銀行融資の審査ではどのような点をチェックして審査が行われるのでしょうか?今回は銀行融資審査のチェックポイント「販売先(取引先)の状況」とその攻略法について解説します。
販売先(取引先)の状況とは?
企業が「BtoB」の業態であれば、取引先に商品やサービスを提供して、対価としてお金をもらうことになります。
販売した取引先からの入金が売上になるため、銀行は企業の安定性を評価するときに「販売先の状況」をチェックするのです。
銀行融資の審査で販売先の状況の何をチェックするのか?
1.販売先の信用力
販売先が大手の上場企業であれば、支払いの遅延はありませんし、上場企業にも評価される商品やサービスと言うことになります。
また、販売先が倒産して「売掛債権が回収できない」という状況にもなりにくいのです。
- 販売先の信用力が高い = 銀行融資の審査評価が高い
2.販売先との取引期間
販売先との取引期間は長ければ長いほど「安定している」と評価されます。「安定」というのは、
今後も継続して発注してもらえる可能性が高いということです。先月はじめて取引をしたという販売先よりも、ここ3年間継続して利用してくれているという販売先が多い方が良いのです。
- 販売先との取引期間が高い = 銀行融資の審査評価が高い
3.販売先の分散
売上構成の50%以上を1社の販売先が占めているような状況では、その会社への依存度が高く、かりにその会社が倒産してしまえば、会社の経営はたちまち苦しくなってしまいます。銀行は1社の販売先に経営が依存する状態を嫌うのです。
- 売上構成比に対する販売先が分散されている = 銀行融資の審査評価が高い
仕入先もチェックされる?
仕入先もチェックされることに違いはありません。
仕入先はお金を支払う取引先であって、お金をもらう取引先の販売先と比較すると銀行融資における重要度はかなり下がってしまいます。
しかし、「この仕入先があるからこそ、商品の競合優位性が構築できている」という場合には、仕入先の信用力や取引期間も販売先と同様に審査されます。
- 性能の良い仕入先
- コストの安い仕入先
- 要求に迅速にこたえてくれる仕入先
は販売先と同じぐらい大切な存在なのです。
銀行融資「販売先(取引先)の状況」の審査の攻略法
大手の顧客を増やそう
銀行融資のためと言うよりも、経営のベースになってしまうことですが、経営を安定させるためには信用力の高い顧客を持つことが重要になります。大手企業との取引が増えれば「あの大手も使っているんだ。」という形で、他の大手顧客も増える可能性が高まるのです。
リピーターを増やそう
取引期間の長さが需要になるということは「一見さん」よりも、「リピーター」を増やして、リピート期間を長くすることが重要になります。販売してからの顧客満足度が高くなる商品設計、サービス設計が求められます。営業力よりも、商品力が重要になります。
顧客数を増やそう
1社の販売先の売上依存度を下げるためには、販売先の数を増やすことが重要になります。大口顧客が狙って増やせればそれに越したことはありませんが、大口顧客がいきなり現れるわけではないので、小口から信用を高めて取引額を増やす形がベターなのです。だとすれば、まずは「顧客数を増やすこと」を重視して経営、販売活動を行うべきです。
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