資金繰りが会社経営に重要な理由は利益が出ている黒字の状態であっても、資金繰りができなければ倒産してしまうリスクがあるということです。起業したての経営者の方や個人事業主の方は、「利益を出さなければならない。」と思ってしまいがちですが、利益を出すことは重要な課題である一方で、資金繰りもできなければ黒字倒産のリスクがあるのです。それほど資金繰りと言うのは重要なものなのです。
赤字だから倒産するわけではない
黒字とは
- 収入が支出を上回って剰余が生じた状態のこと
- 利益が出ている状態のこと
- 儲かっている状態のこと
赤字とは
- 支出が収入を上回って欠損が生じた状態のこと
- 損失が出ている状態のこと
- 儲かっていない状態のこと
決算とは
- 年間の収入・支出を計算し、利益や損失を計算すること
を言います。
会社経営で1年間の決算で黒字であれば「黒字決算」、赤字であれば「赤字決算」となります。
サラリーマンであれば、ほとんどの方が「売上を増やすこと」「利益を増やすこと」「支出を抑え④ること」を求められますので
「会社経営は「黒字」でなければならない。」
と勘違いしている方が多い状態になるのです。
とくに起業して間もない経営者の方や個人事業主の方にありがちなのが
利益が出ていない状態「赤字」 = 「倒産」
と考えてしまう方です。
実際には「赤字」という状態はすぐに「倒産」につながるわけではないのです。
倒産とは
- 会社の支払いを期日通りに支払えなくなること
- その結果、事業の運営を継続できなくなること
を意味します。
会社の支払いには
- 従業員の給与支払い
- 毎月の地代家賃
- 取引先からの仕入れ支払い
- 金融機関への借入金の返済
- 税金支払い
・・・
など様々な支払いが含まれますが、これらの支払いができない状態が倒産なのです。
支出が収入を上回る状態「赤字」 ≠ 支払いが期日通りにできない状態「倒産」
ということになるのです。
赤字でも倒産しないケース
収入が100万円で支出が200万円、預金が300万円の会社の場合
収支:収入100万円 - 支出200万円 = -100万円の赤字
になりますが、預金が300万円あるので支払いは期日通りに行うことができます。
つまり、赤字ですが倒産はしません。
黒字でも倒産するケース
収入が300万円で支出が200万円、預金が100万円の会社の場合
収支:収入300万円 - 支出200万円 = +100万円の黒字
になりますが、売上である300万円よりも、支払いである200万円の方が先に発生した場合、会社の預金は100万円しかないので支払いが期日通りに行うことができません。
つまり、黒字なのに倒産します。
赤字でも資金繰りさえできれば倒産しない
赤字だったとしても、支払いが期日通りに行うことができれば倒産しません。
- 銀行融資で資金調達する
- ビジネスローンで資金調達する
- 取引先の支払期日を伸ばしてもらう
- 借入先の返済期日を伸ばしてもらう
・・・
など色々な資金繰り方法を駆使すれば、赤字であったとしても、期日通りに支払うことができ、一旦は倒産を回避することが可能になるのです。
黒字でも倒産するケースは往々にしてある
- 売上が予定通りの期日に入金されなかった
- 売上よりも仕入れの方が先に発生した
という状態になると、資金繰りは一気に悪化します。
商品を販売している会社が先に倒産してしまえば、物は売ったのにお金の入金がないことになってしまいます。支払いが先にでてしまうので、会社にお金がなければ支払いができずに倒産してしまうのです。
まとめ
「利益が出ているかどうか?」と「支払が期日通りに行うことができるかどうか?」は全くの別物なのです。
会社経営において、重要性はどちらも同じぐらい重要なのですが、倒産という会社がなくなってしまう状態に直結するのは「支払が期日通りに行うことができるかどうか?」なのです。
会社経営においては「資金繰り」のノウハウや技術というのは、必要不可欠なものと理解しましょう。
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