【要確認】ビジネスローン審査基準の中身と審査の甘いビジネスローンの選び方

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「ビジネスローンって審査が甘いって本当なの?」
「ビジネスローン審査の基準ってどこにあるの?」
「ビジネスローン審査に落ちたんだけど、なぜ?」
「審査の甘いビジネスローンを教えてください。」

「ビジネスローン審査はどうなっているのか?」その内容を理解したい経営者の方、個人事業主の方も多いと思います。今回はビジネスローンの審査基準と審査の甘いビジネスローンの選び方について解説します。

ビジネスローン審査が甘いって本当?

ビジネスローン審査が甘いって本当?

何と比較して、というのはありますが・・・、銀行融資と比較するのであれば

銀行融資と比較すれば、ビジネスローン審査が甘いのはその通りです。

なぜかというと

「ビジネスローンとは、元々銀行が融資基準に満たない零細企業、中小企業向けに開発したローン商品だから」

です。

ビジネスローンは今でこそ、ノンバンク系のビジネスローンが主流ですが、もともとは銀行が自社の基準で融資ができない、中小企業、零細企業が増えてきてしまったから開発したローン商品です。

その特徴はというと

  • 金利を高くすることで審査基準を下げる
  • 審査を自動化することで審査コストを下げる

ことが前提になっています。

金利を高く設定して審査基準を下げること

を前提にしているのですから

審査が甘いのは当然

なのです。

では

  • 金利を高くすることで審査基準を下げる
  • 審査を自動化することで審査コストを下げる

というのはどういうことを意味しているのでしょうか?

「金利を高くすることで審査基準を下げる」とは?

「金利を高くすることで審査基準を下げる」とは?

銀行やノンバンクのビジネスモデルは

低金利で資金調達して → 高金利で融資をして → その利ザヤが収益

です。

銀行融資であれば

銀行が個人から預金で金利0.001%で資金調達して
企業へ金利年率3.0%で貸すことができれば
融資額の年率2.999%が銀行の収益となります。

1億円の融資案件であれば約3.0%の300万円が年間の収益となるのです。

ただし、ここに「貸し倒れ(デフォルト)」という要素が入ってきます。

前述した条件で100社に融資をした場合

1億円 × 100社 × 年率3.0%の収益 = 3億円の収益

となります。

しかし、100社のうち3社が倒産してしまったら・・・

1億円 × 3社 = 3億円の貸し倒れ損失

で、収支はトントンになってしまいます。ここに融資にかかわった融資担当者の人件費や支店の家賃などもコストが加わるので、実質赤字になってしまうのです。

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融資やローンサービスでは、この「貸し倒れリスク、貸し倒れ率」が非常に重要な要素となるのです。

貸し倒れ率を下げなければ、銀行やノンバンクは収益を上げられないので、貸し倒れ率を下げるために厳密な審査をするのです。

銀行のプロパー融資の金利は1.0%~5.0%が相場です。

貸し倒れ率は、金利(年率)よりも低くないと利益がでないため、この基準で審査をすると、多くの中小企業、零細企業、個人事業主が審査に落ちてしまいます。銀行からこれは見ても大きな機会損失です。

そこで考えられたのがビジネスローンです。

「金利を高く設定すれば、許容できる貸し倒れ率も大きくなるから、融資先が増えるのでは?」

という考え方に基づいているのです。

結果として

  • 銀行ビジネスローン:年率5.0%~10.0%
  • ノンバンクのビジネスローン:年率5.0%~15.0%

という金利設定で

「許容できる貸し倒れ率を引き上げる = 審査を甘くする」

ローンになっているのです。

これがビジネスローンの審査が甘い理由です。

「審査を自動化することで審査コストを下げる」とは?

もう一つの問題として、銀行は審査をする時の審査コストを削減する必要があると考えました。

銀行融資では一般的に下記の手順で審査が進められます。

  • 銀行の融資担当者が稟議書を作成
  • 支店内で稟議書が回覧
  • 支店長が最終決裁(もしくは中間決裁)
  • 本部の部長・役員が最終決裁

融資決定までには1カ月以上かかることもあるのは、多くの関係者が決裁に必要だからです。

しかし、

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「融資額の小さい中小企業、零細企業向けのローン商品で同じような手間をかけられない。」

と、銀行は考えたため、中小企業、零細企業向けに「審査の自動化」をビジネスローンでは取り入れたのです。

審査の自動化で利用されるのは「スコアリングシステム」という審査システムです。

スコアリングシステムとは

過去の融資データを基にして、企業の決算情報が入力されると、似たような業種、経営状態の会社の過去の融資データの貸し倒れ率から、想定される貸し倒れ率を算出し、審査結果を計算してくれるシステムです。

スコアリングシステムの導入によって

審査ノウハウのない担当者でも

ものの数分で

  • 融資の可否
  • 融資できる限度額

がはじきだされるのです。

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最終的な融資判断は、審査部の部長の決裁が必要なので、完全な自動化とは言えませんが、ほとんど自動化することができるので、審査スピードの早いビジネスローンの場合、「最短1時間審査」が可能になっているのです。

ビジネスローンの審査はシステムが行っているのです。ではシステムは何を見て審査をしているのでしょうか?

