資金繰りができなければ、黒字(利益が出ている)会社であっても倒産する可能性があるということは解説しました。しかし、利益が出ているのに資金繰りができなくなる要因というのはどこにあるのでしょうか?今回は黒字なのに資金繰りが悪化してしまう7つの要因について解説します。
要因その1.設備投資
事業を始めるときには少なからず設備投資が必要になります。
- 店舗
- 事務所
- 工場
- 車
- 機械
- システム
・・・
など事業に必要な設備投資が必要になるのです。
設備投資に必要な資金よりも得られる利益が上回っていれば、資金繰りが悪化することもありませんが、たいていは事業の立ち上げ時の利益が少ない状態で設備投資が必要になるため、出資や借り入れなどで資金調達をしなければなりません。
融資を受ける場合でも、自己資金でねん出する場合でも、支出が増加するため資金繰りは悪化してしまい亜m巣。
要因その2.在庫
小売業や製造業の場合、「在庫を仕入れて売る」ことがビジネスの基本構造となります。
「在庫を仕入れて売る」
1.仕入れる(支払・支出)
2.売る(収入・売上)
という順番になるため、支払いが先に発生することになります。
入金よりも、支払いが先に発生するということは、それだけ資金繰りが悪化することを意味します。
在庫販売の場合、売上が大きくなればなるほど、先に支払う仕入の金額が増加してしまうため、資金繰りは悪化してしまうのです。
要因その3.掛売
ビジネスの慣習として、掛売による信用取引を採用している会社は少なくありません。
掛売とは
一定期間後に代金を受け取る約束で品物を売ること
を意味するので、入金が後になるのです。掛売で発生するお金「売掛金」が大きくなればなるほど、資金繰りは悪化してしまうのです。
要因その4.税金
税金は利益に対して課税されるものがほとんどですが、税金は入金されたかどうか?は関係なく徴収されるものです。
入金されていなくても、期内に売上として計上されていれば、課税されてしまうのです。
売掛金の支払期間が長い場合(手形取引など)は、計上している売上は大きいものの、まだ入金はないという状態で税金の支払いが発生するケースもあるのです。
要因その5.借入返済
設備投資や在庫仕入費用などを銀行融資やビジネスローンなどで賄った場合には、ローンの返済が必要になります。
ローンの返済は、利益が出ているかどうか?という損益は関係なく発生する支払いなので、資金繰りは悪化してしまうのです。
要因その6.売上の長期化
建設業などの場合には、仕事に着手してから売上として計上できるまでに数か月以上の期間が必要になるケースがあります。
単純にマンションwの作るとなれば、完成するのは2年後、3年後ということも少なくありません。売上をして計上し、入金があるまでに数か月、数年先に作業をしなければならないということになるのです。
この場合も、入金よりも先に人件費などの支払いが発生してしまうため、資金繰りは悪化してしまうのです。
要因その7.売掛金の入金遅れ、未入金
信用取引である掛取引を一般化している日本では、往々にしてあるのが売掛金の入金遅れ、未入金です。
売掛金が予定通りに入金されない、倒産やクレームなどで予定していた売掛金が入金されないという自体は、そのまま資金繰りの悪化につながるのです。
赤字ならさらに赤字の分資金繰りが悪化する
前述した要因は、黒字(利益が出ている)の状態でも、資金繰りが悪化してしまう要因ということになります。
毎月、利益が出ているのにもかかわらず
- 設備投資
- 在庫
- 掛売
- 税金
- 借入返済
- 売上の長期化
- 売掛金の入金遅れ、未入金
があれば、資金繰りが悪化してしまい、最悪のケースでは黒字倒産になってしまう可能性すらあるのです。
毎月利益が出ていない赤字の状態であれば、毎月、収入よりも支出の方が大きい状態になるので、前述したケースにさらに赤字という部分が加わり、資金繰りの悪化に拍車をかける状態になるのです。
まとめ
黒字でも資金繰りが悪化する要因は7つある
- 設備投資
- 在庫
- 掛売
- 税金
- 借入返済
- 売上の長期化
- 売掛金の入金遅れ、未入金
経営者は「PL(損益)で利益を出すこと」と同時に上記の7つの項目による、入金と支払いのタイミングとバランスを考慮して、資金繰りを行い、経営破たんしないように管理する必要性があるのです。
売上や利益は従業員一丸で作れるものですが、資金繰りは経営者、経営陣のごく限られたメンバーで実行しなければならないのです。
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