不動産担保型L&Fカードローンは、株式会社L&Fアセットファイナンスが扱う不動産担保型のカードローンです。1,000万円から5億円までの融資限度額を先に設定し、その枠の中で必要なときに必要な額だけ引き出す形になります。
不動産担保ローンというと、借りるたびに契約を結んで毎月元金と利息を返していく証書貸付を思い浮かべる方が多いはずです。この商品はそこが違います。担保に設定するのは抵当権ではなく根抵当権で、毎月の支払いは利息分のみ。同社が別に扱う不動産活用ローンとは、担保の付け方から返済の考え方まで設計が分かれています。
この記事では、公式サイトに公表されている融資条件を項目ごとに確認します。数値は2026年9月10日時点で掲載されていたもので、条件表そのものには「2026年4月1日現在」と付されています。
結論:枠を先に作る商品で、少額・一度きりの借入には向かない
この商品が噛み合うかどうかは、次の4点で判断できます。
- 融資限度額の下限が1,000万円 300万円程度の資金需要には設計が合わない
- 融資事務手数料と解約違約金がいずれも「なし」 枠を作っただけで費用が出ていく設計ではない
- 毎月の支払いは利息分のみ 元金は返済期間内に自分のタイミングで返す
- 返済期間は3年 更改はできるが再審査がある
逆に言えば、1回だけまとまった資金を借りて長期で返したい場合は、同社の不動産活用ローン(証書貸付)のほうが素直です。枠を持っておくこと自体に価値があるかどうかが、この商品を選ぶかどうかの分かれ目になります。
公表されている融資条件
公式サイトの「ご融資条件」に掲載されている項目を、表記のまま整理します。
| 適用年率 | 4.14%〜8.70%(毎月の返済額の計算に用いる利率) |
|---|---|
| 実質年率 | 4.14%〜8.70%(支払利息だけでなく、手数料などすべての支払いを年率換算したもの) |
| 返済の方式 | 元金自由返済方式 |
| 返済期間 | 3年(契約更改可、再審査あり) |
| 返済回数 | 36回 |
| 融資限度額 | 1,000万円〜5億円 |
| 融資事務手数料(税込) | なし |
| 解約違約金 | なし(期限前償還等を行う場合の違約金) |
| 遅延損害金 | 年率19.50% |
| 担保(不動産) | 不動産に根抵当権を設定 |
| 担保(債権) | 抵当建物の火災保険金請求権等に質権を設定する場合がある |
| 連帯保証人 | 原則不要。ただし審査結果によっては求める場合がある |
| 融資対象者 | 個人/個人事業主/法人 |
ここで目を引くのは、適用年率と実質年率が同じ数字で示されていることです。不動産担保ローンでは、契約利率とは別に「実質年率15.00%以下」といった上限だけを示す会社が少なくありません。手数料が「なし」であれば、支払利息以外に年率へ乗るものがないので、2つの数字が一致します。数字が一致していること自体が、手数料がかからないという記載の裏づけになっています。
「元金自由返済方式」で毎月いくら払うのか
返済の方式が元金自由返済方式であること、そして毎月の支払いが利息分のみであることは、この商品の性格をいちばん強く決めています。公式サイトの返済シミュレーションには、毎月の返済額は元金に対する利息分のみで「元金×利率÷12」で算出する、と説明されています。
この式にあてはめると、借入残高ごとの毎月の支払いは次のようになります。適用年率の下限と上限で置いた、当サイトによる計算です。
| 借入残高 | 適用年率4.14%のとき | 適用年率8.70%のとき |
|---|---|---|
| 1,000万円 | 34,500円/月 | 72,500円/月 |
| 3,000万円 | 103,500円/月 | 217,500円/月 |
| 5,000万円 | 172,500円/月 | 362,500円/月 |
3,000万円を引き出したまま3年間まったく元金を返さなかった場合、支払う利息の総額は年4.14%で約372万円、年8.70%で約783万円という計算になります。毎月の負担は軽く見えても、元金が減らない期間が長引くほど利息の総額は積み上がります。公式サイトにも、返済期間内に元金の支払いが必要であると明記されています。
元金自由返済方式は、資金繰りに波がある事業者にとって使いやすい仕組みです。売上が入る月に元金を厚く返し、支出が重なる月は利息だけにする、といった調整ができます。ただしそれは自分で返済計画を管理できることが前提であり、毎月の請求額が小さいことを理由に元金を放置すると、3年後の期限で行き詰まります。
担保に設定するのは抵当権ではなく根抵当権
公表条件では、担保として「不動産に根抵当権を設定させていただきます」と書かれています。証書貸付で使われる抵当権とは、性格が違います。