ビジネスローン審査基準

ビジネスローン審査基準

スコアリングシステムが審査をするポイント

基本的にスコアリングシステムが計算できるのは「将来のこと」ではなく、「過去の実績」です。

  • その事業がどれだけ優れているか?
  • その事業の市場がどんなに有望か?

というのはシステムでは判断できません。将来的にはAIが審査してくれるかもしれませんが、現時点では無理です。

スコアリングシステムが判断できるのは

  • 過去の決算情報
  • 業界、業種、事業歴などの基本データ

だけなのです。

ビジネスローン審査では

「決算情報」と「業種や事業歴といった基本情報」のみで審査が行われる

のです。

では、その中身というと・・・

「収益性」を判断するビジネスローン審査での決算数値

売上高経常利益率

計算式

売上高経常利益率 = 経常利益 / 売上高

「経常利益」の目安

優良:4.0%~
良好:3.0%~4.0%
普通:0.0%~3.0%
注意:-0.3%~0.0%
危険:~-0.3%

総資産経常利益率(ROA)

計算式

総資産経常利益率 = 経常利益 / 売上高

「総資産経常利益率(ROA)」の目安

優良:15.0%~
良好:9.0%~15.0%
普通:6.0%~9.0%
注意:2.0%~6.0%
危険:~2.0%

「安全性」を判断するビジネスローン審査での決算数値

当座比率

計算式

当座比率 = 当座資産(現金、預金、受取手形、売掛金、有価証券) / 流動負債

「当座比率」の目安

100%以上

流動比率

計算式

流動比率 = 流動資産 / 流動負債

「流動比率」の目安

200%以上

固定比率

計算式

固定比率 = 固定資産 / 純資産(自己資本)

「固定比率」の目安

100%以下

固定長期適合率

計算式

固定長期適合率 = 固定資産 / ( 固定負債 + 純資産 )

「固定長期適合率」の目安

100%以下

自己資本比率

計算式

自己資本比率 = 純資産 / 総資産

「自己資本比率」の目安

40%以上

「返済能力」を判断するビジネスローン審査での決算数値

債務償還年数

計算式

債務償還年数 = 有利子負債 / (営業利益 + 減価償却費)

「債務償還年数」の目安

優良:3年以内
良好:5年以内
普通:10年以内
注意:10年超
危険:20年超

インタレスト・カバレッジ・レシオ

計算式

インタレスト・カバレッジ・レシオ = 営業利益(+受取利息配当金) / 支払利息(+手形売却損)

「インタレスト・カバレッジ・レシオ」の目安

優良:20倍~
良好:10倍~20倍
普通:2倍~10倍
注意:1倍~2倍
危険:~1倍

等があります。

当然、これに加えて

  • 業種、業界
  • 事業歴
  • 連帯保証人である法人経営者の信用調査

などが加味されて

過去の融資データで似たような決算数値が出ている会社群の貸し倒れ率を算出し

想定貸し倒れ率 + 銀行側が上乗せするの金利 < ビジネスローンの上限金利

であれば「融資可能」となるのです。

銀行側が上乗せするの金利は、銀行の取り分と考えて良いでしょう。これは銀行やノンバンクによって設定は異なります。

こればビジネスローン審査の中身です。

では、審査の甘いビジネスローンはどうやって選べば良いのでしょうか?

