銀行融資審査のチェックポイント「会社の資産、個人の資産」とその攻略法

銀行融資の審査ではどのような点をチェックして審査が行われるのでしょうか?今回は銀行融資審査のチェックポイント「会社の資産、個人の資産」とその攻略法について解説します。

会社の資産と融資審査

銀行「会社の資産が多ければ、いざという時(返済ができなくなったとき)に資産を売却することで返済ができる可能性が高い。」と考えます。

資産を担保として融資をしている場合も当然、資産に対する審査をするのですが、資産を担保にしていない場合でも、同様に会社の資産に対する審査を行うのです。

担保にしていなくても、返済が滞れば資産を売却して返済を迫ることができるからです。他の債権者に取られてしまう可能性もあるので、担保よりは確実性が下がるものの、融資審査では「会社資産がどのくらいあるのか?」も重要なチェックポイントとなります。

主な会社の資産

流動資産

  • 現金
  • 預金
  • 有価証券
  • 受取手形
  • 売掛金
  • 短期貸付金
  • 棚卸資産

固定資産

  • 土地
  • 建物
  • 設備
  • 特許権
  • 借地権
  • 子会社株式

など、賃借対照表で資産の部に入り、売却すれば現金化できるものが審査対象と考えて良いでしょう。

資産の含み益と含み損

じゃあ、決算書に載っている資産の部の金額をそのまま融資審査で評価するか?というとそうではありません。

なぜなら、決算書に掲載されている金額は取得時の金額であることが多く、時価で記載している会社は中小企業には少ないからです。

バブル時代に1億円で購入した不動産があったとしても、今の時価は5000万円かもしれません。この場合、決算書に1億で掲載されていたとしても、それを鵜呑みにして融資審査をしてしまったら、実際は5000万円でしか売れなったということになってしまうので、銀行は時価で資産の評価をするのです。

この状態を含み損と言います。

銀行の融資審査では、不動産や株式など売却価格が変動するタイプの資産は時価で評価します。含み益、含み損を含めて、決算書の賃借対照表をチェックするのです。

個人の資産と融資審査

個人の資産って融資審査と関係あるの?

と多くの方は思うかもしれませんが、銀行融資の場合、法人に対しての融資だとしても、経営者は連帯保証人になることを求められます。

ということは、法人として会社が返済できなければ、個人が残りの債務を負うのです。

個人に資産が多くあれば、銀行としては「万が一会社が返済できずに倒産したとしても、個人の資産を売却して回収できる可能性が高い。」と判断し、融資審査ではプラスの評価になるのです。

「なぜ、個人が責任を負わなければならないの?」

と思ってしまうかもしれませんが、残念ながら日本の銀行はそういう方式を取っているのです。

銀行融資「会社の資産、個人の資産」の審査の攻略法

含み益が出ている資産があれば報告する

不動産や株式(有価証券)など価格が取得時よりも上昇して、含み益が出ている資産があれば銀行にその証拠も含めて提示しましょう。

含み損が出ている資産があれば報告しない

基本的に含み損の場合は、銀行が勝手に含み損を調べてくれます。わざわざこちらから申し出る必要はないのです。

個人の資産があれば報告した方が融資審査の評価は上がる

前述した通りで、連帯保証人である経営者の個人資産があれば、銀行は融資審査の評価を上げます。個人資産は決算書には掲載されていないので、こちらから報告しないと銀行は把握できません。融資審査の評価を上げたいのであれば、個人資産を開示することも選択肢の一つです。

注目の資金調達方法

資金調達

資金調達方法には何がある?資金調達方法31種類のメリットデメリット

資金調達方法の種類を徹底網羅して解説しています。資金調達方法は、思っている以上に多くの種類があり、資金調達方法ごとにメリットデメリットが存在します。中小企業であっても、使える資金調達方法は多くあるので、まずは「どのような資金調達方法があるのか?」把握することをおすすめします。資金調達の選択肢を知ったうえで、メリットデメリットを確認し、自社の状況に合わせた資金調達方法を選びましょう。

銀行融資

銀行融資のすべて。銀行融資を成功に導く申込方法・融資の引き出し方・交渉方法と銀行融資審査

銀行融資は、資金調達の基本中の基本です。そのわりに「銀行からどうやって融資を引き出すのか?」「銀行融資の審査は何を審査しているのか?」「銀行の融資担当者と交渉するときはどうすれば良いのか?」正確に理解している中小企業の経営者はほとんどいないのが現状です。銀行を味方につけることで、企業の資金繰りは何倍も楽になり、会社規模を成長させることができるのです。

ビジネスローン

ビジネスローンを活用した資金調達方法のすべて/130社比較・即日融資・無担保・審査

ビジネスローンは、以前は銀行ビジネスローンが主流でしたが、銀行は貸し倒れの増加に伴いビジネスローンの提供に対してかなり消極的になっています。現時点ではビジネスローンは、大手消費者金融が提供するローンサービスであり、銀行融資よりも、「審査が甘い」「即日融資が可能」という点で中小企業の経営者に重宝される資金調達方法となっています。金利が高いなどのデメリットもあるため、短期の資金繰りを乗り切るための選択肢として考えましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは?融資審査に通らない方のための資金調達方法

ファクタリングは、売掛債権を譲渡することで早期に資金化する資金調達方法のことを言います。ファクタリングの場合は、審査対象が資金が必要な会社ではなく、売掛先になります。そのため、銀行融資やビジネスローンよりも、売掛先の信用力が高ければ審査に通りやすいメリットがあります。その上、ファクタリングは「債権の譲渡」でしかないため「借入」として決算書に掲載されないので、今後の銀行取引にもマイナスの影響がありません。

不動産担保ローン

不動産担保ローンを活用した資金調達方法のすべて。審査や金利、借り換え方法を比較

不動産担保ローンは、文字通り、土地、マンション、ビル、店舗、工場、戸建てなどの不動産を担保に資金を調達する資金調達方法のことを言います。無担保のビジネスローンと比較すると担保がある分、「高額な借り入れが可能」「数十年単位の長期間の借り入れが可能」「審査が通りやすい」というメリットがあります。ただし、返済できなければ担保である不動産を失ってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。

資金調達でおすすめのビジネスローンはこちら
ビジネスローン
資金調達でおすすめの不動産担保ローンはこちら
不動産担保ローン
資金調達でおすすめのファクタリングはこちら
ファクタリング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

資金調達のコンサルティング、資金調達のサポート事業を行っています。銀行融資から、担保融資、ビジネスローン、不動産担保ローン、ファクタリングまで、様々な資金調達方法を紹介し、資金繰りの改善をお手伝いしています。実際に私が経営している会社でも、様々な方法で資金調達を実現させました。