抵当権は、特定の1つの債権を担保するために設定します。その借入を完済すれば抵当権は役目を終えます。これに対して根抵当権は、あらかじめ決めた極度額の枠の中で、繰り返し発生する債権をまとめて担保します。枠の中で借りたり返したりを繰り返しても、そのたびに登記をやり直す必要がありません。カードローンのように繰り返し利用する商品で根抵当権が使われるのは、この性質があるためです。
公式サイトの説明でも、金銭消費貸借基本契約と根抵当権の設定登記が完了すれば、利用限度額の範囲内で繰り返し利用できるとされています。裏を返せば、最初の登記が終わるまでは枠を使えません。同じページには、担保となる不動産の調査等で数日間かかることもあり、審査段階では他のカードローンよりも融資までに時間がかかる、という説明も置かれています。
もうひとつ、同じ根抵当権の枠の中で証書貸付とカードローンを同時に契約できるとも書かれています。長期で返す運転資金は証書貸付、急ぎの仕入資金や手付金はカードローン、という使い分けを想定した説明です。抵当権と根抵当権の違いそのものについては、抵当権と根抵当権の違いで仕組みを整理しています。
枠を畳むときの手順も、抵当権とは違います。元本の確定という段階を通さないと極度額の減額も請求できません。詳しくは根抵当権はいつ終わるのかで条文ごとに確認しています。
借りる金額で、受け取り方と着金日が変わる
枠を作ったあと、実際に資金を引き出すときの手順も公表されています。金額の区分ごとに、融資方法と送金日が分かれます。
200万円以下はセブン銀行ATMから出金でき、利用上限は1回50万円・1日200万円と記載されています。200万円から2,000万円までは振込融資で、平日9時から13時の間に電話で申し出れば送金日は当日。2,000万円を超えると送金日は2営業日後になります。
「枠があるから即日」と単純化できないのは、この2営業日後という区分があるためです。不動産の売買の手付金など、金額が大きく期日が動かせない支払いに使う場合は、この日数を織り込んで動く必要があります。不動産担保ローン全体で融資までにどれくらいかかるかは、不動産担保ローンの即日融資で各社の公表値を比べています。
返済側も同じページに書かれています。セブン銀行ATMと振込のどちらでも入金でき、ATMの場合は1回あたり50万円が限度で1日あたりの上限はないとされています。全額返済するときは事前に連絡が必要で、期限前償還等を行う場合の違約金は発生しないと明記されています。
同じ会社の証書貸付と何が違うか
L&Fアセットファイナンスは、この商品とは別に不動産活用ローンという証書貸付型の不動産担保ローンを扱っています。どちらを選ぶかで条件がどう変わるかを並べます。
差が大きいのは3か所です。ひとつは金利の示し方。不動産活用ローンは短期プライムレートの実数(年率2.125%、2026年4月1日現在)に1.515%〜5.675%を上乗せする形で公表しており、変動の根拠を検算できます。カードローンは4.14%〜8.70%という結果の数字だけで、上乗せ幅の内訳は示されていません。
2つめは費用。不動産活用ローンは融資事務手数料が融資金額の2.20%、繰上げ返済には元金の3.00%以内の解約違約金がかかります。カードローンはどちらもなしです。3,000万円を借りる場合、事務手数料だけで66万円の差になります。
3つめは期間。不動産活用ローンは1年超から35年以内で組めるのに対し、カードローンは3年で、更改には再審査があります。長期の設備資金を安定した条件で借りたいなら、期間の面では証書貸付のほうが向きます。同社の証書貸付側の条件はL&Fアセットファイナンスの不動産活用ローンで個別に確認しています。
金利の根拠が公表されていない、という違い
もう少しだけ金利の示し方にこだわります。同社の不動産活用ローンは、変動金利型の適用年率を「短期プライムレート年率2.125%(2026年4月1日現在)+1.515%〜5.675%」という形で公表しています。基準になる数字と上乗せ幅の両方が出ているので、なぜその年率になるのかを追えます。
一方でカードローンの適用年率は4.14%〜8.70%という結果の数字だけです。何に連動して動くのか、そもそも変動するのかどうかが条件表からは読み取れません。公表されていないことを推測で埋めるわけにはいかないので、ここは「確認できなかった」と書いておきます。
この違いは、借入期間が長くなるほど効いてきます。基準が公表されていれば、その基準の動きを見て自分の負担がどう変わるかを予想できます。公表されていなければ、通知を待つしかありません。3年ごとの更改があるこの商品で、更改時の年率がどう決まるかは、申込前に直接確認しておく価値のある項目です。
なお、日本銀行が公表している短期プライムレートの最頻値は、令和8年8月3日実施分で2.375%になっています。同社が条件表に載せている2.125%は2026年4月1日現在の表示なので、時点が違います。基準金利の表示は各社が自社の基準日で更新するものであり、日本銀行の公表値がそのまま各社の条件に反映されているとは限りません。