審査の甘いビジネスローンの選び方

審査の甘いビジネスローンの選び方

その1.銀行ビジネスローンよりもノンバンクのビジネスローンを選ぶ

ビジネスローンの金利相場は

  • 銀行ビジネスローン:年率5.0%~10.0%
  • ノンバンクのビジネスローン:年率5.0%~15.0%

です。

ノンバンクというのは、消費者金融やカード会社、信販会社などです。

前述した通りで

  • 金利が低金利 → 許容できる貸し倒れ率が低い = 審査が厳しい
  • 金利が高金利 → 許容できる貸し倒れ率が高い = 審査が甘い

という関係にあるため

銀行の中で見ればビジネスローンは審査が甘いローン商品ですが

ビジネスローン全体で見ると

ノンバンクのビジネスローン > 銀行ビジネスローン

の方が審査が甘いのです。

その2.スコアリングシステムよりも、アナログ審査のビジネスローンを選ぶ

前述した通りで、ビジネスローンの審査はスコアリングシステムが基本です。

しかし、スコアリングシステムを導入するためには

  • 多額の投資コスト
  • 膨大な融資データ

が必要になるため

大手の銀行や消費者金融はスコアリングシステムを導入できるのですが、中小企業規模のノンバンクの場合はスコアリングシステムの導入ができないのです。

結局、中小企業規模のノンバクのビジネスローンの場合は、今まで通りに

ノウハウのある審査担当者のアナログ審査

がベースとなっているのです。

スコアリングシステムでは、決算情報がメインの審査であり

  • 将来性
  • 市場の成長性
  • 市場規模
  • 競合優位性
  • 経営者の熱意

などは、全く考慮されません。

つまり、決算情報に自信はないけれども、競合優位性や将来性には自信があるという方の場合は、スコアリングシステムではなく、アナログ審査を採用しているビジネスローンの方が審査に通る可能性が高くなるのです。

その3.知名度がないビジネスローンが狙い目

ビジネスローンでは過去の融資データを基に、同じようなグループ群の貸し倒れ率を算出して、申込んだ会社の想定される貸し倒れ率を算出する

と言いました。

そのため、過去の融資データの基準が高い金融機関ほど、審査が厳しいことになります。

一般的な経営者であれば

  • 日本政策金融公庫
  • メガバンク
  • 全国展開している都市銀行、信託銀行
  • ネット銀行
  • 第一地方銀行
  • 第二地方銀行
  • 信用金庫
  • 大手消費者金融
  • 中小消費者金融
    ・・・

という順番で資金調達を検討するのではないでしょうか?

concierge
審査に落ちるに連れて、徐々に利用する金融機関の信頼性が落ちてくるのですから、当然、二番目に位置するメガバンクの銀行ビジネスローンの参考にしている過去の融資データの基準ベースがそもそも高いことになります。

だとすれば、中小消費者金融のビジネスローンが一番審査が甘くなるのは自明の理なのです。

中小消費者金融が都市銀行と同じ審査基準にしていたら、誰も借りてくれないのですから当然なのです。

信頼性を重視してビジネスローンを選ぶことが間違っているわけではありませんが「審査が甘い」というキーワードでビジネスローンを比較するのであれば、信頼性が乏しい金融機関の方がおすすめできるのです。
当然、知名度が低い中小消費者金融といっても、闇金や違法業者はNGです。

その4.キャンペーンをやっているビジネスローンが狙い目

ビジネスローンによっては期間限定で

  • 金利優遇キャンペーン
  • ○○プレゼントキャンペーン
  • ○○円分のギフト券プレゼント
    ・・・

などのキャンペーンを展開するときがあります。

概ね、

  • 決算月の間近で金融機関側の売上が欲しいとき
  • 決算月の間近で年間目標に売上が届いていないとき
  • 繁忙期(3月、9月)

にキャンペーンが展開されることが多いようです。

キャンペーンを実施している = 顧客獲得に困っている

ですから、審査の基準が一時的に下がる可能性が高いのです。

まとめ

金利を高く設定することで許容できる貸し倒れ率を引き上げる(審査の甘くする)

ことを目的に開発されたのがビジネスローンなのです。

ビジネスローン審査では

  • スコアリングシステム

が採用されています。

スコアリングシステムの審査では決算情報が重要になるのです。

  • 売上高経常利益率
  • 総資産経常利益率(ROA)
  • 当座比率
  • 流動比率
  • 固定比率
  • 固定長期適合率
  • 自己資本比率
  • 債務償還年数
  • インタレスト・カバレッジ・レシオ
    ・・・

など銀行融資の審査で利用されるのと同じような項目で過去の融資データと照らし合わせることで、審査結果がはじきだされるのです。

審査が甘いローン商品がビジネスローンですが、さらに審査の甘いビジネスローンを探すのであれば

  • 金利の高いノンバンクのビジネスローンを選ぶ
  • アナログ審査のビジネスローンを選ぶ
  • 知名度がないビジネスローンを選ぶ
  • キャンペーンをやっているビジネスローンビジネスローンを選ぶ

という方法があります。

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資金調達のコンサルティング、資金調達のサポート事業を行っています。銀行融資から、担保融資、ビジネスローン、不動産担保ローン、ファクタリングまで、様々な資金調達方法を紹介し、資金繰りの改善をお手伝いしています。実際に私が経営している会社でも、様々な方法で資金調達を実現させました。