軽減に応じて2種類あります。

設立から10年以内/設立から3年以内

研究または新事業を行っていること

エンジェル税制の対象となるベンチャー企業はこれからイノベーションを起こそうとする企業です。

イノベーションを起こそうとしている事柄に関与する人数、それとその事柄に費やしている金額によって変わります。また、それぞれの人数、金額は、設立からの年数に応じた要件が定められています。

例えば、設立から間もない会社であればイノベーションを起こそうとしている事柄に関与している人数が二人以上(かつ役職員の10%以上)であれば要件を満たすことができます。

これに対して会社設立から相当な年数(5年以上)が経過している場合には収入の5%以上をイノベーションを起こそうとする事柄に費やしていることが必要です。

除外事由へ該当していないこと

除外事由とは、そのことに該当するとエンジェル税制の適用されない会社となってしまう条件のことを言います。

エンジェル税制の目的に叶わない企業が除外事由に当たるとされています。

具体的には、その会社が風俗営業等に従事している場合のほか、大企業の子会社である場合等が除外事由とされています。

投資家側の条件

エンジェル税制の適用を受けるためには、投資を受ける会社だけではなく、投資する方も一定の条件を満たした投資家であることが必要です。

投資家側の条件は二つあります。

  1. 増資に応じて投資したこと
  2. 対象会社のオーナー、経営者ではないこと

増資に応じて投資したこと

エンジェル税制の適用を受けるためには、金銭の払込を伴う増資に応じて投資したことが必要です。

投資の対象は株式に限定されます。貸付はもとより、新株引受権がついていても社債の引き受けを行った場合にはエンジェル税制が適用されません。また、金銭の払込を伴う増資に限定されることにも注意が必要です。

会社の株式を取得する他の手段、例えば、他の株主からの譲受などではエンジェル税制が適用になりません。会社の株式を取得する手段が現物出資のように金銭の払込を伴わない場合にも適用されません。

対象会社のオーナーではないこと

対象会社のオーナーが会社に投資してもエンジェル税制の対象とはなりません。オーナー以外のエンジェル投資家にだけ、エンジェル税制は適用されます。

オーナーとは、会社の株式の50%超を保有している3名以内のグループ(個人とその親族等)を言います。逆に、オーナーに当たらないのであれば、過去に投資した会社に追加投資する場合であってもエンジェル税制が適用されます。

まとめ

エンジェル投資家とは、成功前のベンチャー企業に対して投資する個人投資家を言います。これまでエンジェル投資家となれるのは、お金にも時間にも余裕があり、会社経営に対する知識と経験を有していて投資先の支援ができるような投資家に限られてきました。

しかし、近年、株式型のクラウドソーシングが開始されたことに伴い、状況は大きく変わりつつあります。

少額から、時間をかけずに、投資先の会社に直接関与することなく、エンジェル投資を行う手段が広がってきています。これまで他の投資、例えば上場株式やFX、仮想通貨への投資を行ってきた個人投資家がエンジェル投資を行う例も増えてきています。

teacher
資金調達を希望するベンチャー企業の側も、ベンチャー企業への投資を希望する投資家の側も、この変化をよく知った上で行動していく必要があるでしょう。

注目の資金調達方法

資金調達

資金調達方法には何がある?資金調達方法31種類のメリットデメリット

資金調達方法の種類を徹底網羅して解説しています。資金調達方法は、思っている以上に多くの種類があり、資金調達方法ごとにメリットデメリットが存在します。中小企業であっても、使える資金調達方法は多くあるので、まずは「どのような資金調達方法があるのか?」把握することをおすすめします。資金調達の選択肢を知ったうえで、メリットデメリットを確認し、自社の状況に合わせた資金調達方法を選びましょう。

銀行融資

銀行融資のすべて。銀行融資を成功に導く申込方法・融資の引き出し方・交渉方法と銀行融資審査

銀行融資は、資金調達の基本中の基本です。そのわりに「銀行からどうやって融資を引き出すのか?」「銀行融資の審査は何を審査しているのか?」「銀行の融資担当者と交渉するときはどうすれば良いのか?」正確に理解している中小企業の経営者はほとんどいないのが現状です。銀行を味方につけることで、企業の資金繰りは何倍も楽になり、会社規模を成長させることができるのです。

ビジネスローン

ビジネスローンを活用した資金調達方法のすべて/130社比較・即日融資・無担保・審査

ビジネスローンは、以前は銀行ビジネスローンが主流でしたが、銀行は貸し倒れの増加に伴いビジネスローンの提供に対してかなり消極的になっています。現時点ではビジネスローンは、大手消費者金融が提供するローンサービスであり、銀行融資よりも、「審査が甘い」「即日融資が可能」という点で中小企業の経営者に重宝される資金調達方法となっています。金利が高いなどのデメリットもあるため、短期の資金繰りを乗り切るための選択肢として考えましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは?融資審査に通らない方のための資金調達方法

ファクタリングは、売掛債権を譲渡することで早期に資金化する資金調達方法のことを言います。ファクタリングの場合は、審査対象が資金が必要な会社ではなく、売掛先になります。そのため、銀行融資やビジネスローンよりも、売掛先の信用力が高ければ審査に通りやすいメリットがあります。その上、ファクタリングは「債権の譲渡」でしかないため「借入」として決算書に掲載されないので、今後の銀行取引にもマイナスの影響がありません。

不動産担保ローン

不動産担保ローンを活用した資金調達方法のすべて。審査や金利、借り換え方法を比較

不動産担保ローンは、文字通り、土地、マンション、ビル、店舗、工場、戸建てなどの不動産を担保に資金を調達する資金調達方法のことを言います。無担保のビジネスローンと比較すると担保がある分、「高額な借り入れが可能」「数十年単位の長期間の借り入れが可能」「審査が通りやすい」というメリットがあります。ただし、返済できなければ担保である不動産を失ってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。

資金調達でおすすめのビジネスローンはこちら
ビジネスローン
資金調達でおすすめの不動産担保ローンはこちら
不動産担保ローン
資金調達でおすすめのファクタリングはこちら
ファクタリング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です