個人が使う場合、担保にできない不動産がある
公表条件には、見落とすと申込の前提が崩れる注意書きがあります。消費性資金の場合、担保物件は「ご自宅等、生計の維持に不可欠な不動産」以外の物件に限る、というものです。具体例として、更地、現況空家の戸建や区分所有マンション、住居や駐車場として賃貸中の物件(賃料収入で生活費をまかなっている場合を除く)が挙げられています。
公式サイトの解説では、この制約を貸金業法の総量規制と結び付けて説明しています。個人向けの貸付けでは、自宅など生計の維持に不可欠な不動産を担保にすると総量規制の対象から外れず、年収の3分の1という枠に縛られるという趣旨です。逆に、更地や空家、賃貸中のアパートや駐車場などを担保にする場合は総量規制の対象外になる、と書かれています。
ここは事業者と個人で読み方が変わるところです。法人や個人事業主が事業資金として借りる場合、この制約はそもそも当てはまりません。一方、個人が自宅を担保に生活資金を借りようとしている場合は、この商品では前提が合わない可能性が高くなります。担保にできる物件を持っているかどうかを、申し込む前に確認しておく必要があります。
必要になる書類
必要書類も対象者ごとに公表されています。担保物件に関するものと、申込者に関するもの、収入に関するものの3つに分かれます。
| 区分 | 個人 | 個人事業主 | 法人 |
|---|---|---|---|
| 担保物件関係 | 不動産の登記事項証明書、公図・地積測量図・建物図面 | ||
| 申込者関係 | 住民票の写し[世帯全員](本籍地・マイナンバー・住民票コード省略のもの)、写真付公的証明書(マイナンバーカード、運転免許証等) | 代表者の住民票の写し(本籍地・マイナンバー・住民票コード省略のもの)、代表者の写真付公的証明書 | |
| 収入関係 | 源泉徴収票(直近年度分)、確定申告書類(直近3年度分)※確定申告している場合 | 確定申告書類(直近3年度分) | 決算書、確定申告書類(直近3年度分) |
加えて、審査時・契約時に必要となる書類(納税証明書、印鑑証明書等)については、申込者や担保物件によって内容や通数が異なるため、申込時に別途案内すると書かれています。公表されている一覧がそのまま最終的な必要書類にはならないという点は、日程を組むうえで押さえておきたいところです。
公図や地積測量図は法務局で取り寄せるもので、思い立った当日に手元にあることはまずありません。書類の準備で日数が延びる構造については、不動産担保ローン審査の実態で担保余力と掛け目の考え方とあわせて整理しています。
3年で期限が来る。更改には再審査がある
返済期間が3年・36回であることの意味は、単に「3年で完済しなければならない」ということだけではありません。公式サイトは、最終期限到来時には契約の更改も可能(再審査あり)としています。
つまり、3年ごとに審査を受け直す前提の商品です。決算の内容が変わっていれば、更改時の条件が今と同じとは限りません。枠を長く持ち続けることを前提に資金計画を立てるなら、この再審査を織り込んでおく必要があります。
公式サイトには、最終期限までに元金を返済すれば問題なく、長期での返済を計画している人でも利用できるという説明もあります。ただしこれは更改が前提の説明であり、更改が必ず認められると書かれているわけではありません。ここは「できる」と「保証される」を分けて読むべき箇所です。
会社の基礎情報と貸金業登録
資本の出し手が銀行グループであることと、この商品が銀行融資として扱われることは別です。公式サイトの企業情報から、確認できる事項を抜き出します。
| 商号 | 株式会社L&Fアセットファイナンス(L&F Asset Finance, Ltd.) |
|---|---|
| 本店 | 〒105-0004 東京都港区新橋2-20-1 新橋三泉ビル |
| 代表者 | 代表取締役社長 亀田 隆 |
| 貸金業登録番号 | 関東財務局長(11)第01092号 |
| 登録有効期間 | 令和8年8月22日〜令和11年8月21日 |
| 加盟団体 | 日本貸金業協会会員 第000338号/日本クレジット協会会員 |
| 資本金 | 60億円 |
| 主要株主 | 横浜フィナンシャルグループ85%/三井住友信託銀行15% |
| 会社格付 | 日本格付研究所(JCR)長期発行体格付 AA(見通し 安定的)、コマーシャルペーパー J-1+(2026年5月現在) |
| 従業員数 | 429名(2026年3月31日現在) |
| 営業拠点 | 仙台・東京(新橋・新宿・池袋)・横浜・名古屋・大阪・広島・福岡 |
貸金業登録を受けた貸金業者であるという点は、契約の性格を判断するうえで重要です。この商品は銀行の融資ではなく、貸金業者による貸付けです。登録番号は金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで照合できます。会社を確かめるときにどこを見るかは、不動産担保ローン会社の選び方にまとめています。
