銀行に融資の審査を申込んだときに「他の銀行で融資を断られた」という情報は伝わっているのでしょうか?銀行の融資審査における顧客情報の情報共有について解説します。
銀行の融資審査で他の銀行の融資状況は影響するのか?
影響しない融資と影響する融資があります。
銀行が提供している融資の種類として主なものには
- プロパー融資
- 保証付融資
- ビジネスローン
がありますが、他社情報が共有されるのか?どうか?どの融資方法を選択するかによって変わってくるのです。
銀行プロパー融資の場合
他社の融資情報は銀行に伝わりません。
銀行プロパー融資の場合は、銀行が自社の責任で融資を行うため、ライバル銀行の融資情報などは入ってきません。また、自社の顧客情報を他の銀行に漏らすということも、ありえませんので、基本的に銀行間の顧客情報の共有は起こらないのです。
A銀行に申込んでプロパー融資の審査落ちをしたとしても
B銀行に申込んだときに「A銀行で融資審査に落ちた事実」は伝わらない。審査にも影響しない
と言えます。
保証付融資の場合
他の銀行の審査落ちは、融資審査に影響があります。
信用保証協会の保証付融資の場合は、銀行も融資審査を行いますが、信用保証協会も審査を行うのです。
- A銀行の保証付融資で審査をする信用保証協会
- B銀行の保証付融資で審査をする信用保証協会
というのは同じ協会ですから、情報も当然共有されているのです。
A銀行に申込んで保証付融資の審査落ちをした場合
B銀行に保証付融資の審査を申込んでも、審査をするのは同じ保証協会なので審査落ちになる可能性が高い
と言えます。
ただし、B銀行の担当者の方が熱心に保証協会に交渉してくれた、という場合にB銀行で保証付融資の審査に通る可能性はゼロではないのです。
ビジネスローンの場合
他の銀行の審査落ちは、融資審査に影響があります。
ビジネスローンの場合は、法人向けの無担保ローンとして、信用情報を確認することになります。
信用情報というのは
銀行、金融機関、消費者金融、クレジットカード会社で顧客情報を共有する情報ネットワークのこと
です。
銀行ビジネスローンでは、信用情報をチェックして、他の金融機関の借入状況、返済状況、返済事故の有無などを確認して審査を行うのです。
そのため、他の金融機関のビジネスローンに申込んだ、他の金融機関のビジネスローンを借りている場合の情報というのは銀行にも把握されてしまうのです。
A銀行のビジネスローンに申込んで審査落ちをした場合
B銀行にビジネスローンを申込んでも「A銀行のビジネスローン審査に申込んだこと、落ちたこと」は把握されてしまうのです。
ただし、そのことが直接、B銀行のビジネスローンの審査落ちになるわけではありません。ビジネスローンの審査基準は銀行ごとに違うので、A銀行のビジネスローン審査に落ちたという事実は審査の評価はマイナスになってしまいますが、審査基準が異なるのでそれでも審査通過する可能性は残されているのです。
まとめ
銀行の融資に関する他社利用の情報共有は
プロパー融資 → 情報共有なし・審査に影響しない
保証付き融資 → 情報共有あり・同じ審査結果になる可能性が高い
ビジネスローン → 情報共有あり・審査にはマイナスの影響がある
ということになります。
中小企業の場合は、保証付き融資やビジネスローンが資金調達の中心になってくるため、情報共有の融資審査に対する影響はあると考えておいた方が良いでしょう。
手当たり次第に融資を申込むことよりは、銀行が安心して融資ができる資料や対応、プレゼンテーションなどに力を入れた方が融資が受けられる可能性は高くなるでしょう。
コメントを残す