向いている使い方と、向かない使い方
公表条件から読み取れる範囲で、噛み合う場面と噛み合わない場面を整理します。
- 向いている 賃貸物件の大規模修繕など、支出の時期が読めるがまとまった額が必要な場面
- 向いている 仕入や物件取得のチャンスに備えて、あらかじめ枠を確保しておきたい場面
- 向いている 毎月の固定的な返済負担を抑えて、キャッシュフローを安定させたい場面
- 向かない 必要額が1,000万円に満たない場面
- 向かない 1回だけ借りて、長期で毎月きちんと減らしていきたい場面
- 向かない 自宅しか担保にできる不動産がなく、個人として消費性の資金を借りたい場面
公式サイトが挙げている利用イメージも、賃貸オーナーの大規模修繕、急な仕入れ資金や運転資金、投資用不動産の購入資金、月々の支払いを抑えたい場面の4つでした。いずれも「金額が大きく、タイミングが読みにくい支出」に寄っています。
申し込む前に確認しておきたいこと
公表条件からは分からず、個別に確かめる必要がある点があります。
- 自分の場合の適用年率が4.14%〜8.70%のどのあたりになるか(審査結果で決まる)
- 根抵当権の設定登記にかかる登記費用・印紙代・証明書の発行手数料がいくらになるか
- 担保にしたい物件に先順位の担保権が設定されている場合の扱い
- 枠を設定したあと、使わなかった期間に発生する費用があるかどうか
- 更改時の再審査で見られる項目
2つめは特に見落とされやすい部分です。公式サイトの解説にも、諸費用として抵当権を設定するための登記費用、印紙代、納税証明書等の発行手数料がかかり、諸費用の取り扱いは金融機関によって違うので事前によく確認するとよい、と書かれています。融資事務手数料が「なし」であることと、登記に伴う実費がかからないことは別の話です。
よくある質問
融資限度額の下限はいくらですか。
1,000万円です。上限は5億円と公表されています。同社の不動産活用ローンは300万円からなので、少額の資金需要ではそちらのほうが条件に合う可能性があります。
毎月の返済額はどうやって決まりますか。
公式サイトの返済シミュレーションでは、毎月の返済額は元金に対する利息分のみで「元金×利率÷12」で算出すると説明されています。元金は返済期間内に自分のタイミングで返す形になります。
手数料は本当にかからないのですか。
融資事務手数料(税込)は「なし」、解約違約金も「なし」と公表されています。ただし、根抵当権の設定登記にかかる登記費用や印紙代、納税証明書等の発行手数料は別にかかると公式サイトの解説に書かれています。
自宅を担保にできますか。
消費性資金の場合、担保物件は「ご自宅等、生計の維持に不可欠な不動産」以外の物件に限ると公表条件に書かれています。事業資金として借りる場合の扱いは条件表からは判断できないため、直接確認してください。
3年経ったらどうなりますか。
返済期間は3年(36回)で、最終期限到来時には契約の更改も可能とされています。ただし更改には再審査があります。更改が認められる保証はないため、期限までに元金を返す計画は別に用意しておく必要があります。
即日で借りられますか。
枠を設定したあとであれば、200万円以下はセブン銀行ATMから出金でき、200万円から2,000万円までは平日9時から13時の間に電話で申し出ると当日の送金になると記載されています。ただし2,000万円を超える場合の送金日は2営業日後です。また、最初に枠を作るまでには担保物件の調査や根抵当権の設定登記が必要で、公式サイトも数日間かかることがあると説明しています。
この記事の調査方法
本文の数値と条件は、L&Fアセットファイナンスの公式サイトに掲載されている内容を2026年9月10日に確認したものです。融資条件は同社が「2026年4月1日現在」として掲載している表、企業情報は同社の会社概要ページによります。
毎月の支払額と3年間の利息総額の試算は、公式サイトが示している「元金×利率÷12」という算式にあてはめた当サイトの計算です。特定の申込者に適用される条件を示すものではありません。審査の結果や適用される年率について、当サイトは判断も保証もしません。申込にあたっては公式サイトで最新の条件を確認し、必要に応じて同社へ直接お問い合わせください。
不動産担保ローン全体の仕組みと費用が発生する場所は不動産担保ローンとはに、事業者向け各社の公表条件の一覧は不動産担保ローンを条件で絞るにまとめています。金利の比べ方は不動産担保ローンの金利比較で扱っています。
出典
- L&Fアセットファイナンス「不動産担保型L&Fカードローン」(ご融資条件は2026年4月1日現在の表示。2026年9月10日確認)
- L&Fアセットファイナンス「不動産担保ローン(不動産活用ローン)」(2026年9月10日確認)
- L&Fアセットファイナンス「企業情報/会社概要」(2026年9月10日確認)





